だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

マジシャンの憂鬱 5/13~6/17よもやま。

0513~0516
仕事。なんかバタバタしていた。翌週豊島に行こうとしてたが、諦める。

0517

『笑う男』を観る。

kotobanomado.hatenablog.com

0518

のんべんだらりと過ごす。

0519

「悲劇喜劇」を読む。

お目当ての「消えていくなら朝」、赤裸々だった…。劇評も面白くて、ルーシー・カークウッド(『チルドレン』『チャイメリカ』)に興味が湧く。次公演があれば絶対観る。熱く語られていた「Le Pere」、撮れているはずだから観てみよう。

ポランスキー の「テナント」をWOWOWで。

ローズマリーの赤ちゃん」風のサイコホラーかと思いきや、今的な不寛容と相互監視の物語で、震えた。昨今の除夜の鐘や幼稚園の騒音問題のように、やっぱり不寛容ってまずは音に繋がってくるんだな。たかが騒音問題、されど騒音問題。自分に関わりのないことは、その事情や意義を汲むこともなく、全て「ノイズ」認定って、実はめちゃくちゃ怖いことだと思う。映画評論家の町山さんの解説いわく、ユダヤ系のポランスキーの実体験を元にしてるとか。なおさら怖いのでは。ところで、主人公が関テレの豊田アナに激似なの、誰かと分かち合いたい。

0520

仕事。「藪の中」読了。短かった…。

地獄変」が気味悪く、「杜子春」が懐かしすぎた。

0521

仕事。担当案件の恐ろしい噂ばかりが毎日増えていく。

0522

仕事。「一億総ツッコミ時代」読了。

自戒の念…。メタではなくベタに生きよう、は、30代の目標にしたい。主語である自分を取り戻すというのか。4月よもやまのツッコミ気取りがひどい。学生時代に書いてたブログはもっと自分の熱中目線で話してた。思えば、自分自身が心惹かれるブログもそうなわけで。必要なのは、ジャッジではなくて、自分の人生に引き込んで、人生のエリアを広げていくこと。

0523

マリコ、うまくいくよ」読了。

女性が働き、キャリアを重ねていく中で直面する色んな出来事が、世代の違う3人のマリコを中心に描かれる。どれも何気ないシチュエーションや些細な心の声に見えて、「一億総ツッコミ時代」同様、名付けえぬもやもやを掬い上げ、鋭く本質をついてくれる。初の女性管理職を陰ながら後押しする、マリコたちの鍛え抜かれたコミュニケーション術。劇的に境遇が変わるわけでもないし、部長のハラスメントを根本から正せたわけではないけど、ピンチを賢く切り抜いていく。したたかな力強さとほんの少しの悲哀を纏った、同志たちの物語だった。

0524

仕事。

0525

夜中に山村紅葉が突然やってきて、猛獣たちを従えながら、庭の植木に肥料散布するというものすごい悪夢を見た。怖い。

「非色」をぐんぐん読んでしまった。

かなり露骨な人種差別の話。差別用語も頻発しまくるので、そりゃあ絶版状態なはずやわ。日本での肌の色の差別問題から始まり、アメリカに舞台を移ると、肌の色は単なる1つの要素にしかすぎず、歴史的、社会的背景を持ったより複雑な、人種差別のグラデーションに掘り進められる。結局は、誰もが自尊心や優越感を保つために、自分「以下の」存在を個単位でも国や民族単位でも作り出したいだけ。差別、抑圧される側も、平等を望みながら、さらにその下の階層への差別へと連鎖していくという地獄絵図。 アメリカ、日本、双方から侮蔑される戦争花嫁たちは、夫の人種でマウンティングを取り合う。使う側、使われる側はどういう形であれ存在し、いつの世も「カースト」は生まれるだろうけど、自尊心や優越感、そして、そういうのをぶくぶく肥やすためのヘイトには、自覚的でいたいなぁと思った。正しく、他者にも自分にも敬意を払えることが大事。

この日結婚式を迎える同僚とばったり会ってしまって、あまりにびっくりしすぎて、「ご無事で…」と口走った自分にもっとびっくりしてしまった。結婚式をなんだと思ってるんだろう。

