だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』感想

あぁ…ついに観てしまう…1/9はスターウォーズ記念日…と胸熱で席についたのですが、ヤバかったよー!(悪い意味で)ここから12月よもやまの発言をことごとく覆していきますね…!ネタバレ、もちろんあります!

まず一番のヤバさは開始1秒、オープニングクロールで訪れた。

死者の口が開いた!復讐を誓う元皇帝パルパティーンの声が銀河中に響き渡る。

は? おいおいおい…パルパティーンは生き返らせたらあかんやろ…!百歩譲って、生き返るとしても少なくともep8から匂わせといてくれ。字だけで処理。ナレ死より酷い、字幕蘇り。しかも、肝心の登場の仕方も安っぽく、ダサいんですよ。それでも、さすがにイアン・マクダーミドのうま怖オーラは衰え知らずで、彼が作り上げたパルパティーンを超える悪役は新たに作り出せず、ゾンビ化したくなるのもわかる気がした。ただ、出ちゃったからにはあの冴えた頭で活躍して欲しかった。思惑も作戦も一つも賛成できない。夥しいにも程があるほどスターデストロイヤー量産して(クソコラかと思った)、フォーメーション皆無で等間隔に飛行。なにがしたいんや…パルパティーン。おまけに、ドヤ顔で命名した「ファイナルオーダー」、ドヤ顔できる程ひねれてない…!そのクソコラに向かっていく反乱軍も反乱軍だし、ランドが連れてくる、これまた夥しい同盟軍にも笑いました。

ルークもレイアもランドもハン・ソロも旧三部作メンバー大集結でオマージュセリフもあったし、新三部作からはレイを鼓舞する霊体としてジェダイたちが声の出演をしたり(レイ的には知らんおっさん達の声で気持ち悪いと思うのですが)C-3POが突如エモい台詞を喋りはじめたりして、めちゃくちゃファン感謝祭的ではあった。でも、肝心の話がお粗末すぎるので、涙もひっこみますよね…。当時の米ソ冷戦を反映させ、わかりやすく善と悪との対決を描いた旧三部作、新三部作の善から悪への陥落を経て、続三部作ではゆらぐ善悪の境界と血の呪いからの脱却にテーマが移っている。時代にもあった面白いテーマのはずなのに、なんでこんな駄作になってしまうんだろう。ま、一番は、パルパティーンのせいなんですけど。他にも、ハリー・ポッター4巻以降の二番煎じ的なストーリー・設定も気になったし、何より、フォースの拡大解釈がますます加速して、宇宙船の引っ張り合いとか傷口治すとか、それができたら、これまでの話色々と変わってくるのでは…と。レイア役のキャリーが急逝したから、急遽大幅に方向性を変えざるをえなくなっただけで、本来は素晴らしいストーリーが待ち受けていたはず…と、何とか自分を納得させながら観るしかなかった。それにしても残念に思ったのは、キャラやガジェットなんかは二次創作的に踏襲するのに、絵作りにおいては全く興味ないんだな、ということ。ストーリーは仕方なかったにしろ、撮影方法や編集、場面転換、テンポ感にもスターウォーズの型はあるはずなのに、それが全くと言っていいほど受け継がれてないので、エセ スターウォーズ感があって…。そこが監督としての腕の見せどころだと思うので、ルーカスの真似事だけでは終わりたくなかったんだろうけど、スピンオフはいいとして本編と呼ばれるものはもうちょっとこれまでの流れを意識して欲しかったな、と思いますね。とはいえ、もう終わってしまったことなので、とりあえずは、サーガ完結おめでとう!(私のサーガ完結はep6ということにするけどね!)という気持ちです。既にオビ・ワンのスピンオフは決まってるし、ディズニーのスターウォーズエリアも拡大するし、まだまだ世界は閉じず続いていき、きっと何やかんや文句を言いつつ、踊らされ続けるのでしょうが…。

あ、早速続編の話が出てますね…(白目)

『サクラヒメ』@南座 感想

大手の演劇製作会社が手掛けた初めてのイマーシブシアターであること、しかも、南座フルフラット化、初DAZZLEということで興味津々。S先輩、K先輩と共に行ってきました。ちなみに、S先輩は『スリープノーモア』に一緒に行ったイマーシブ仲間、K先輩はイマーシブシアター初参加。

