だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

大山崎山荘美術館と聴竹居。

4年ぶりぐらいに大山崎へ行ってきた。ひとつは、聴竹居へ行ってみたかったから。迷ったんじゃないか不安になる程急な細い坂道の果てにある、藤井厚二デザインの住宅。大山崎山荘美術館の加賀さん、サントリーの鳥居さん、この藤井さんが大山崎の山々を買い占めたらしいけど、豪奢な大山崎山荘から聴竹居まで、それぞれの美的センスが表れてて面白い。

そう、聴竹居は、90年前の建築とは思えないほどモダンでデザイン的に優れながらも、実用的。しかも、これみよがしではなく、とてもさりげない。和紙を多用した照明の素朴な美しさ、景色を臨む縁側の窓へのこだわりのようにパッと目を惹くものから、説明されてようやく気づく客人と居住者の動線の棲み分けまで、抜かりなし。さらには、足元の通気窓だったり、土管に通じる扉だったり、自然エネルギーを巧く利用できるような工夫が随所に凝らされ、特に夏場は快適に過ごせるそう。寒暖のみならず、地震にも強い家を目指しているそうで、備え付けの家具が多いのもそのせい。玄関の備え付けの椅子や傘立て、子供達のコンパクトな勉強部屋、キッチンからダイニングへ出来立ての料理をそのまま出せる仕掛けなんかは、「劇的ビフォーアフター」の匠がやっているような業で、今も昔も匠が考えることは同じなんだなぁと感心してしまった。おまけに、当時の最先端技術もしっかり取り入れていて、なんとオール電化住宅でヨーロッパから輸入した冷蔵庫も完備。本当に寸分の隙なく、モダンな家だった。

1時間ほどかけてサポーターの方の説明をじっくり聞きながら各部屋を見学。かなり充実感があった。ただ、去年の地震の影響で外観を工事中だったけど、地震云々以前にどこもかしこも、めちゃくちゃ傷んでいて、痛々しい。。当時のものが現存しているのが誇りのような語り口だったけど、むしろ修復しながら保存していく形に切り替えた方がいいのでは、と思った。興味ある方は早いうちに行ったほうがいいと思う…廃墟寸前…。見学は、毎週水・金・日4回回しで要予約。見学料1000円。こんな地味なところ誰も見学なんかしないだろうと高を括っていたら、意外に人いっぱい。早々締め切ってる回もあるので、希望日は早めに押さえたほうがよさそう。

ちなみに、藤井厚二の建築では八木邸というのも現存しているらしく、チラシをもらった。ここも、傷んでるんだろうか…早めに行かねば。あと、タイムリーに「太田喜二郎と藤井厚二 ー日本の光を追い求めた画家と建築家ー」展が。京都文化博物館で、4/27-6/23。

そのままの足で大山崎山荘美術館へ。あまり時間がなくてめちゃくちゃ駆け足の見学。

f:id:kotobanomado:20190303134105j:plain

f:id:kotobanomado:20190303133953j:plain

「櫛・かんざしとおしゃれ」展。べっ甲や象牙、蒔絵の櫛。デザインも多様で、南蛮人とか日本地図のデザインに至っては、果たしてオシャレとは一体…という迷宮に迷いこんだ。大山崎山荘は聴竹居と打って変わって重厚感のある洋館。中でも2階の吹き抜けがめっちゃ素敵なんですよ!「レベッカ」のダンヴァース夫人が今にも出てきそうな。今回は時間がなかったけど、展示にちなんだケーキを喫茶室でまったり食べて、ゆったり過ごしたい空間。(某ホテルのオーダーブッフェと某百貨店のチョコレート博覧会に行ったため)(つめこみすぎや)何故かいつ行っても空いていて、もったいないような、このままでいて欲しいような。(館内を撮影OKにすると人は増えるだろうけど、あの居心地の良さはなくなってしまうだろう)

安藤忠雄のコンクリート建築と合体してる。

f:id:kotobanomado:20190303133921j:plain

f:id:kotobanomado:20190303133853j:plain

梅田から30~40分プラス徒歩7分or無料シャトルバスで気軽に行ける。変に観光地化されてなくてのどかな大山崎。かなり急な坂道なので体力に自信がない方はバスをお勧めしますが、季節がよければのんびり歩いていくのが楽しい。

www.asahibeer-oyamazaki.com