コロナ&仕事のドサクサに紛れ、1泊2日の南紀白浜小旅行に行ってきました!
今回の旅のテーマは、
- コロナ問題で遠出はできないので、自宅から県境を跨がないコンパクトな旅
- バブル時代の遺構 ホテル川久を堪能する の2つでした。
そう、実はわたくし和歌山県民なのですが、兵庫県の大学に通ってた頃、はるばる海を渡って通学して来てると思われてたのが衝撃的すぎて。。それからは、和歌山県の認知の低さ、尋常じゃねぇ…と自分に言い聞かせて、ネット上でもひた隠しにしてきたのですが、これを機に解禁して地元ネタ書きますね(誰も興味ない)。
旅程はこんな感じ↓。白浜は和歌山随一の観光地ですが、それでも観光スポットが滅茶苦茶少ないので、おのずとwithコロナに対応したコンパクトな旅になります!(自虐)
●1日目
・幸鮨でランチ
・おやつのジェラート
・三段壁洞窟
・千畳敷
・南方熊楠記念館
・ホテル川久
※グラスボートに乗りたかったけど、休止中でした。
●2日目
・アドベンチャーワールド
・とれとれ市場
●1日目
今回は両親との親子旅だったので、自宅から父の運転で白浜へ。例えば別府とかだったら交通網が発達してるのでバスやタクシーでも難なく回れたけど、白浜は車がないときついですね。
まずは幸鮨へ。
街のお寿司屋さん的な雰囲気で、肩肘貼らずにぶらっと入れる感じ。でもかなり人気店っぽかったので、予約推奨。
廻らないお寿司が久しぶりすぎて、まずシャリの小ささに感動しましたね(次元が低すぎる感想)。どのネタも手が込んでいて口の中に幸せが広がる…。
苦手なはずの鰻ですら美味し過ぎて刮目。
デザートは和歌山らしい梅でした。大満足のランチでした!
三段壁へ向かう途中、ジェラート屋さんがあるということで寄ってみた。
黒糖ナッツとゴールドラッシュ(コーン)のダブル。
ジェラート屋さんから歩いて三段壁へ。崖です。暴風が吹き荒れてたので2時間ドラマ感増し増し。右手に写ってる建物内のエレベーターで、平安時代に熊野水軍が船を隠した洞窟に降りることができました。
この洞窟の雰囲気、どっかで見たことあるなと思ったら、スプラッシュマウンテンのQラインでは。
波が打ち寄せる様子も至近距離から眺められる。海が荒れてたのでこの辺りもかなりスプラッシュで身の危険を感じました。
千畳敷へ。ふたたびの崖&暴風。
白浜の観光スポットはほぼ岩と崖なのですが、地獄めぐりを2つ目で強制終了させた母が「もう崖も岩も要らん…!」と言い放ったので、円月島はドライブスルーで眺めました。その後、ま、一応行っとくか、くらいのテンションで南方熊楠記念館へ。
www.minakatakumagusu-kinenkan.jp
これが行って大正解。南方熊楠って、「粘菌類」「イケメン」くらいのイメージしかなかったのですが(雑にもほどがある)、幼少時から手当たり次第に書物を写し取るという神童ぶりを発揮、その後は英米留学で興味・研究対象を広げた、知の巨人。同時に蒐集家でもあったようで、引き出しやらお菓子の箱やらに色んなものを所せましと詰めまくるオタク気質も含めて、名誉館長に荒俣宏さんが選ばれたのが妙に納得できた。2017年にできたばかりの新館が居心地よく、洒落たBGMを聴きながら顕微鏡で粘菌を眺められるのがオツでした。唯一残念だったのは、天候が悪く展望デッキには行けなかったことぐらい。とても良い施設だった。
ここから車で約10分。田舎道に突如として現れるド派手な建物。これが第二のテーマ ホテル川久です!