0526〜0606

久々に仕事が楽しかった。みんなで怒涛のように走り回って切り抜けた。そんな中、来年度の優秀な内定者が他社の内定ももらったらしく、急遽、引き止め大作戦が計画された。中堅、若手メンバーが個々に数十分ずつ面談・説得するという、学生サイドからすると、かなりおっかないプロジェクト。他者に傾きかけている子に、弊社の魅力や働きがいをお伝えすべきところだったんだけど、まぁ一人くらいは本音で話した方がいいかなと思って、一歩引いてニュートラルな感じでお話しした。ところが、後からすり合わせると、わたし含め全員が「別にこの会社入らんでええで…」スタンスで臨んでしまったらしい。(とんだマイナスプロモーション)しかも、わたしと先輩は、自分の就活経験と重ねながら、色んな条件を天秤にかける必要をお話しした一方で、若手チームは、うちの待遇の悪さを赤裸々に言ったみたい。腹割すぎでは。若手の子達のモチベーション低下の話は兼ねてから聞いていて、中堅の一人として彼女達のことももっと考えていかないとな、と改めて思った。なんてったって、去年下半期だけで、若手男子3人辞めてるし…(遠い目)うちは業界の魅力に惹かれてくる子が多いけど、給料や福利厚生なんかの待遇面がひどく、プロパー社員が大事されない、「やりがい搾取」が発生しやすい会社だと思ってる。だから、こんな作戦までして、もし仮に内定者がうちにきてくれたとしても、きっとまたずさんに扱うんでしょ?とみんな白けてるから、彼女の目を見て言えなかった。「良い会社だから、一緒に働こうよ」と。別に愛社精神を育む必要はないと思ってるけど、自分の会社について胸を張れないのは、とても不幸な気がした。しかも、部署によっては「やりがい搾取」どころか、ただ言われるがままに作業に追われるのみで、キャリアアップが図りにくい場合もあって、そうなるとモチベーション下がる一方なのは当然。給料を上げたり福利厚生を見直す権限はなくとも、せめて今ある制度を最大限に利用できる雰囲気作りだったり(若手はそれすら憚られているらしい)、何らかの仕事で決定権を持ってやりがいを感じてもらったり、そういう環境是正は自分にも十分できると思うので、積極的にしていきたい。せっかくならみんなで胸を張って、楽しく健やかに働きたい…などと思っていると、上司への信頼感が揺らぐ事件が立て続けに勃発し、さらにプロパー社員の不満が高まってしまった。さぁどう転んでいくか・・・。あ、内定者はよそへ行った。おそらく正しい選択。

連勤が続いて藤原啓治さんの声で癒されたくなった。youtubeに全編落ちてる「アンティーク 西洋骨董洋菓子店」を観る。

なんてよくできた話だろう。(そして、藤原さんを筆頭に、声優陣の尋常じゃないハマり方ときたら)最終話の、小野と橘の高校卒業式の記憶と、橘と誘拐犯の記憶の重なりや交錯、過去を埋め合わせるように、誘拐犯を追い詰める橘と、亡くした息子の幻影を追い求める誘拐犯の邂逅は、何度見ても鳥肌がたつし(ここは漫画のコマ割りが最高)、結局ふたりとも過去の余白を抱きかかえたまま、それでも前へ向かって生きていくのを優しく祝福するのが、あのケーキたちっていうのが、あー、すごい。

かつ、よしながふみさんの描くコマそのもののような、「余白」に満ちた世界観がまたいい。それぞれの心の傷をくるむ「余白」(記憶の抜け落ちや臆病さ)を、親子、恋人、友達、夫婦みたいに強固なものじゃなく、名付けえない、大きなくくりから抜け漏れた、これまた「余白」の関係性が、そっと寄り添い埋めていく。初めて漫画を読んだのは高校の頃で、エイジ側だったのが、いつしか橘や小野に近い年齢まで日々を積み重ねてきて、年々感慨深くなっているいく気がする。傷ついたり誰かを傷付けたりして、諦めやくたびれの空気感みたいなものも纏いつつ、それでも新しい日を迎えれば、じゅわっと希望が滲んでくるような…。この作品そのものが心の「余白」に寄り添う名付け得ない関係性であり、明日を祝福するケーキなんだろうな。これからも長くお付き合いしていきます。

