名古屋日帰り旅に行って来ました。今回の旅のテーマは2つ。
・近鉄特急ひのとりに乗る。
・らせんの練習@豊田市美術館を観る。
旅程はこちら。
◯ひのとりで名古屋へ
◯味噌煮込み@山本屋本店
◯らせんの練習@豊田市美術館
◯文化のみち二葉館
◯文化のみち撞木館
◯チョコレートパフェ@ピエール・マルコリーニ
◯きしめん@きしめん亭
◯ひのとりで名古屋へ
観光列車に目がないので、ずっと心待ちにしていた、ひのとり。
www.kintetsu.co.jp便数が思いのほか多く、3週間くらい前にネット予約したら余裕で1両目のプレミアムシートが取れました。残念ながら、チケットレス割引は効かないので、定価購入(帰りのアーバンライナーはチケットレス割で300円引)。
赤の車体、めちゃくちゃかっこいいです。
乗り込むと大きな荷物用のロッカー(今回は使ってませんが、便利そう!)軽食、飲み物、お土産などの自販機が。段上がりの扉向こうがプレミアム車両です。
いい感じの高速バスみたいな座席(言い方)で、リクライニングしてもシェル型になった茶色部分の内側で倒れるので後ろの人に遠慮しなくていい。床の赤絨毯も高級感あります。窓は大きめで、しまかぜと同じく運転席部分もシースルーになってる。
リクライニングなどのスイッチ。
至極快適…なはずだったんですが、近くの三世代大家族が全員ノーマスクでずっと喋りまくっていて、テンションだだ下がり。。。自粛警察するつもりは全くないんですけど、さすがにそれは…と。車掌さんが3回くらい通ったのに声かけもなしでむしろお子様にしまかぜのノベルティをプレゼントしてて、それならマスクをちゃんとしてる私たちにしまかぜくれ!しまかぜほしい!(ほしかっただけかい)と思いました。(劇場ってたたかれがちですけど、確かにたくさん人は集まるもののノーマスクで喋りまくるシチュエーションないですからね。。。もっと身の回りに危険なシチュエーションあると思います。わたしも気をつけるしみんな気をつけよう。)
◯味噌煮込み@山本屋本店
母が名古屋出身ということもあって、冬場は常にストックがあるくらい溺愛している味噌煮込みうどん。せっかくなので、本家本元へ。
10時OPENのエスカ店に直行。開店直後にもかかわらずなんと7割型埋まってました。
頼んだのは、ノーマルの味噌煮込み。おだしも全部飲み干した。ところで、このお漬物の正しい食べ方って一体…。
◯らせんの練習@豊田市美術館
地下鉄〜名鉄で豊田市美術館へ。土日祝日は地下鉄全線と市バス乗り放題のドニチエコきっぷなるものがあると耳にしてたので、買ってみた。意外と特典もいっぱいあります。
そもそも何故「らせんの練習」に興味を持ったかというと、芦屋に観に行った「四海の数」がきっかけ。この久門さんの作品が素敵で、軽率に遠征しようと思い立った。(舞台よりもアート関係の方が異様に遠征のハードルが低い)
一時はコロナで閉館になったりして半ば諦めてたんですが、何とか滑り込めて良かった…(会期最終日)。ちなみに、今回の展示、どんな感じかなー?と事前にネットで調べてると、若い子たちの画像がやけにたくさん引っかかったんですよね。どうやら「映える」ということでインスタ女子が殺到したよう。結果、シルバーウィークは撮影禁止の告知がされてました。
豊田市まで1時間ほどで到着。駅から美術館までは徒歩15分。道順の表示がたくさんあるし、インスタ女子とおぼしききめた格好の子たちが歩いてるので迷いませんでした。