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客席空間と一体となった舞台で、物語の世界へ自ら飛び込むか!それとも、雲上(2・3階エリア)から彼らの運命を裁決(投票)するか?二つの観劇スタイルから選んで楽しむ南座発!体験型マルチエンディング演劇誕生!!
日本最古の歴史を持つ劇場・南座で行われる初の本格的イマーシブシアター『サクラヒメ』。歌舞伎の『桜姫東文章』に材をとり、イマーシブシアター(体験型公演)に仕立てたオリジナル新作。
1階の観客席を全て取りはらい、舞台面と同じ高さにする南座の新機構“フラット化”を活用し、舞台と客席エリアを完全一体化。その広い空間のいたるところで同時多発的に行われるパフォーマンスを、手の届く距離で観劇できる新しい演劇体験をお楽しみください。
「自分の意志で見るシーンや結末を決める」ことが出来る“南座版イマーシブシアター”。日本におけるイマーシブシアターを牽引してきたダンスカンパニー「DAZZLE」による脚本・演出で、皆さまひとりひとりにとっての“自分だけの物語”を体験してください。

ざっくり一言で感想をまとめるとこうなります。
わたしとS先輩が思うイマーシブシアターではなかった。

まず、私達は2階席を購入したので、着席して観劇する「雲上人」にあたる。キャストが何度も2.3階に登場したり、結末を採択できる権利は持つものの、自ら自由に回遊できるわけではない。といっても、全て織り込み済みでこの席を購入してるのでそれ自体は全然良い。でも、2階から見る限り、1階の「都人」も回遊できてなくない…?元々の舞台部分である劇場前方はアクティングエリアとしては機能するものの、舞台袖の問題などもあるので、お客さんの立ち入りは禁止。オープニングシーン後には劇場中程の元客席部分に大きな移動式装置が2つやってきて、そこもお客さんが立ち入れないアクティングエリアになるので、お客さんの居場所がさらに狭まる。(1階後方部分の状況は全く見えていません)主なパフォーマンスは主に前方〜中程で行われているので、この日、70〜80名ほどいた都人たちは、ほとんどの時間、この2つのセットの間にひしめき合うことになっていた。それに、スタッフからの指示があったか自発的だったか定かじゃないけど、元の舞台部分のパフォーマンスを観たい人が集まって来た時、後ろの人が見えなくなるのを防ぐため(なんせフルフラットなので)、皆でぎゅうぎゅうになって地べたに座り込む。これには、紅テントで尾てい骨が死んだ記憶が蘇り、自分のお尻まで痛くなった気がした。しかも、この地べたに座って観るという時間が長い。確かに、同時多発的に別場所で各キャラクターが踊ってはいるんですけど、さほど動き回るまでもなく、一定場所でのダンスパフォーマンスが続くので、お客さん側も同じ位置で観るだけという。そして、そのパフォーマンスが終わる度に拍手が響いて、あぁこれはもう没入ではないな…と思った。ただの紅テント…。もちろん、ところどころで、都人たちが移動式舞台上に導かれ、お座敷遊びに参加させられたり、喋りかけられたりする仕掛けもあるけど、ごく少人数ずつ。