だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

4月のたしなみ。

生活が一変した1か月でした。いきなり在宅勤務になったので、自分でも驚くほど規則正しく食べて寝てるし、こんなに両親と話すのも猫と過ごすのも、人生初かもしれない。不思議な気分です。仕事に関しては不安しかないのですが、悲観しすぎず、楽しいことを見つけながら日々穏やかに過ごそうとしています。

<ライフスタイルの変化によるあれこれ>

・noteを書きはじめました。

ノマド。|note

2月まで「よもやま」というタイトルで、嗜んだものと日常についてまとめて日記形式で書いていたのですが、日々のどうでもいいこと、でも意外と大事なライフログはnoteに書くことにしました。


47都道府県制覇
旅行予定が飛んでしまったので、旅行欲を満たすため妄想旅行を企てることに。どうせやるなら47都道府県制覇を目指そうという企画です。国内だけでも行きたいところが無数に出てきますね。気楽に日帰り一人旅も行きたいし素敵な宿でゆったりもしたい…。気が向いた時にぼちぼち更新しています。

kotobanomado.hatenablog.com

 
・オンライン会議・お茶会
在宅勤務が始まってから定例のオンライン会議が開催されるように。会議中、裏でLINEやチャットを送りあってオンライン画面上でほくそ笑むという遊びにハマってます。先日ついに部署回覧メールに「悪い顔して笑ってる」と名指しで告発されました。プライベートではオンライン宝塚観劇会を開催。

・プライムビデオ、NETFLIXとサブスク
ほぼ仕事らしきものがないとはいえ一応在宅勤務なので、メールを気にしながら映画が見られるように、と、軽い気持ちでAmazonプライムに入ったらハマった。↓の映画はほぼプライムビデオ(レンタル含む)で観たもの。無料お試し期間が終わっても、このまま継続すると思う。NETFLIXは「バンダースナッチ」が観たいがために加入。こっちは気になるコンテンツをいくつか観たら解約予定。(ただし「バビロンベルリン」が配信されたら即舞い戻る)
ちなみに、サブスクはこの2つ以外にApple Musicと楽天マガジンを活用中。
楽天経済圏に生きてるので本当は音楽系も楽天にまとめたいのはやまやまなのですが、邦楽が多いらしく二の足を踏んでいる。そういえば、プライム会員になると音楽も聴けるんですね!ただし曲は限られている。unlimitedにランクアップすると一気に曲数が増えるけどApple Musicより割高になるので、それもなーと思って、結局Apple Musicのままにしています。仕事で忙しい時は、なかなか本や映画・舞台を楽しめる時間がなくて音楽が頼みの綱になるし、逆に今みたいにゆっくり時間を過ごす時も音楽のある無しで全然気分が違ってくるので、心のお守り代りとして音楽が聴ける環境はできるだけ維持しようと思います。よく聴くのは、Tatiana Parra、Andre Mehmari、Andres Beeuwsaert、藤本一馬、椎名林檎東京事変、Sleep no moreのプレイリスト。
楽天マガジンはポイントを使って年間契約したのでほぼ無料の感覚(しかもスタートボーナスチャンスの事前エントリーで1000ポイントもらえる)。普段、紙では買わない雑誌も気軽に読めるので、自然と情報量が増えてありがたい。るるぶが読めるようになったのも最高。
この自粛期間中に魅力的なサブスクが増えてきているので、5月もうっかり課金すると思う。

ipad
楽天マガジンを使い始めてから欲しいなーと思ってて、プライムビデオが最後の引き金になり購入(会社のノートPCで観たろ、と思ったらセキュリティーのせいか全く見れない罠)。通勤時間が長いので、自粛生活が終わった後にも活躍してくれそう。

・運動
腹肉、腰肉のヤバさに目を瞑り続けてきた挙句、1年ぶりぐらいに体重計に乗ったらかつて見たことのない数字を叩き出したので、いよいよ運動する決心がついた。夏までに-2kgとスタミナ・しなやかさアップが目標。今年中にさらに-2kg頑張りたい。主に↓のアプリで朝夕併せて小一時間くらいストレッチして縄跳びもしてる。(二重跳びを20回跳べたのは自慢したい)
ストレッチSworkit

