城崎ぶりとなる両親との1泊2日旅行。
kotobanomado.hatenablog.com
今回の旅の目的は、こちら。
・憧れのお宿 竹林亭に泊まってのんびり
・西九州新幹線に乗る。
…はずだったのですが。。。
自分のブログを見たら父を入れての旅は1年半ぶりだということがわかったんだけど、あまりに老化が進み過ぎていて。。日常のルーティンからはずれることが元々苦手なのは知ってたけど、心配性が強迫性障害レベルにまでなっている上に体力的な衰えも加わって、大変だった。
— たちばな (@daranomado) 2022年10月15日
先が思いやられる、ちょっと悲しい旅になってしまった。。特に、前半の長崎パートはもう旅行の体をなしてなくて、写真もほぼないし記憶も怪しい。
長崎へ&長崎周辺観光(といっても記憶ほぼなし)
長崎へは飛行機で。
空港からはリムジンバスで新地中華街へ。
新地中華街のバスターミナルはその名も長崎バスターミナルホテルになっていて、ホテル内のコインロッカーを使えた。中華街や出島は徒歩圏内。長崎でびっくりしたのは、信号がないこと。このターミナル周辺も結構大きな道路なんだけど、歩行者信号が見当たらない。車がびゅんびゅん走る中、どうやって渡ろうかオロオロしていたら、長崎県民が臆せず渡るので、横断歩道に出くわす度にコバンザメのようにくっついていった。あれほど長崎県民の背中が大きく見えたことはないですね…カッコよかった。
中華街。まだ開いているお店が少なかったこともあるけど、横浜・神戸と比べるとかなりこじんまりとしていて、静か。
オープン直後を狙って、江山楼で長崎ちゃんぽん。スープが濃厚。店を出る時にはもう行列ができていた。
出島へ。長崎に来たのは中学生の時以来。当時はこんな施設なかったと思う。歴史的には重要な場所だと思うのだけど、意外と近年まで保存・復元からは縁遠く、何に使用されていたか詳細が判明していない部屋もあった。
ミニチュア。こう見ると、かなりコンパクトなエリアだったことがわかる。
隣にはいきなりのミッフィー。確かにオランダではあるけども…。このミニチュアに限らず、全体的にメンテナンスが行き届いていなくて、せっかくの施設なのにちょっと残念だなー、と思ってしまった。
出島から路面電車で長崎駅へ。荷物を駅のコインロッカーに預けなおしてもう一回路面電車に乗り直したんだけど、駅が工事中で路面電車の駅までのルートが遠回りになっていて、ひーひー言いながら移動した。
長崎原爆資料館へ。広島の原爆資料館に行ってから、絶対来なければ、と思っていた場所。
壁には年号が書かれていて、螺旋状に現代から過去へと向かっていく。このアプローチ、とっても良かった。広島は故人一人一人を押し出したエモーショナルな構成になっていたのだけど、長崎はもっとニュートラルな作り。長崎ならでは、というところだと、やはりキリスト教と紐づいた展示が多く、浦上天主堂の側壁が再現展示されていたのが印象的だった。
資料館から歩いてすぐの爆心地公園には、浦上天主堂の一部(現物)が展示されている。
そこからかなり登って行くと、平和公園。
時間の都合上行けなかったけど、高台からは今の浦上天主堂の姿を見ることができた。
何度も言うようにトラブってしまったので希望通りには動けなかったし、特に、出島辺りまでは気が気じゃなかったけど、以上で長崎観光は終わり。タクシーで長崎駅へ戻る。
西九州新幹線
今回の旅行の後押しになったのは、この秋に開通したばかりの長崎〜武雄間を結ぶ西九州新幹線。
開業して1か月も経っていないタイミングだったので、さすがにどこもかしこもピカピカだった。
ホームには、まるで海外のようなアーチ状の屋根。
新幹線のボディには筆文字の”かもめ”が随所に。
車内は、木目調の座席で爽やか。たった30分の乗車には勿体無い綺麗な内装だった。乗車時間が少ないせいか、テーブルはひじ掛け部分から取り出す小さめのサイズ。シートの隙間が開きすぎていてプライベートだだ漏れ感はあるな…。