あとは、その他大勢としてぎゅうぎゅうにひしめき合っている。ふらっと「回遊する」という中間項がない。フルフラット化という特殊機構ゆえこのイマーシブシアターが実現したけど、イマ―シブシアターの経験が浅い中の考えとしては、いくつかの階層や空間を移動することで、全てのパフォーマンスを見渡すことができない、視覚の困難さがイマーシブシアターの面白さの大きな要因だと思っているので、むしろ真逆の効果を生んでしまっていた(運営面では一括管理出来て楽だったと思うけど)。没入面で付け加えると、都人は黒い羽織を着させられ、没入度を高める工夫がなされている。でも、役付きでないダンサーたちもほぼ同じ黒い衣装を着ていて、区別がつきにくい上に化粧っ気もほぼなく、ヘアも舞台用とは到底思えない至って普通の髪型(ポニーテールとか)をしてる。これは都人として参加者に寄せてきているから…?いやいや、さすがにこれで世界観に引き込むのは難しいのでは。
次に、作品内容。ストーリーは「桜姫東文章」よりとなってますが、踏襲しているのは、輪廻転生と桜姫の手が生まれながらに開かないというモチーフのみ。舞台上で日毎生まれる芝居自体が、毎日同じキャラクターが同じストーリー(人生)を繰り返す輪廻転生みたいなもので(これを上手く芝居化しているのが、エリザベートやスリープノーモアやエターナルチカマツ)その輪廻転生の行く末をあなたの手で、少し変えてみませんか?という趣向自体は面白いと思った。ただその枠組み以外の中身はあってないような感じ。ダンスはほぼ全編テイストのまま代わり映えがせず、時々挟まる台詞は安っぽく、何故か録音済みの白々しい芝居に口パクで合わせている。プリンシパルの衣装や音楽もセンスが合わず、KERENを思い出してしまった。おまけに、雲上人に委ねられる結末というのも、5人のイケメンキャラのうち誰を桜姫と結び合わせるか、という乙女ゲーでしかない。(サクラヒメを拐かした盗賊がいきなり5人のイケメンたちに宝物を持ってこい!と言い出して、かぐや姫的な…?と思ってると、イケメンたちが「俺の足をくれてやる!」的な体の部位で返していて、そっちかい!と思いました。これ、手の人いたっけ…?サクラヒメの指が開かないから手、とか、実はそういう正解があるんでしょうか。)
わたしは存じ上げなかったのですが、キャストはそれぞれ人気のあるかたのよう。歌やアクロバットやダンスやタップなど、それぞれの武器を持っている。各キャラがそれぞれにパフォーマンスを始めると、都人がそれぞれの「推し」の元へ殺到する。推しの役柄のテーマカラーに合わせてコーデをしてきた人、推しを近くで観れて思わずテンションが上がってニマニマしてしまう人、一挙手一投足目を離さない人、ずっと手を振ってる人。それを上から観る我ら…これは一体何なんだろう。運営上の諸々のリスクの高さも、一気に没入をしらけさせてしまうムードも…イマーシブシアターでの名のある人の扱いの難しさを改めて実感した。でも悲しいかな日本は、票を持ったキャストによる集客に依存している。。。
クラヒメの相手をイケメン5名から選ぶ投票は、事前に渡された用紙を折って、選んだキャラのカラーを掲げる。