0607
会社帰りに、セレソン吉本新喜劇的世界観の舞台を観る。

www.z-lion.net

適度に既視感があり、予定調和。疲れが溜まってる時は、それくらいの方が頭にも体にも優しくて、いい気分転換になるかもしれない。

0608
久々の休みなので、めっちゃ寝た。「きのう何食べた」を観て、あぁ…こういうふたりの関係性を築きたい…と無性に思ってマッチングアプリをいくつか始める。プロフィールのお手本がわりに出てくる同性の人達の清潔感あるビジュアルや文面から滲み出す信頼感がべらぼうに高くて、思わずいいねを押しかける。むしろ彼女たちと知り合って生活を共にした方が幸せになれる気がする。

0609

法事に参加。もう最悪だった。

三国人呼ばわりだの高須院長やら訪日外国人絡みの、ヘイトにまみれた話ばっかりで、本気で吐きそうになった。これは年代によるものか、うちの親族がおかしいのか…。デュブルベボレロのタルトビチェリンがめちゃくちゃおいしくて、ようやく気を取り直せた。わたしは積極的にケーキを食べたい派ではないのだけれど(しょっぱいものの方が好き)、「アンティーク」っぽい店は常に探していて、(半年に一回は「アンティークみたいなケーキ屋」で検索する)(検索下手すぎでは)デュブルベボレロはイートインもあるし、ケーキの感じもお店自体も、知ってるお店の中ではいちばん理想に近い…

0610

マッチングアプリ内で、癖の強い人の出現率が異様に高い。マジシャンとか、元芸人とか、大衆演劇の役者さんとか。別に職業をおちょくってるわけではないので、誤解しないでいただきたいんですが、のっけから癖が強い人があまりに多いし、アプリを使ってる同僚たちに聞いても、どうやらそういう人たちとマッチングするのは私だけらしい。相手を知る糸口が、プロフィール写真と趣味、職業ぐらいしかない中、例えばひとくちに映画好きと言っても、

「今度アラジン観に行きます」 から「主戦場観に行きます」まで幅がありすぎるので、最初からオタク気質をゴリゴリ出した方が楽だな、

と思って実践してるせいなのか。知り合ってメッセージを交換している人たちとも、始めて3日で趣味の殴り合いと化していて、本来のマッチングアプリの意図を見失ってしまった。このブログが何より自分の人間性をさらけ出していると思うので、25歳位から40歳位で、このブログの内容をほどほどに受け入れてくださる男性がいらっしゃれば、結婚しませんか。(単刀直入)あと、性別関わらず、お友達になりませんか。

0611

仕事。産休に入る先輩のお祝い会。「怖い絵」読了。

なんか週刊誌っぽい。

0612

トニー賞チラ見。オルフェウス×ディストピアSFて、『ハデスタウン』、センス良すぎでは…!

アプリに、マジシャン パート2が現れる。なんだろう…わたし、マジシャン受けするんだろうか。メッセージのやり取りの中で、実はマジックが趣味で…というような程度ではなく、プロフィール写真1枚目からめっちゃマジシャン。

歌舞伎座で三谷歌舞伎を観る。

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0613

東京。目黒雅叙園に行きたかったが、元気がなく断念。最近疲れがち。

0614

今まで振られ続けだったイタリカへ。店内は中崎町らしくがちゃがちゃしているけど、お料理はおいしくて、満足!

よく遊んでくれるS先輩のお母様の具合が思わしくなく、再手術になった。先輩もわたしも、ひとりっこ×独身の最強孤独コンボなので、その諸々の辛さは痛いほど共感。うちの親にも、せめて検診行ってくれと口を酸っぱく言ってるけど、なかなか言うことを聞いてくれない。

既婚者の先輩が、結婚して子供がいるからこその莫大な責任があって、経済面だったり使命感や義務から、たまに全部降りたいと思う時があるとか、この間のお祝い会で祝ってた子供のいない先輩が、2回流産を経験してたとか。

今は、風の音がぴゅーっと通り抜ける、パインアメみたいなイヤリングをつける、そんなちっぽけなことで浮かれて、毎日ふわふわ生きてますが、これから、きっと色々な受け止めや、直面すべきことが出てくるんだろうな。それにしても、いろんな数ある問題の中で、孤独が一番ヤバいと思うので、どうしよう。