残念ながらトンネルが多く、車窓を楽しむ時間はごくわずか。長崎で気疲れしたのもあって、短時間ながら爆睡してしまった。
武雄温泉到着。できたばかりの駅にはお洒落なお土産物屋さんやカフェが入っている。
一つ前の嬉野温泉駅周辺が一面の畑だったのに対して、郊外の街感が強い。鄙びた温泉街を予想していたので、ちょっとびっくり。宿には事前に到着時間を伝えていて、タクシーでお迎えしてもらった。10分ほどで宿に到着。
御宿竹林亭
山水画のような御船山の麓にある全11室の旅館。玄関からして厳かで静か。お香のいい香りが立ち込めている。
個性の異なる11室は全て廊下で繋がっていて、今回はちょっと面白そうな「梧竹」というお部屋にした。入ると、広々とした観月台が目の前に広がり、そこにはバリ風?の露天風呂が。御船山楽園の中に位置しているのだけど、先ほど書いたように意外と街中にあるので、車が行き来する音が聞こえてしまうのがちょっと残念だったかな。
— たちばな (@daranomado) 2022年11月23日
和室の隣のベッドルームはずいぶんモダンな感じ。(見切れてるけど、ツイン)
美しい内風呂もある。手前には洗面台があり、ここにあるタオルは使っても、いつの間にか新しいものに取り替えてくれていた。
父の足が良くないので、事前に電話でお部屋にテーブルを入れていただくようお願いしていた。まずは、お茶とお干菓子をいただきながらチェックイン。
全国旅行支援の申請は直接宿でという情報を目にしていたので、事前に電話で確認して、チェックイン時に諸々申込書に記入したり、証明書の提示したりして、無事手続き完了。支度をして、まずは大浴場へ。
大浴場には、小振りながら内湯、露天風呂の二つある。部屋数が少ない上に全部屋に露天風呂が付いているから大浴場まで来る人はなかなかいなくて、ほぼ貸切状態で楽しめた。湯上がりどころには、ビールのミニ缶、水出しコーヒーなど。もうちょっと種類があると嬉しかったなーと思ってしまった(お部屋の冷蔵庫もフリードリンクなんだけどあまり種類がない)。あと、共有スペースはこの小さな湯上がり処くらいしかないのだけど、この時はカップルに占領されてゆっくりできず。。もう少し宿内で自由に過ごせるスペースがあればいいのに‥と。どれも贅沢な感想なんだけど、石亭のあの感じがめっちゃ好きだったので…。。
夕食
部屋食。中でもお肉が秀逸だった。お食事の途中で80gか120gか聞いてくれる。いわゆる「歯いらん」タイプのお肉で、普段は30超えたら牛肉食べられへんわーと言うてるくせに、120gをぺろりと平らげた。おそらく今まで生きてきた中で一番柔らかいお肉で、目を剥きながら食べた。
らかんの湯〜チームラボ @御船山楽園ホテル
竹林亭に行ってみたかったのは、お宿そのものだけじゃなく、宿がある御船山楽園での大規模なチームラボの展示と御船山楽園ホテルの大浴場「らかんの湯」にも魅力を感じたから。
竹林亭の宿泊者は、その両方を楽しめるチケットをもらえる。竹林亭から御船山楽園に向かうには、宿の正面玄関、庭園用玄関、客室露天風呂奥にある専用口からという三つの選択肢がある。わたしたちはまずらかんの湯に入ってからお庭を回りたかったので、貸していただいたミニ懐中電灯を手に、御船山楽園ホテルに最も近い正面玄関から、出発。坂道を3分ほど登るとすぐに御船山楽園ホテルに到着した。
中に入るといきなりこれ。フロント、カフェスペースになっている。
同じく1階には、巨大スペースを使ってのインスタレーションが。近づくにつれ燃え上がる炎。隣には、突然のボルボ。
宿泊スペースの2階にも展示があって、「ここから廃墟エリア」と書かれた廊下を進むと、かつての大浴場全体が作品になっている。
そして、ボルタンスキー的な暗い廊下を歩いていくと、原型をととどめていないほど廃墟化した空間に、炎が揺れている。