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でも、こうなってくると、おのずとただのキャスト人気投票に変わりますよね。ファン的にはこちらの方が燃えるのかもしれないけど、本来の趣旨から外れてしまう。そういう意味でも、人ではなくストーリーをいじれる方が良かったと思う。雲上人の投票の後、5人の中から徐々に脱落していくダンスを挟んで、選ばれたイケメンとサクラヒメのハッピーエンドフィナーレを観ながら、これ完全に「わたしのホストちゃん」やろ…とうち震えました。

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なんか色々ともやもやしてしまって、アフタートークショーで「DAZZLEは日本一、世界一イマーシブシアターを作っている」と自己紹介していて、そ、そうかー…と冷めてしまった。とはいえイマーシブシアターには合わない特異な空間だったので、本領発揮はDAZZLE本公演のほうなのでしょう。めげずに観に行きますー…。

四海の数とヨドコウ迎賓館へ。

芦屋市立美術博物館へ「四海の数」を観に行った。閑静な住宅街に突如現れる建物。

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ashiya-museum.jp

ラッキーなことに無料開放日だった!中はいかにも町の美術館といった感じで非常にコンパクトで温かみがある。本当に近所の人たちがふらっと遊びに来てる感じがして、雰囲気が良かった。
芦屋市立美術博物館のコレクションを現代美術作品とともに紹介する展覧会シリーズ「art trip」。「数」をテーマとする今回には、今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太の4名が参加する。
具体美術協会で活動後、1970年代より写真や映像といったメディアを素材として「時間」について思考させる作品も生み出している今井、空間の特性を読み、音や光、影といった非物質的な現象を用いたインスタレーション作品を展開する久門、映像の特性に基づき、空間演出とパフォーマーと共同しながら制作を行う津田、その土地の史実や文化のあり様を収集し、自身の手によって思索した造形物を通して目に見えないつながりを顕在化する中村。
 本展では、芦屋市立美術博物館の所蔵作品と4名の作品を通して、共通言語であるいっぽう、価値観の差異によって捉え方が変わる「数」についての意識を深める。
展示数が少ないのでサクッと回れてしまったけど、それぞれの特色をクリアに感じられて、面白かった。1階には今井さんの40年以上にわたるデイリーポートレートが一年ごとに積み上げられている。1時間露光の写真、テレビ画面の1分露光の写真も。吹き抜けになっているので、2階から、様々な時間の尺度や軌跡を眺めることができる。チラシのビジュアルにもなっている津田さんの「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」は普通の木枠、鏡、モニター、様々なフレームが吊り下がった空間を回遊できるインスタレーション。鏡かと思ったらただの木枠であちら側の風景が見え、かと思えば、モニターに壁にかかった作品も含めた自分の後ろ姿が映り、フレームの迷宮に迷い込む。鈍いので全然気づいていなかったのだけれど、作品名通り、モニターの一部には1日前の映像が流れているよう。フレームはそことここだけでなく時間も飲み込んでいる。その奥には中村さんの考古学的アプローチによる調査。久門さんのインスタレーションは暗闇の中、轟音が鳴り響いていたけど、不思議と居心地よく、いつまでもいられる気がした。まもなく愛知で大型個展があるようで、行ってみたい。

www.museum.toyota.aichi.jp

阪急バスに乗って(緑町→開森町)ヨドコウ迎賓館へ。バス停からたった200mなのに、急勾配だからめちゃくちゃキツい。しかし、さすが芦屋、超豪邸ぞろいで、どれが迎賓館か一見わからん…。

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ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)到着!

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www.yodoko-geihinkan.jp

フランク・ロイド・ライト設計。1924年に建てられ、1985年に大規模な修復工事、その後も度々修復工事がなされて、最近では2017年から2年間工事のため閉館。2019年2月から見学再開になったよう。水、土日祝日のみの見学。予約は無しでOK。ちなみに、スタシアカード優待ありました。(スタシアカード、関西圏の美術館は使えるところが多くてかなり重宝してる。)

stacia.jp

のっけからオーラ全開でした。f:id:kotobanomado:20200113142211j:plain

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旧帝国ホテルと同じく、内外に大谷石をふんだんに使った建築。2階の応接室。

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もはや古代遺跡っぽくもある大谷石

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整然と並んだ明かりとりが可愛い。ディズニーの「眠れる森の美女」が大好きなので、妖精たちが魔法がバレないように家じゅうの窓を閉め回る時の可愛い窓を思い出した。程よいメルヘン味。

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3階の和室。

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床の間にも窓と銅板。

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裏から見るとこんな感じ。

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モチーフの反復があちこちに。斜面上という特殊な地形に合わせた造りになっているので、動線が複雑。階段にY字路が出現するのも面白かった。

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4階の食堂は天井が三角錐型になっていて、山小屋みたい。明かりとりも三角形の切れ込みに。

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ここから広いテラスに出られる。

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デザインはもちろん景色も良いし、何よりしっかり補修されながら大事に保管されているのが伝わってきて、とっても素敵な空間でしたー!
旧帝国ホテルの玄関部分が残ってる明治村に行ってみたい欲が俄然出てきて、同じ愛知だから久門さんと梯子できるやん!と思ったら、愛知を甘く見過ぎでした。愛知、デカい。

広島旅行2019 その2。

去年行った広島旅行記。その1はこちら。

kotobanomado.hatenablog.com

 

<2日目>

朝ごはん。メニューが揃う前ですね、これ。。

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石亭に名残惜しさを感じながら尾道へ。ロープウェイに乗り、千光寺からの眺め。

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尾道といえば、猫!下りはロープウェイに乗らず「猫の道」なるルートで下ったんですが、猫に会える道じゃなくて猫グッズの道だった…。(遠い目)結局、1匹も会えず。
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途中、めちゃくちゃジブリっぽい素敵な店があった。

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朱華園が休みだったので、近くのおのみちラーメンを食べる。

