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『クラッシャー女中』@シアター・ドラマシティ 感想

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 作・演出:根本宗子

出演:麻生久美子中村倫也

   趣里、佐藤真弓、根本宗子、田村健太郎西田尚美

 

ここ5年ぐらいで一番きつい観劇だった。

(小野寺よりしんどかったかも!)

根本宗子作品が初めてなので、

根本さんの作風が合わないのか、

たまたま今回の作品だけなのかはわからないけれど。

とにかく、ただただ、きつかった。

 

だって、休憩なしの2時間半。

冒頭の10分、趣里ちゃんたちが小道具を動かして、

役を纏う前の役者として取り留めのない話をしてる時点でもう疲弊。

ぐるぐると堂々巡りの台詞、突然の歌、

佳境を迎え白熱した芝居をする麻生久美子の周りで、

騒音を立て続けるキャスト…。

演劇サークルかな、と思うほど、

やることなすこと全て青く、

練られていないプランが、延々と繰り広げられる。

え、これ、いる…?

何回心の中でつぶやいただろう。

 

ストーリーとしてはシンプル。

お金持ちで才能に満ち性格も良い、

一見完全無欠のボンボン義則は、実はエセ天才の性悪男。

家族ぐるみで才ある人たちを丸め込み、

完璧な彼を仕立て上げただけだった。

彼を取り巻いて様々な愛憎が裏返ると同時に、

彼の化けの皮が剥がれ、人間関係がクラッシュする。

そうして破れかぶれな義則(中村さん)に、

かつてデザインの才能だけ吸い取られ、

存在を消されたゆみ子(麻生さん)だけが手を差し伸べる。

義則たちの視界から消された後も、

一心に彼を見つめ続けてきた彼女にとって、

これが最上級の愛情表現で、

全てはこの「私だけが助けてあげる」瞬間のための破壊だった。

この一方的な愛情(思い込み)の押し付け、こじらせ。

「りさ子のガチ恋俳優沼」を真っ先に思い出す。

 

そう、これは明らかに、

「見えないもの」とされている、

闇に沈んだ客席から中村倫也への視線とダブらせている。

 

と、普通にやれば間違いなく1時間半で終わるところを、

やたらとこねくり回し、引き伸ばす。

私には根本さんが大舞台で、

何とか爪痕を残そうと必死に足掻いた(挙句、から回った)結果に見えたけど、

そもそもこれが根本さんの作風だったら、わたし、合わない。

作演自身が出る舞台の駄作率高い説の精度が、

どんどん上がっていく。

 

中村倫也氏は、声が発光しているよう。

甘ったるいのに澄み切っている、唯一無二の声の持ち主。

麻生さんは全くピンとこなかった。

クレジットと実際のパフォーマンスの比重も噛み合っていない。

実質ヒロインの趣里ちゃんはパワフルに振り切っていた。

趣里ちゃんの声は鋭い。