事前にスマホに専用アプリを入れてから炎に近づくと、その炎から分けられた火がスマホ内に灯って、なおかつそれを誰かとシェアできるというチームラボらしい仕掛けがあったのだけれど、電波のせいかうまく反応せず、火をもらえなかった。…と思って、2週間くらい経ってふとアプリを開けると、めっちゃ燃えてた。
ここまで大胆にホテルそのものを作品化するってすごいなー関心する一方で、宿泊エリアから地続きに廃墟があり、そこが作品化されて大勢やってくるって、ここに泊まる側からするとちょっと微妙なのでは?という心配が頭を掠めた。
ともあれ、ホテル内の作品は無事回れたので、ここでいったんお風呂タイム。同じく2階にある、らかんの湯へ。
https://www.mifuneyama.co.jp/hotsprings_a.html
サウナシュランでグランプリに輝いたサウナが有名で、チームラボと合わせて話題になっていたんですよね。内湯、露天風呂の他に、アロマボール?を使える真っ白な不思議空間のドライサウナと綺麗なタイル張りの水風呂など、サウナが3つ。外の外気浴スペースには、裸でさまよいがちな母とわたし(詳しくはこちら)が全裸で入っていいのか躊躇する、ガラス張りのお洒落なスペースが。なんと、ムーディーな照明の中で、玉羊羹やら塩プリンやらデトックスウォーターをいただくことができる。。まさか裸で玉羊羹食べる日が来ようとはね‥!めちゃくちゃテンション上がった。
唯一気になったのは脱衣所もお風呂も男湯と音が筒抜けになるところ。この日は人も少なかったのであまり気にならなかったけど、せっかくの癒し空間なのにちょっともったいないなーと思ってしまった。
すっかり温まったところで、チームラボ散策再開。ホテルの2階部分からそのまま御船山楽園に出られるようになっている。
宿でもらった御船山楽園の地図をいくつか持ってきたんだけど、書いてる内容や各スポットの名称が少しずつ違っていてわかりづらい上に、チームラボの作品に関しては、御船山楽園ホテル内の解説しか書いてなくて、庭園内の作品がどこにあるかがわからない…(ちなみにWEB上にもマップは載っていない)。
宿の人に、いったん御船山楽園ホテルまで上がったら、あとは下りながら作品を見て宿へ戻るのが良いと聞いてたので、その通りにゆるゆる下ってみるものの、ところどころに立つマップ看板を見ると、どう考えても上の方にもいっぱい作品がある…。ただし、マップには、記号(D1のような)しか書かれておらず、それがどんな作品かもわからない。。ま、わかったとしても、父の足的にここから一番上まで上がって作品を楽しむというのは厳しかったかもしれないけど、せめて代表的な滝は見たかったな。。
つつじエリアを照らす光のインスタレーションは美しかった。
御船山楽園のチームラボは想像以上の規模感でした。
— たちばな (@daranomado) 2022年10月26日
←昼 夜→ pic.twitter.com/R8dHeukNg8
21:45~、庭園の池でパフォーマンスがあるらしく、宿の人からそのほとりにある茶屋バーをお勧めされたので、事前に予約していた。ここは竹林亭の宿泊者限定らしい(庭園内には、他にもチームラボとコラボしたカフェがあった)。
かなりスパイシーなホットはちみつジンジャー。
茶屋バーから、池の水面にプロジェクションマッピングを施してそこをゆっくり小舟が滑っていく15分程のパフォーマンスを見ることができる。ただ、池に投影するのでどうしても不明瞭なイメージになるのと、パフォーマンスと言われると山場を期待してしまうのだけど、特になかったので、うん…これは無理してここで見ずに、散策しながらいろんな作品を楽しむのが正しい。
— たちばな (@daranomado) 2022年11月23日
隣のカップルも、普通のライトアップの方が綺麗やん!と言っていた。間違いない。