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前にTVか雑誌で見て気になっていた向島のウシオチョコラトルへ。対向車NGの細い道を進んだ公民館の2階が店舗になっている。運転苦手な父が冷や汗をかきながら何とか辿り着いた。カカオのみで作った、甘酒みたいな不思議な味わいのチョコレート。

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父が力を使い果たしたので、早々宿へ。この日は鞆の浦の「汀邸遠音近音」。

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www.ochikochi.co.jp

石亭に泊まりたい!っていう想いが強かったので、正直、汀邸は後付け。石亭がなかなかにお高く、こちらは微妙にケチってコーナービューツインにしたため、3人では面白いくらい窮屈だった。ただ、テラスはゆとりがあって、目の前に弁天島仙酔島が見え、波音も聞こえて、気持ちいい。

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テラスの露天風呂も最高。温度は湯量は一括管理だったけど、いい湯加減だしすぐ足し湯される。洗い場や洗面所も広くて綺麗でテンション上がる。大浴場がない代わりに、車で近くの姉妹館「鴎風亭」まで車で送迎してくれる。大浴場の代わりになる貸切風呂は2箇所あって、45分単位で無料予約できるという話だったので、父、母と私で超高速で入って交代しないとなぁと思ってたら、この時間は空いているので、2箇所予約しますね!と言ってくれ、気兼ねなくゆっくりできた。

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お料理は味も量も満足感たっぷり!鯛めし美味しい…。

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惜しむらくは、パブリックスペースがほとんどなかったこと。(石亭がありすぎた)玄関は古い梁が残る町家をリノベーションした建物で雰囲気があるけど、そこにあるスペースもかなり狭く、宿泊棟へ行くにはそこからは渡り廊下を渡って別建物(旅館というよりかなり施設っぽい)に移動するので、なかなかここまで休みに来れないかな。

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フリードリンクのあるロビーも狭いしフロントが隣接しているので、ゆっくり寛ぐという感じではない。部屋広めにすればよかった…と後悔した。

 

<3日目>

朝の海もいいですね…!

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朝ごはん。
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鞆の浦散策。對潮楼。

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保命酒を造るお店がいくつか残っている。高野山のだらにすけ的な?

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その中のひとつ、太田家住宅がすごい。無駄のない動線を叶える間取り、生活の知恵が反映された工夫、ハイセンスなのに嫌味ないデザイン、高級木材にハイカラなタイル、まさかの音姫機能。全部見どころ。各部屋をガイドしてくれたので、めちゃくちゃ満喫できた。

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「流星ワゴン」でもお馴染み、常夜灯。

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いろは丸事件で、龍馬が逃げ隠れしまくったらしく、あちこちに隠れ部屋があって面白かった。

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 「ゆく美くる美」で紹介されててずっと気になっていた神勝寺へ。

szmg.jp

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お目当てはSANDWICH設計、名和晃平インスタレーションが観られる洸庭。圧巻すぎる…!どのアングルから見てもすごくないですか…!?

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インスタレーションは、暗闇の中に波立つ水面とわずかな光を20分くらい眺める。(親には意味わからん…とぼやかれる)貸切状態。いやいや、贅沢すぎませんか…どんだけお金かかってるねん…。しかし、これだけでは終わりませんでした。寺というか、本堂にたどり着くまで20分という、もはや村の風景が広がっていた…。

寺務所はなんとフジモリ建築。

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お風呂もあれば食べるところもたくさん。

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神勝寺うどん。修行僧と同じお作法でいただきます。

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山道的なところまで手入れが行き届いて綺麗すぎる…。

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広大な敷地のどこもかしこもお金を掛けまくっているのが伝わってくるし、ピエールエルメのオリジナルグッズ売ってるし…なんなんだここは…実はヤバい宗教のヤバい資金で作られたのでは…と、だんだんビビり始める我が家。そしたら何か怪しい歌も聞こえてきて怖くなったので、そそくさとお暇してしまった。後から調べると、瀬戸内を牛耳っている常石グループが経営してる一種のテーマパークだったんですね。ヤバくなくて良かったー!