0615

石丸さんのコンサートへ。初めて行くシンフォニーホールは、昭和のゴージャス感と、行政の古い箱物っぽさが入り混じった不思議なホールだった。舞台奥にパイプオルガンがあって、その周りにも客席があるので、客席が舞台を360°取り囲む形になってる。音響は良いのか悪いのか微妙なところ。オケ単体では良いと思うけど、ヴォーカルとのバランスが微妙で、ヴォーカルがのっぺり平面的に聴こえてしまっていた。さすが大ベテラン、コンサート慣れもしている石丸さんなので、歌にトークに安定していて充実した内容。さらに「エリザベート」から駆けつけたよしお氏が加われば、鬼に金棒状態。宙に浮かびがちなエリザネタから、シークレットガーデン観てないネタ…トークがとめどなく溢れ出す。よしお氏の「僕こそミュージック」のクリアさ。スケール大きく広がるのに驚くほど親密に心に届く。石丸さんとの「闇が広がる」も素晴らしく、本人も冗談で「まだルドルフやれるな」と言っていたけど、これを聞いちゃうと、ヴォルフガングもルドルフも、よしおが日本一!という気持ちになってしまう。いろんな意味で、ゲストとしてこんなに重宝する人は他にいない。散々盛り上げて、帝劇へ帰っていった。

石丸さんの真骨頂は、ラストの大曲3連発。「美女と野獣」の「愛せぬならば」、「スカーレットピンパーネル」の「あなたはそこに(目の前の君)」、「ジキル&ハイド」の「時が来た」。フルオケになると、ワイルドホーン無双っぷりが半端ない。フランク&フレンズなんかだと、バンド編成ということもあって、リラックスしたアレンジになりがちだけど、やっぱりワイルドホーンは、どーん!ばーん!してこその本領発揮な気がする。石丸さんも伸びやかな声に、さらにエネルギーが加わった気がして、贅沢なひとときだった。

0616

イキウメを観に行った。最高に面白かった。間違いなく今年No.1。

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0617

「十二人の手紙」読了。坂元裕二氏の「初恋と不倫」が面白すぎて、もしかして手紙ってめちゃくちゃ面白いのかも、と、東野圭吾さんの「手紙」と一緒に「手紙」くくりで買った本。

坂元さんの本では、手紙の持つコミュニケーションの面白さに惹かれて、東野さんの「手紙」では、お互いの様子が見えない中、想像力を欠くと関係性が破綻する怖さみたいなものも感じた。「十二人の手紙」は、短編13話からできていて、書いてあることが事実か、そもそもその書き手は本物なのか、本当に存在する人物なのか、読み手に正しく届いているのかすらわからない、タイムラグもある、いくらでも「なり済まし可能」な手紙の側面がクロースアップされてる。「アクロイド殺し」的なトリック含め、手紙ならではのアクロバティックな仕掛けがたくさんで、井上ひさしが劇作家ということもあってか、手紙の持つパフォーマンス性の探求という感じ。私情や意思が入る隙のない公的書面の羅列から、一人の生き様、ドラマが浮かび上がるっていうアプローチも、しみじみ余韻が残った。エピローグではそのパフォーマンス性が、サスペンスの謎解きへと繋がりながら、これまでの登場人物が総出演、後日談が描かれる、(短編同士のつながりの種明かしも)という鮮やかな幕切れ。不幸なエピソードが多い中、その後の希望もちらりと。あくまでも、最後まで手紙(メモ)の中で、ですが。手紙絡みの本、引き続き、集めていきたい。

今気になってるのは、痕跡本。差出人不明、宛先不明の手紙っぽいな、と思ってる。(というか当人は誰かに向かって出してるつもりもないかもしれないけど)

録画していた第3回韓国ミュージカルアワードをチラ見。韓国演劇界のレジェンドらしい、パク・ジョンジャさんのクセが強すぎて、なかなか内容が入ってこなかったけど、「笑う男」のパク・ヒョシンさんは目を剥くうまさだった。オリジナルミュージカルの「レッドブック」が、かなり今的で攻めてる内容っぽい。こういう題材でオリジナルミュージカルを作れるって強い。安直に2.5次元を作ってるのとはわけが違うなぁと思った。