バブル絶頂期に会員制ホテルとして建設されたものの91年のオープン時には既にバブル崩壊、すぐに経営が立ち行かなくなったよう。完成した途端に前時代の遺物と化してしまった建物は時代を経た今、もはやオーパーツに近い独特の威光を放ってます。
屋根には紫禁城と同じ瓦が使われているよう。円錐型の屋根にさりげなく突き刺さってるのは、大山崎山荘美術館の前にもあるフラナガンの兎。可愛いですよね。
一歩足を踏み入れると広がる宮殿風のロビー。左官職人 久住章氏による漆喰大理石の柱は1本1億円とか…。
床は全面モザイク。イタリアのモザイク学校の職人さんが3年かけて製作…。
天井はフランスの金箔職人ロベール・ゴアール氏によるもの。金ピカ。
片隅にいくつか資料が置かれてました。当時の並々ならぬ意欲を感じます。
着こなしのハードルが異様に高い、当時の制服も展示されてました。
2階に上がると、また違った景色が見えてきます。ラウンジ。
ラウンジ側の天井。
玄関側を振り向くと。この円のモチーフは建物内のあらゆる場所にちりばめられてました。
サイドに回るとギャラリー的な空間になっていて、ブッフェ、シャガール、ダリなどの作品が多数展示されてます。
セレブごっこができる螺旋階段。
2階を探検してると、こんな空間も発見。癖の強すぎる宴会場。このインパクトに負けない宴会とは…。
こちらも宴会場。照明の一つ一つに川久の刻印が。他にも、電気が点いてない謎の小部屋もあったけど、暗闇でも癖の強さがわかった。
この辺りは、7/1から川久ミュージアムとして本格的に公開するようです。謎の小部屋の秘密も解けるかも。
チェックイン後、ラウンジでウェルカムドリンク。
いよいよお部屋へ。全室スイートという謳い文句はオープン当時のままですが、カラカミグループの傘下に入った今では意外とリーズナブルな料金で泊まれます(父発案の旅だったので詳しくは知らないけど、コロナ騒動で更にディスカウントされてたみたい)。今回は、タワースイート(和洋室)に泊まりました。
まず、開ける前から圧倒される、家以上の玄関感。
開けると、いきなり三叉路が広がって迷子に。
左手には和室があって、右手奥に書斎的な小部屋もありました。ここだけで十分泊まれる広さ。
右手の手前にはベッドルーム。ここも普通に1室分くらいの広さがあります。
その奥がバカでかいリビングルーム。
…普通に家より広い。お手洗いが2個、バスルームの他に洗面台付きの謎の小部屋もあったので、大人数で泊まっても大丈夫そう(6名まで宿泊可)。母と私はベッドルーム、父は和室で寝たけど、とにかく広くて動線も分かれてるので、同じ客室に泊ってるとは思えないくらい気配すら感じなかったですね(それは父の存在感の問題か)。他にもメゾネットタイプとかスパ付とか個性的な客室がたくさんあります。
ごはん前にお風呂へ。
1・2階に1カ所ずつあって、この時間帯は2階のROYAL SPAが女風呂。暖炉、インフィニティ風呂、完全個室のシャワーブースがあったりと、バブルの面影どころか、思いっきり今風のオシャレ風呂でした。どっちやねん!
ここで珍事が発生。うひょーと舞い上がりながらラグジュアリー風呂に浸かってたら、マスクつけたままでした(口だけサウナ状態になってはじめて気づく)。わたしもわたしだとは思うんですけど、真っ裸にマスクという出立の娘と、風呂に浸かるまでずっと会話してた母の違和感、発動して欲しかったわー…。
お待ちかねのディナーは「王様のブッフェ」。貪り食べたので伝わる写真がほぼなくてすみません。強気なネーミングに違わず、目の前でお寿司握ってくれたり天ぷら揚げたりステーキ焼いてくれるエリアもあるし、前菜からメインまで、バラエティ豊かな和洋のメニューで大満足!感染予防としては、使い捨て手袋がテーブルごとに配られて、ブッフェを取りに行くときはマスクと併せて必ず着用というルールになってました。
●2日目
朝風呂は、男女入れ替えで1階の悠久の森。こちらは壁面にぐるりと仙人画が描かれた内風呂と露天風呂の二つで、ROYAL SPAよりはオーソドックスな感じ。全然趣が違うの、嬉しいですね(マスクははずして入浴)。
朝ごはんも「王様のブッフェ」。朝もフレンチトーストやオムレツは目の前で作ってくれる。海鮮丼が自分で作れるコーナーもあって、いくらとマグロをもりもり食べました。
チェックアウト前に館内の兎ビューポイントを散策。中からだと凝った造形がよく見えて更にお城感を感じられる建物なのに、窓に鉄格子がはめられてる場所が多くて(それもデザインの一部なのでしょうが)、なかなか思うように写真が撮れないんですよね。。でも、6階の廊下からは兎が綺麗に見えました!