 

以上、のんびり広島旅を懐古する、でした。

居心地が良くてごはんも美味しいので、ついつい遊びに行きがちな瀬戸内方面。次は呉に行ってシーパセオに乗る!が目標です。早く自由に遊びに行きたい!

広島旅行2019 その1。

道後・台湾行きの予定がなくなって悲しいので、昨春行った2泊3日の広島旅行を振り返るの巻。といっても、記憶が怪しいので、主に画像を貼っていくだけ…。

この旅行の目標としては、大きく3つ。

●平和資料館に行ってみたい
●長らく家族旅行できてなかったので、両親を連れて行って喜んでもらいたい
●いい宿に泊まりたい

無事クリアしました!

では、まず1日目。 

<1日目>
広島市内から観光。カープラッピングの広電!車内アナウンスも選手という凝りようでかなり面白かった。これ、阪急電車で宝塚バージョンやってほしい。

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みっちゃん総本店(八丁堀店だったような?)でお好み焼き。野菜たっぷりで全然重くない。モリモリ食べれた。

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原爆ドーム&平和資料館へ。

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淡々とした資料展示かなと勝手な想像をしてたけど、前半部分は犠牲者ひとりひとりのパーソナリティを前面に打ち出したかなりエモーショナルな作り込みをしていて、ボルタンスキー展を思い出した。

kotobanomado.hatenablog.com

ボルタンスキーから間をおいててよかった…。直近だったら、引き受けるものが多すぎて、苦し過ぎたかもしれない。本当に行ってよかった。財産になった。
続いて、宮島へ。宮島口から宮島へ向かうフェリーというニッチな競合他社、面白い。

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映えない干潮時の厳島神社

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宮島って、厳島神社があるだけかと思いきや、お土産屋さんも飲食店も充実してるんですね。神の使い、鹿。奈良のアグレッシブさで慣れてるから、大人しすぎて心配になった。

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宮島口より本日の宿、石亭へ。

www.sekitei.to

一度泊まってみたかった「離れ」。全12部屋でそれぞれ全く違った間取りの離れというのに惹かれて予約。今回は「老松」という部屋に泊まった。なぜか左右両方に戸があるのにどちらにも鍵がないトイレとか、2階は風呂のみという変態的なお部屋。旅館全体が個性的な間取りや美意識に彩られていて、ワクワクが止まらない。

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こういう書斎、憧れの極致…!

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綺麗に手入れされたお庭にはお部屋からそのまま出られる。庭から全体の部屋を眺めると、それぞれ違った作りで興味引かれるし、それぞれが風景の一部になっていて、感激。

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裏側はちゃんと廊下で繋がっているので、探索するのが面白い。

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パブリックスペースが充実しているのも最高でした!お庭が一番綺麗に見える中央のラウンジ。

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夕方には日本酒、夜はおしるこ、朝はジュースのサービスがあって、みんなここでノンビリしていた。この下もサロンだし、お庭を下っていくとライブラリー的な小部屋もある

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お風呂はお部屋のものとは別に全12室には十分すぎるほどの大浴場があって、露天、半露天、檜風呂が楽しめる。他のお客さんとほとんど会わず、貸切状態で、ゆったり満喫。

晩御飯、美味しい。(順不同かも‥)宮島名物うえののあなごめしのオーナーさんが経営してるので、締めはあなごめし。お腹いっぱいで完食できず。。

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かなり奮発した宿だったのですが、それだけの価値は十分感じられる充実した体験ができました…!いい宿、最高!

VR ZONE UMEDAに行ってきた話。

K先輩にイマーシブを布教していたら、結果、VR ZONE OSAKAに行くことになった話です。

vrzone-pic.com

会社帰りに、ゴジラと怖いやつとパックマンに行ってきました。(普通にネタバレあります)

まずは、一番のお目当て、ゴジラから。

ゴジラの圧倒的な巨体、絶望的な破壊、次々と撃墜される仲間たち・・・
この国を守れるのは君たちしかいない!
攻撃ヘリ部隊の一員となってゴジラと戦え!
ゴジラの猛威をVRで間近に体験!
血液凝固弾を命中させろ!