お風呂がてらチームラボを楽しもうなんて、ちょっと甘く見ていたらしい。本当だったら、日が暮れる前にお庭を散策し始めてなんとなくの地理感を得た上で、2〜3時間ぐらいかけてゆっくり楽しむっていうのがよかったんだと思う。
それにしても、この場所でこの規模感の展示ってすごいね。混みあわず、しかも帰りの心配をせず楽しめるっていうのは、最高に贅沢だった。
この日は就寝。
朝食
部屋の露天風呂へ。お部屋のガラス戸とお風呂どちらにも簾がついてて閉めても微妙に見えるので、朝ごはんの準備とか気遣いながら入る必要が。
朝ごはんも部屋食。内容はとってもシンプル。湯豆腐、九州ならではの甘めのお味噌汁が美味しい。
珍しくチェックアウトまでゆっくりすることにしたので、部屋から庭園専用通路に出て、御船山楽園を散策。専用通路からは御船山楽園の駐車場(御船山楽園入口)へ続いていた。昨日のプロジェクションマッピングは、この山小屋的なところから投影してたのか。
ぐるりと見て回って、帰りは、昨日行った茶屋バーの近くにある宿泊者専用入口というところを行ってみると、あまり歩かずに宿の庭園用玄関裏口に着いた。昨晩ここから帰れば早かったのでは…。うーん…昨日帰りも茶屋バーの人に帰り道を聞いて帰ったんだけどな…。なんか全体的にユーザーフレンドリーじゃないなーと改めて感じてしまった…。気を取り直して、もう一度、お部屋のお風呂に浸かってのんびり。
武雄温泉
チェックアウトを済ませ、武雄温泉駅で荷物を預け、武雄温泉の代名詞 楼門へ。
東京駅や奈良ホテルなどで知られる辰野金吾の建築で、東京駅のレリーフに十二支のうち8つしかない残りの4つがここにある。ただし、楼門の2階の部屋部分にあるので、普通には拝めず、朝の鑑賞会に参加すれば見られるらしい。
1915年に完成した当時は、一大温泉テーマパークにする構想だったらしく、今の武雄温泉新館も含め、その一部だけが実現したよう。今は、廃墟状態になっていた新館を資料館的な感じにリニューアルして、その周りを囲むように大浴場、貸切風呂といくつか温泉施設が連なっている。
まとまった入浴チケットはないようだったので、元湯だけ入った。
現在使用されている温泉施設の建物としては、日本最古のものらしい(1876年)。あつ湯とぬる夢の浴槽が並び、天井は吹き抜けで、ちょっと竹瓦温泉を思い出させた。
楼門前には出来たばかりのおしゃれ湯豆腐屋さん。嬉野で有名なお店 平川屋の支店らしい。
お食事スペースとカフェ・テイクアウトスペースに分かれていて、朝ごはんを食べたばかりなので、パフェを食べることに。豆乳ソフトクリームたっぷりでボリューム大。
外には足湯スペースもあった。
帰り
駅までは徒歩で帰ることに(15分ほど)。楼門近辺には宿がいくつか立ち並んでいるけど、そこを離れると温泉街の風情はあまり無くて、郊外の街並みが続いている。来る時にも見たように、真新しい駅は小洒落てて、「カイロ堂」という有名な駅弁屋さんも入っていた。
ようやくかもめの顔が撮れた!
でも、武雄温泉→博多まで乗るのは、かもめではなく、リレーかもめ(1時間ほど)。この区間はあくまで新幹線ではなく特急で、西九州新幹線開通をめぐっての攻防を感じた…。従来車両をリニューアルしたものらしく、号車ごとに設備が違ってちょっと不思議な感じだった。レバーだけやたらレトロだったり。
コンパートメント風の車両も気になる。
博多でお土産を買いこんでから新幹線で大阪に帰りました!
前半戦トラブルもあったというのでテンションが下がっていたことも要因だと思うのだけど、個人的には清水の舞台から飛び降りるようなランクの旅館だったので、確かに素敵ではあったけど、気になる部分も多くて、正直、期待していた割には‥という感じだったかな。。やっぱり好みに合う、合わないってあるし、それって事前リサーチで何となくの選別はできても、実際行ってみないとわからないよね…という高いお勉強代になりました。以上!
親子旅行、今年もできるかな…。