久門さんの方は撮影禁止になっていたので、人も少なくゆったりと観れた(やっぱり撮影目当てなんやな…)。最初のForceという作品が圧巻でした。吹き抜けの空間を上部まで区切る無機的なホワイトキューブの壁面にいくつもの給紙トレイが備え付けてあって、時々そこから真っ白なA4用紙が舞い落ちてくる。毎回微妙に違う場所に落ちるので、私が行った最終日には、白い壁面に囲まれた床面の広い範囲に"白"が侵食していた。ここからはスロープで上の階に上がれる。スロープから見ると、この光景がまた少し違って見えるし、順路をたどっていくともう一度このインスタレーションが見える場所があるんですよね。かなり印象的でした。
他にも、繰り返しのようで横滑りしていくもの(まさに、らせん)、ズレ、亀裂の作品たちが並んでいた。「四海の数」から想像するに、もう少し大型インスタレーションがあるのかと思ってたので、そう言った意味では若干肩透かし気味ではあったものの、面白かったです。
コレクション展の方は写真OKだったので、一転、若い子たちがいっぱい。とある写真作品をバックに(わたしの感覚ではまったく映える気はしないのだけど)学生グループが何度も記念写真を撮っていて、さすがにそれは…と思った。(なんか今回そんなんばっかりやな)。ボルタンスキーの「来世」の方が映えません?(ひっかかるのそこ?)
ここ数年、撮影OKの展示が増えて来て、SNS用の撮影のために若い子たちの集客が伸びている(チームラボはもはや確信犯)のはわかってるけど、マナーどうこうに加えて、単なる"背景消費”されていることにモヤモヤを感じている。(かたや、周囲を気にせずに1作品ごと時間をかけて撮っていくおっちゃんも発生しがちでそれにもモヤモヤするが)(ちなみに、オーディオアーキテクチャーではおっさん×インスタ女子の合わせ技でこんなこともありました)。
わたしもカメラを持ち歩いているので撮影OKのところでは撮りますが、もちろん記念写真は撮らないし、美術館内は極力邪魔にならないようにどうしても撮りたい場所だけささっと撮って移動してる。そういう肌感覚的にわかるはずのことを1から10まで美術館側が明文化しないといけないのか。それにそもそも、これは美術館が小手先で注意喚起や禁止すれば解決する話ではなくて、「映え」への欲望を含む受容の変化とアートの関係性の話なので、もっと根本的に考えていかないといけない類では、と思っている。
庭へ通ずる別出口。
この右部分がスロープになっていて上がっていくと、なんと水面。
サプライズ感ありますよね。谷口吉生さんの設計。
お庭を見下ろすと。
水面のフロアには鏡状になった屋外作品が散在していて、ここにも映えを求めるインスタ女子が出没していた。
作品内に入ると、即席タレルの部屋。
水面の向こう岸から見た美術館。意外とこの辺りは人少なめだった。
遊歩道が続いている。めちゃくちゃ広い。
見る場所によってまた表情が変わってくる。
ちなみに、このさらに奥は全く違った雰囲気。見えている建物は又日亭。こことさらに右側にも童子苑というお茶室があって、そこでは久門さんの作品も一つ見られた。不穏な重低音がついて回った主会場とは打って変わって、無音の中のズレが淡々と。
ぐるっと探索した後、美術館に併設している高橋節郎館で漆の作品も見た。漆工芸はもちろん今まで何度も見たことがあるけど、ここまで絵画作品的なものは初めてだったかもしれない。ちょっとこれまでの概念にないものだった。
想像以上に広くて多面性のある場所でたっぷり楽しめた。名古屋の中心地から離れているけど、行く価値は十分にありましたね…。
◯文化のみち 二葉館
バスにも乗ってみたかったので、豊田市から名古屋に戻ってからバスで飯田町まで。20分くらい。名古屋駅のバスターミナル、綺麗だった。
住宅街にいきなり現れる洋館。