仰ぎ見るとゴジラ、っていう夢を年に一度は見る身からすると、感極まる光景が広がっていた。しかも、ヘッドフォンからは伊福部さんのあのテーマソング付き。た、たかまる…!プレイヤーはヘリ隊員という設定なので、下を向いたらヘリ隊員としての足が、後ろを見たら自分が乗ってるヘリの後方部分やプロペラが見えたり、ゴジラの攻撃でヘリの窓が割れたり、という細部まで凝ってて、VRってこういうことが可能になるんですね…!と、かなり感動した。(ただちょっと画素数が粗い気もしたけど)グループごとに一体のゴジラを倒す設定。ゴジラ好きのわたしとしてはゴジラに攻撃するなんて忍びなかったのですが、断腸の思いでボタンを連打しました。(思い切り撃っとるがな)タッグを組んでる者同士の声はマイクを通じて聞こえるし(私たちはうるさすぎたので普通に生声が聞こえた)お互いの攻撃も反映されている。明らかに撃ちどころを間違えたけど、普通にゴジラが固まって終わりました。

…と、VRの威力を思い知ったところで、次に選んだのが、ホラー実体験室 脱出病棟Ω(オメガ)。体験中の人たちの叫び声が辺りに響き渡っている…。

決してひとりでは入らないでください・・・
このお化け屋敷は本当に襲われる!
VRが切り開くかつてない恐怖体験
友達と一緒に、呪われた廃病院から脱出せよ!
生き残るためのルールは、制限時間内に脱出すること。
ただし仲間の誰か1人でも死亡した場合は、全員殺される…
プレイヤーは車椅子に乗っている設定。左手のレバーで車椅子の前後の操作、右手のリモコンは懐中電灯として真っ暗な通路を進むのに照らしたり、分岐点になるとどちらに進むか向きを選ぶことができる。ペアは基本バラバラに動くのですが、お互いの位置は認識でき、中間地点で2人揃わないと進めないとか、最後も制限時間内に2人揃わないと先に着いた方が処刑されるとか、片方が死んだらゲームオーバーとか連動してます。
キャラクター造形も内容もかなりグロい。特に最後の処刑場は、ペアで先についた人は、周りが徐々に処刑されていく中、相方が助けに来るのを待たなければいけないらしく、その状況は無理…と思った。わたし、ホラー映画は好きですが、究極の社会風刺として面白いから見ているので、こういうただのグロい系は見ないし、処刑とか、倫理観からあまりに逸脱した行為をエンタメ消化するのは受け付けないので、嫌い…!(おこ!)の感情と、さすがVRで普通のお化け屋敷よりも突然目の前に出てくる感覚でめちゃくちゃ怖くて、ただでさえ激しい動悸息切れに拍車がかかり、終わったころにはすっかり消耗しきった…。グロ好き以外はオススメしないです。
最後に、パックマンで気分転換。上の二つと違って、VRゴーグルをかけつつ自分でも自由に動くタイプ。内容は↓の説明の通り。ちょっとした運動になって面白かった。
仲間とともにパックマンのメイズ(迷路)に飛び込め!
動くクッキー、迫るゴースト、近づくタイムリミット・・・。
形勢逆転のパワークッキーを切り札に、伸びて、しゃがんで、動き回り、全身でクッキーを集めつくせ!さぁ、君たちは最終ラウンドにたどり着き、見事クリアすることができるのか!?
平日夜だからかめちゃくちゃ空いてて、どれも待ちなしだった。HEP FIVEの8、9階という贅沢な空間にアトラクションが15個。各アトラクションにスタッフが要るので人件費がかかる割に何度もリピートする感じでもないし、VR単独だとちょっと弱い。長続きしなさそうな気配がした…。あと、ホラー以外は体験場所に囲いがないのでVRゴーグルを付け目の前の世界に没入する醜態を世間一般に晒しまくることになるのは如何なものでしょう…(ゴジラなんてエスカレーター上がった目の前)それを意識してか、みんな無言、無表情でクールにキメてました。ゴジラー!!伊福部ー!とか絶叫してるのは我らだけ(我ら、無邪気)。しかも、気づけば周りは学生カップルだらけ。思いっきり平均年齢をぶち上げてしまったのに気づき、そそくさと新地へ向かいました…。

『天使にラブ・ソングを』感想

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音楽 アラン・メンケン

歌詞 グレン・スレイター

脚本 チェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー

演出 山田和也

出演

デロリス・ヴァン・カルティエ:森 公美子/朝夏まなと(Wキャスト)

エディ:石井一孝

カーティス:大澄賢也/今 拓哉(Wキャスト)

シアター・メアリー・ラザールス:春風ひとみ

シスター・メアリー・パトリック:未来優希

シスター・メアリー・ロバート:屋比久知奈

TJ:泉見洋平

ジョーイ:KENTARO

パブロ:林 翔太(ジャニーズjr.)

