大規模改装&杉本博司展ということで、開館を心待ちにしていた京都市京セラ美術館。京都府外からの来館も受付始めたので、いざ行ってきました!せっかく京都まで行くからにはと思い、周辺の気になるお店にも。気付いたら予約めぐりになっていました。
京都市京セラ美術館
3年間の改修ののちついにリニューアルオープン。
今は感染予防対策からHPからの完全予約制に。予約した30分幅以内に入館する決まりになってます。
事前情報をほぼ入れずに行ったんですが、なんと、エントランスが地下になってた…!地下まで続くなだらかなスロープが斬新。
ちなみに、SDカードの中にあった改修前の京都市美術館(2015年RAPASOPHIA)。以前は普通に1階から入ってました。
ガラス張りになっている地下の真ん中部分から、予約メールのチェックと検温を経て入場。地下の窓に面した両翼部分はそれぞれカフェとミュージアムショップになっていて、とてつもなく小洒落回しています(そんな言葉ない)。入口から直進して大階段を上ると、1階の吹き抜けに繋がる。
このすり鉢スロープ→大階段→吹き抜けのアプローチが楽しすぎて、吹き抜けに出た時には思わず、うわぁ…と声が漏れました。あまり時間がなく2階部分は探検できていないので、次回は必ず。
ここ、PARASHOPHIAの時はこんな感じだった。
そう、PARASOPHIAを振り返ると、単なる作品の展示を超えて京都市美術館そのものを見つめる企画にもなってて、地下も公開されていたんですよね。戦後、米軍に接収されていた頃の名残り。今となっては貴重ですね…(下手くそながら写真撮っててよかった)。
吹き抜けからさらにまっすぐ行くと…
開放的なガラス張りの廊下…!目の前には中庭が広がっている。
前田健二郎氏によるオリジナル建築を活かしながら、明るくモダンな装いに(青木淳氏デザイン)。建築って新たな体験を与えてくれるなぁ…とつくづく思う。思わぬ動線にわくわくしながら歩を進め、視線を変える度に景色が変わっていく。建物の正面を見た瞬間からサプライズの連続。
正直、京セラ美術館の造りがハイライト過ぎて、この後の杉本博司展は、京都だなぁ…という感想で終わってしまう。わたしが見たかった杉本博司展とはちょっと違って、京都という磁場をもって作品の神性を高める、みたいな作りになっていました。展示の要になっている三十三間堂の千手観音像の写真は中でも特に独特の空気に満ちていて、瞑想の場に。光、ガラスをモチーフにしてることもあってか、ここだけじゃなく、作品を照らす明かりが揺らめくように演出されていたのが面白かった(でもわたしはそれも含めてここで生み出されようとする神性に「蛸入道忘却ノ儀」的な胡散臭さ、エセ感を感じてしまったんですよね。それも含めて杉本博司氏なのかもしれませんが)。かなり受け手の「没入感」を要する展示でありました。そんな神秘的な演出の一方で、学芸員さんが積極的に来館者に語り掛ける仕様になっていたのには、ちょっとびっくりした。
鑑賞後は、中庭へ。ガラスの茶室を近くで見られる。これも杉本さんの作品<聞鳥庵(モンドリアン)>。面白い異物感。
ガラス張りの廊下。外から見ても素敵な空間ですね。
本来はお庭側からもチケットなしで入れて通り抜けができるようですが、今は予約制・検温チェックがあるので、一方通行に。ぐるっと正面へ回り再入場してミュージアムショップへ。
BEAMSコラボのダサいのか洒落てるのか判断のつかないグッズは見送って、おみくじをひきました。お金を入れると、鶴が奥の殿に入ってご神託を携えてくるという凝りよう。清川あさみさんがプロデュースとのことでおみくじ自体も凝ったものが出てくるのかなと思ったら普通のプリントでしたね…。でも、最果タヒさんの百人一首 現代語訳がとてもエモーショナルでよかった。