ストレッチSworkit

  • Nexercise
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

apps.apple.com

Lotus | Yoga and Meditation

Lotus | Yoga and Meditation

  • Labmobil
  • Health & Fitness
  • Free

apps.apple.com

ヨガは初体験なのですが、びっくりするようなポーズを要求してきますね…。英雄2のポーズだけめっちゃカッコよくきまります。


・引っ越し
仕事上の都合で別宅として活躍したマンションにさよならをしました(ようやく会社負担でホテルに宿泊できることになった)。スポット的に使ってたので、棲む、まで行かなくて一人暮らしもどきにしかならなかったけど、それなりに思い出は染みついている。徒歩圏内に文化施設があって、選びきれない程美味しいお店があるという人生初の贅沢な経験もしました(逆に田舎の良さも実感できましたが)。
メニエール再発もなく心身健やかに仕事に励めたのはこの部屋のおかげ。図らずしも在宅勤務に入ってからの引っ越しだったので、丁寧に、思い入れたっぷりにお別れできてよかったです。いやー、それにしても薄給の中よく5年も家賃払ったわ…!

・テイクアウト
引越しの作業日はこの5年で出会った大好きなお店のテイクアウトを楽しみました。
☆クイントカント

テイクアウトのみの営業。肉々しいボリューム満点パニーノ。

☆農家厨房
ボリューム満点の美味しい中華。
☆レ・グーテ
家にずっと閉じこもっているので、久々に美しいものをライブで見て、思わず、うわぁ…!と心の声が口から漏れ出ました。至福の美しさ、美味しさ。


<家で楽しむ舞台作品>
・キネマの天地
演じることに取り憑かれた人たちの話。「十二人の手紙」を読んだ時もびっくりしたけど、井上ひさし氏はこういう仕掛けの多い芝居も書くんですね。スリリングで面白かったし、役者さんがみんな上手い。


・bilibili、おすすめ宝塚ショー
宝塚の動画が全編上がりすぎていて、もはや何でも取り揃えているのでは疑惑。もちろんおおっぴらに許されることではないので、密やかに楽しんでいきましょう。Twitterではネットで観れるおすすめショーシーンを不定期に呟いています。

twitter.com

 

<家で楽しむ映画&ドラマ>
・「トリックラストステージ」と「フッテージ

 

note.com

・「アンフレンデッド」シリーズ

  

似たようなZOOM演劇作品をきっかけに、こういう時にこそ(できればPCで)観るべき映画やな…と思って手を付けたシリーズ。2の方がマルチタスク感があって、全編PC画面上という仕掛けが活きてる感じがした。ただ、見知らぬパソコンは絶対に持ち帰ってはならぬという教訓は強烈に植え付けられたけど、同じ仕掛けであれば「search」を強く推したい(全然怖くないです)。ちなみに、前回のオンライン会議で、顔も映らず声も発しない見知らぬIDがいつの間にか参加しているという、「アンフレンデッド」展開にざわついたんですが、営業のおっちゃんでした。ただ慣れてないだけ。

 

・「ハッピーデスデイ」シリーズ
 

スプラッター系かなと敬遠してたら、実はSFという情報が流れてきて観ました。「恋はデジャブ」と「オールユーニードイズキル」のいいとこ取りみたいな感じで、面白かった。2ではループ&パラレルで「バックトゥザフューチャー」感も出てきて、さらにしっちゃかめっちゃか。

 

母なる証明

ポン・ジュノ監督。ボルテージの高いまま拗れまくっていく気味の悪い映画。ずっと不穏。忘却のための踊り。

 

・MAMA

母なる証明」の翌日観たので、おのずと「怖いお母さん」シリーズになった。結末のママにはツッコまざるを得ませんでした。

 