オハラ神父:小野武彦

修道院長:鳳 蘭 ほか

ミュージカル最高!と心から思える大好きな作品。しかも、モリクミさんと宝塚OGキャスト(瀬奈さん、蘭寿さん、朝夏さん)のデロリスにはダブルキャストの意義をひしひしと感じ、ツレさま、春風ひとみさん、塩田先生に至るまで、東宝きってのベストキャスティング。今回、期待していた朝夏デロリスは、薄味で歌も辛め。ミサシーンになると、長い手足を生かして一気に映える。屋比久メアリーロバートのまっすぐな芝居と歌に、ハッピーオーラが全身から溢れ出す未来メアリーパトリック、春風メアリーラザールスは動きもキレキレなのが最高。この3人が輝くと、加速度的に面白さが増す。オハラ神父、意外と難しいんですね。やはりここはいい感じに世俗にまみれていた村井國夫氏を推したいところ。カーティスは真っ当に悪役をやってくれる今さんが良かった。顔面から溢れ出るオーラ、物腰の美しさに茶目っ気。ツレ様の修道院長は今回も麗しゅうございました。

初演は瀬奈デロリスで見て、カリスマ性やリーダーシップ性で彼女を中心にシスターたちが絆を深めていくように見えてたのが、前回モリクミさんで観て、イメージがガラッと変わった。自分の夢や理想に向かってキャリアアップを目指すも、思い通りにいかずもどかしく毎日を送るデロリスが、人生の主役の座をつかむ物語に見えた(エディもまた同様に)。思いがけぬ人生の寄り道をして、誰かに必要とされる喜びに触れ(その瞳に映る自分が素敵に見えた)自分の人生を見つめ直し、生きる道を選択する。それでいて、「生きてこなかった人生」でシスターメアリーロバートの想いが溢れ出たように、たどり着けなかった夢も選び取らなかった選択肢も「あったかもしれない人生」として、まるごと抱きとめる。「行った旅行も思い出になるけど、行かなかった旅行も思い出になるじゃないですか。」「カルテット」で輝いていたあの台詞のように。抜群のスター性を誇り自然とみんなのリーダーになる宝塚トップスターとは対照的に、わたしがモリクミデロリスから感じるのはそういうイメージでした。かなり戯画的に作り込みコメディセンスも抜群なのに、孤独に不器用に人生を歩んでいるリアルさを不思議と感じ取れる。そして、パジャマのシーンで、お祈りの言葉がぽつりぽつりとやがて堰を切ったように音楽に乗せて思いが溢れ出すところも、彼女たちを結びつけているのは、ひとえに音楽の力なのだと納得させてくれる。1幕終盤、シスターたちの歌声が磨かれ、やがて心通い、力強くひとつにまとまっていく過程に胸が震えるのは、そこにミュージカルの源泉みたいなものも見ているからかもしれない。デロリスと修道院長が立ち位置を逆転させて、冒頭シーンを反復するラスト。シスターたちみんなで音楽を紡ぐことを「神の御技」と「人と人との繋がり」の表裏一体だと分かち合うこの2人のやり取りは、(良い)ミュージカルが持つ「奇跡」をも的確に言い当ててくれる。こんなに楽しいミュージカル讃歌、人生賛歌ってなかなかないので、これからも何度も通過儀礼的に観ていきたい。

しかしながら、カーテンコールの振付講座。。色気を出してカーテンコール用のペンライトまで売ってたけど、これいる…?(TdVと全く同じ感想)あと、ツアー公演ではオケピを端渡す通路がなくなって客席降りが一切なくなっていたので、それも込みで、さらにペンライトいる…?ってなった。