チェックアウト。とにかくバブリーなので、今風のラグジュアリーを期待していくと肩透かしを食らうかもしれないし、一度経営破綻した今では、贅を尽くしまくったハードに見合うサービスは望めない。でも、そんなアンバランスさを差し引いても、刮目ポイントがたくさんありすぎて、大好きなホテルになりました。
アドベンチャーワールドへ。前来たのは祖父母がまだ元気だった頃だったなぁと入る前からしみじみしちゃった。事前WEB予約のみ入場可能でした。
ところで、アドベンチャーワールドって、近畿圏の人たちにとってはお馴染みのテーマパークだと思うのですが、もしかして全国的には知られてない…?(和歌山の尋常じゃない知名度の低さを知ってるだけに、おそるおそる)アドベンチャーワールドを知る身としては、上野動物園のパンダが全国ネットで話題になる度に、和歌山にいっぱいおんで…赤ちゃんも生まれてるで…と歯痒く思ってるのですが、アドベンチャーワールドネタはせいぜい関西ローカルニュースなんですよね。。るるぶ表紙を飾る施設すら知られてないかもしれないという恐怖にうち震えながら書くと、アドベンチャーワールドは、中国国外においてパンダの繁殖・飼育に最も成功している施設で、今はパンダ6頭が暮らしてます。その上、サファリ、水族館、マリンショー、遊園地の機能まで兼ね備えた、超一大スーパーテーマパークです!
エントランスはちょっとディズニーみのある風情。
噴水に馴染むペンギン。
屋内のペンギンコーナーはペンギン側がかなり密でした。長老的なペンギンに見据えられてたじろぐ。
普通のパンダコーナーは、コロナ対策のために屋外からの見学のみで結露越しに目を凝らして見る感じだったのですが、ブリーディングセンターの方は人数制限しながらも割と近くで見れました。
この体勢で寝ている。
でも、結局はレッサーの方が可愛いよね‥。とてとて歩く感じが最高でした。
サファリもコロナのため変則的で、電車っぽいケニア号か徒歩かの2択。肉食動物の見学は徒歩のみでした。遠吠えしているライオンを頭上から。
時間が合わずマリンショーは見れず。アニマルショーは途中参加。アシカ、オットセイから、犬、フラミンゴ、インコまで鬼のように芸を披露しまくるショー。
気づけばライブパフォーマンスを観るのが3ヶ月ぶりぐらいで、まさか観劇復帰がアニマルショーになるとは思ってなかったですけど、あざらしが腹這いで出てきた瞬間に涙が流れましたよね…。そこからずっと泣いてた。構成の面白さ、動物たちの頑張りと(動物に芸を教えることにはあまり快くは思っていないけど)、スタッフさん達の楽しませようとする意気込みと、お客さん達のリアクション。あぁ…やっぱり生っていい…とじんわりしました。
アドベンチャーワールド、大人になって改めて行くと、78年開園の古さを全く感じさせないハード・ソフト面の充実ぶりを感じました。感動。しかも、これだけいろんな要素を抱えた複合施設だと、ただでさえ感染予防対策が大変だろうに、たとえば検温サーモカメラにパンダのぬいぐるみがついてたり、ソーシャルディスタンスの尺度が動物になってたり、全て一工夫凝らされていたのにもグッときてしまった。それだけ努力していても、動物へのえさやり・ふれあい系は全面中止、サファリ・レストランも一部休止してて本格営業には程遠いので、まだまだ苦労は尽きないんだろうな。生き物相手なので、休業、縮小営業してても莫大な飼育費がかかって大変だと思うけど、なんとか踏ん張ってほしい…。エールを込めながらアドベンチャーワールドを後にしました。
最後はとれとれ市場でお土産選び。海鮮類以外の和歌山名物(といってもみかんと梅くらいしかないが)も揃ってるので、全部まとめてここで買えちゃいます。日帰り温泉、宿泊施設も隣接してるので、結構楽しめそう。
以上で、小旅行終了です!(こんなに外出したのが久しぶり過ぎて2日目は意識朦朧。車内で爆睡)
観光スポットがない!という自虐からスタートした旅行記だったけど、アドベンチャーワールド、ホテル川久、南方熊楠記念館(+マリンスポーツ)だけでも、かなり個性的で濃厚な経験ができるのでは…?という結論に至りました。
こんな状況なので、近郊への小旅行、あわよくば国内旅行できる…?というレベルがしばらく続くと思いますが、移動条件に合えば、ぜひ南紀白浜でコンパクトな旅を!