謝罪の王様

男女、親子、芸能人/一般人、異文化…色んな関係性において発生する「意思疎通不全」と「分かり合えなさ」による失敗と謝罪オムニバスストーリー。ごりごり皮肉って笑わせてくれるかと期待したら、切れ味鈍く中途半端に終わってしまった。かなり根っこの部分での「分かり合えなさ」を扱っているだけに、結局相手をナメくさったまま形ばかり謝罪して、何となくいい話風に落とす、というのが無理でした(特にセクハラエピソードが)。

 

・ウエストワールド

子供の頃好きだった「ドラえもん のび太と銀河超特急」の元ネタという情報を目にしてから、ずっと観たかった映画。いわゆる「ロボット反乱もの」なのですが、中世ヨーロッパ、古代ローマ、西部開拓時代と3つの世界を体験できる巨大テーマパークが舞台になっているので、そのイマーシブ的なワクワク感も楽しめるし、スタッフ達のストーリー操作がメタ的に出てくるのも面白い。途中から「ジュラシックパーク」のロボット版やなこれ、と思ってたら、原作者同じでした。が、「ジュラシックパーク」と違って限りなく人間に近いロボット相手の世界なので、現実世界では許されないインモラルで攻撃的なイベント(殺人、暴力、買春、セクハラ)を娯楽として楽しみ、他者を支配、搾取する男性(と括ると語弊があるでしょうか…)と、拒絶、復讐を企てるロボット(見た目は人間そのものなので、現実世界で搾取される弱者とオーバーラップする)っていう設定がより面白く感じた。反旗を翻すガンマンロボットにはユル・ブリンナー。「荒野の七人」とか西部劇のイメージが付いているからこそのキャスティングなんですね。観てなかったからこのおもしろさに気づけず悔しいー。

・バンダースナッチ

www.netflix.com

Twitterでバズっていたのが気になり、これを目当てにNetflixに入った。Netflixオリジナルドラマ「ブラックミラー」の特別版という位置づけらしいのだけれど、映像内に何度も二択の設問が表示され、こちらの選択によってキャラクターの行動が決定し、物語が変化していくというインタラクティブドラマ。分岐点でも映像がほぼシームレスに再生されたり、選択に応じていくつもエンディングが用意されていたり、リピートを前提にした作りになっている、というテクニカル面もすごければ(ゲームの世界では当たり前かもしれませんが)、ストーリー自体がこの「分岐」や「リピート」を軸にしていて、このインタラクティブ性に潜んだうっすらとした気味悪さを体現してしまっているのがまたすごかった。具体的に言うと、主人公は幼少期に自分の選択ミスで母親を死に追いやってしまったと思いこみトラウマを抱える若きプログラマーで、母が遺したアドベンチャーブックをそのままTVゲーム化させようと開発を進めるうちに、自分が取り組む分岐型ゲームのように自分の行動もまた外の世界の誰かに選択されている結果なのでは…と精神耗弱していき、やがて外の世界の誰かの存在(我々)を悟ってしまう、っていう見事な入れ子構造になってる(もっと言うと「Netflix」という言葉やお遊び映像まで出てきて、さらに大きな入れ子構造)。そして、主人公の憧れる先輩プログラマーは、明らかにリピートやパラレルリアリティの中に自分達が存在することを把握した発言をして、主人公と私たちを動揺させる…。そんな醒めない悪夢感も含めて、かなり面白かったです。

 

<漫画と本>
こどもの体温

読み逃していたよしながふみさんの漫画。父子家庭の親子を中心にしたオムニバスストーリー。よしながさんの書く人間関係の温度感がたまらなく好きで、心地いい。

 

・ハイウェイスター

男の人の漫画だな…と思った(雑な感想)。「星霜」、「あしたの約束」、「さよならのおみやげ」が好きだった。

・来てけつかるべき新世界

ヨーロッパ企画 上田さんの、大阪 新世界を舞台にしたSF戯曲。大阪弁の応酬があまりにキレとテンポが良いので、大阪弁話者として幸せを感じてしまった。レトロな街 新世界にほんまもんの「新世界」が到来するそのギャップや、ユートピアなのかディストピアなのか測りきれない独特の味わいがめちゃくちゃ面白い。舞台でも観てみたい。