宝塚ファンにはお馴染み(なのか?)川上貞奴は、実は音二郎の死後に福澤諭吉の娘婿と結ばれていたらしく、2人が住んだ邸宅がこの二葉館。といっても、日本初の洋風住宅専門会社 あめりか屋が手掛けたものを平成に入ってから移築復元したものなので、一部基礎の煉瓦や配電盤などは当時のものが残っているけど、全体的には綺麗すぎて風情に欠ける。
ステンドグラスは杉浦非水によるもの。
音二郎&貞奴時代の資料もあります。音二郎、ゴミ漁って怒られてたな…(夜明けの序曲の話)
2階は地元ゆかりの文学館とイベントコーナー(お客さんがいなさすぎて怖くて行ってない)でした。
◯文化のみち撞木館
二葉館から徒歩5分ほど。こちらは見るからに年季入ってる感じ。
こちらは主に陶磁器の貿易商として財を成した井元為三郎の邸宅。名古屋といえばノリタケのイメージはあったけど、そもそも瀬戸物の語源が愛知県瀬戸市というぐらい古くから盛んなんですね。
大正、昭和時代には「ノベルティ」として海外向けの陶磁器グッズを生産、輸出してむしろ国内にはほとんど残ってないとか。これ、めっちゃ可愛い。
何故かダチョウに乗る為三郎。やけにしっくりきてる。
撞木館のステンドガラスはさりげなく部屋を彩る感じでした。
玄関にも。
1階部分は日本家屋が連なっていて、お庭にはお茶室もある。手前に見えてるのはこの日はお休みだったカフェ。
二葉館も撞木館も観光地というより、地域の人達のカルチャーセンター的な役割も担ってるようで地域に馴染んでいた。ちなみに、二葉館と撞木館はセット割で320円。ドニチエコキップ提示でも各160円に割引されます。
◯チョコレートパフェ@ピエールマルコリーニ
撞木館から10分くらい歩いて、高岳から地下鉄で名古屋へ。ミッドランドスクエアのピエールマルコリーニへ。
こちらはエスカと打って変わってハイブランドおしゃれ系。
まだ入社2年目の頃、出張前乗りをして東京で遊びまわっていた時にたまたま入って食べたパフェがあまりに美味しすぎた上に、窓越しに黒柳徹子が歩いているのが見えて、東京ヤバイ…!!!(白目)となったピエールマルコリーニの思い出…。待てど暮らせど大阪には来ないのですが、名古屋にはある…!名古屋最高!
何回食べても目を剥く美味しさですね。
普通、生クリームって単なるアイスの傘増しっぽいじゃないですか。でも、ここのクリームは異様に美味しくて、永遠に食べてられます。
実はここでもドニチエコキップが使えて、チョコをプレゼントしてもらいました。こういうささやかな特典、うれしい。
◯きしめん@きしめん亭
帰りもエスカへ。ところで、よく大阪の地下がダンジョンって呼ばれるけど、名古屋の方が迷宮では…?全然うまく行き来できなくて彷徨いまくりましたね…。
きしめんよしだに行くはずが、まさかの定休日で休み…祝日やのに。というわけで、時間もなかったので、ささっと山本屋本店でお土産を買って、同じエスカ内のきしめん亭へ。
帰りの電車まで時間がないのにもかかわらず、あんかけを頼んでしまうのが残念なわたしクオリティー。舌を大火傷しながらなんとか完食。
◯帰路
お宿にゆっくり泊まる旅も好きですが、こういう一人弾丸日帰り旅も好き。久々だったこともあって、しみじみ楽しさを反芻しながらビスタカーで帰った。今回は特に、国内旅行アイディア帳に書いていた日帰りプランだったので、それが実現したっていうのもちょっと達成感もあったり。
次は犬山の明治村~岐阜 多治見に日帰りで行きたい。JRから出ているお得なきっぷ(ぷらっとこだま)だったり、go toが使えるJR東海ツアーズのフリープランも見つけたので、早くも次の計画を進めてます!