出口部分(通常ならここからも入れそう)にもミニ展示スペースがあって鬼頭健吾さんの作品が。鏡に映り込む色色色。
ちなみに、この後トイレへのケータイ置き忘れが発覚という一騒動が起き、またまた再入場して、こいつ何回来んねんという冷たい視線を浴びながら検温を受けました(安定のポンコツぶり)。
無碍三房
美術館前から京都岡崎ループバスで知恩院山門まで。〇〇系統的なバスは複雑すぎてわたしの理解の範疇を超えているので、ループバスほどありがたいものはないですね。
山門。圧倒的なスケール感。
この辺りの地理が全くわからないので、趣ある寺社仏閣オンパレードに、これが噂の円山公園…!長楽館、ここなんや…!と驚きがいっぱいで、渾身のほほぉ…!を連発しながら歩いた。長楽館も行きたいリストに長年入ってるのですが、想像以上に風格がありましたね(写真が分かりづらい)。
ここから坂道登って5分くらいで到着。老舗料亭 菊乃井が手掛ける喫茶、無碍三房。
カフェは14時オープンでこの14時分のみ電話予約可能。数日前にあっさり予約が取れたですが、着いたら既に30、40人くらい並んでてびっくりした。半分は予約していない整理券待ちの人たちでした。カウンター席へ。お店入ってから気付いた。カウンター席は入ってすぐで、エスパー伊藤を隔てた奥がテーブル席になってるので、圧倒的にテーブル席の方が落ち着きますね(ちなみに、このエスパー伊藤は名和晃平さんの作品)。
とはいえ、床は美しいタイル、目の前には緑が広がって良い空間です。
めちゃくちゃ暑い上にマスクでグロッキー状態だったので、抹茶パフェにしました。
濃厚な抹茶アイスに小豆、白玉、カステラ…これぞ大人のたしなみ…(目を閉じる)。上質なクールダウンができました。(しかし、この趣とは裏腹に、次の予約時間が迫っていて、実は気が気じゃない状態でこの写真撮ってるし、この後、小洒落すぎてて全くすくう気のないガラススプーンで必死にアイスをえぐり取り猛烈な勢いで食べて風のように去った。)
山本麺蔵
迫っていた次の予約は、京セラ美術館裏手にある人気うどん店でした。
ここの予約が最難関。期間限定で当日9時から電話予約を受け付けているのですが、なかなか繋がらず、やっと繋がったのは9時半過ぎ。美術館の前にさくっと行けたらいいなーというのは考えが甘すぎで、すでに13時半以降の枠しかなかったので、無碍三房との兼ね合いで結局15時に。無碍山房は予約してても入店までにかなり時間がかかるし、意外と離れてるので(下調べ不足)、時間ギリギリで祇園からタクシー飛ばした…。タクシーの中で、この時間ならこんなに必死にならなくてもぶらっと入れたかな…という想いもよぎったけど、いざ着いたら普通に満席でしばらく並ぶくらいだったので、やっぱり予約大事でした…。
カウンターは左右ロールカーテンで一風堂的な半個室。名物のごぼう天うどんにしました。
こう見るとそうでもないけど、うどんが長太くてかつて噛み切ったことないぐらいの弾力なので、超ボリューミーです。白いトングみたいな麺用カッターで適宜カットしながら食べる。嚥下能力の低さに定評のあるわたしには命取りになりかねないうどんなので、豪快にすすることもできず、慎重に一本ずつ噛みしめていった。隣のゴボウ天もどっさり盛り付けられてる。土の匂いがふわっと香って美味しい。ささみ天ミニ丼もセットで頼もうかな、と思ってた自分、身の程知らずすぎ。極め付けに、ミニ杏仁豆腐までついてきて、本気でお腹がはち切れるかと思いました…(パフェがボディブローのように効いている)。
隣も有名なうどん屋さんなんですね。料亭っぽい。今度はこちらにも行ってみたい。
数軒隣には、山元麺蔵のテイクアウト専門店が。
お土産用に肉味噌うどんを買って帰りました。
以上、京都予約めぐりでした!
充実してたけど、夏の京都withマスクは死を意味することを学びました…。