・遭難、

初本谷作品。あとがきにあるように「トラウマをよりどころに生きている女が、逆にトラウマを解消されちゃって遭難する話」。この里見先生を松永玲子さんが演じてたみたいで、うわぁ、ぴったり…と鳥肌がたちながら読んだ。そして、日本ってまだトラウマをよりどころに生きてる里見先生に似てない…?と思った。

3月の嗜み。

3月は必要に迫られた戯曲中心の嗜みでした。今思えば、この頃はまだ少なからず出歩けてたな…(遠い目)
 
<『ボディガード日本版』@梅田芸術劇場メインホール>
来日版が酷かったので、意外と感情移入出来て楽しめたことに衝撃を受けた。kotobanomado.hatenablog.comライブシーンの照明・音響は来日版同様ド派手。一方、面白映像とかお姫様抱っこスモーク影絵が無くなって、全体的にはとてもオーソドックスになっていた…残念(期待する箇所が違う)。迫力の新妻ボイスに、AKANE LIVさんの女神のような輝き。大谷さんは初舞台の不慣れな感じが役柄にダブって面白い。レイチェルの取り巻きそれぞれ個性が出てて、掛け合いシーンが思いのほか面白かった(内場さんが可愛い)。でも、ボディガードのヘッポコぶりは変わらないですね…。山小屋は相変わらずのノーセキュリティ、ドアノブに鍵穴すら見当たらなくて笑いました。まさか、ここからこんなに長い間舞台を観れなくなるとは…もっと笑いどころ探しとけばよかった
 
<ミッドサマーとパラサイト(パラサイトは2月だった気もする)> 
 
<コニー&カーラ>
お熱いのがお好き』、『天使にラブソングを』的な変装逃亡劇。『へレディタリー』のトニ・コレットが今回も抜群の表情筋でドラァグクイーンになり切っていた。一方のニア・ヴァルダロス氏は経歴がすごい。2004年の映画なんですが、ドラァグクイーンの「呪い」が解けたヒロインとストレートの男性が結ばれるのを無邪気なハッピーエンドにするの、ちょっとキツさを感じた。
 
<ニューヨーク 最高の訳あり物件>

元妻と元々妻のバトル。思ったよりシリアス寄りで、元妻がイライラし続けているのが辛かった。
 
<チルドレン>
ルーシー・カークウッドに興味があって観た。明らかに3.11後の日本の原子力汚染地域がモデルになっている。原発事故までの日常からどれだけかけ離れてしまっても、そこにはアクチュアルな生活が、命が、死に向かう生があるだけ。『チェルノブイリ』を思いだした。正直、役者さんの芝居と戯曲がしっくりきてるようには見えず、引っかかった。
 
<愛と哀しみのシャーロック・ホームズ
はちゃめちゃに面白すぎた…(放心)。笑いにほろ苦さに推理に、縦横無尽に織り交ぜた完璧すぎる脚本だったし、身悶えするほど愛おしいキャラクター達、世界観で、世の中にこんなに楽しいコンテンツがあっていいのだろうかと震えました。エンタメ万歳。

 
<またここか>

「不倫と初恋」の軽やかでシームレスな会話とは真逆。気味の悪い間や明後日の方向の受け答えばかりで会話は破綻しているし、ストーリー展開も不穏。そんな中でも「うっかり陰毛」と「うんちここにあったんだ」のくだり(こう書くとただの下ネタ)は坂元裕二さんらしくて一気に求心力を増してくる感じがした。そしてこのくだり。
前だけじゃない、後ろにも行ける。小説に書くのは二つのこと。本当はやっちゃいけないこと。もうひとつは、もう起こってしまった、どうしようもなくやりきれないことをやり直すってこと。そういうことを書く。そこに夢と思い出を閉じ込める。それがお話を作るってこと。
書き手もまた痛みを打ち消すために筆を執っている。
 
<開幕ベルは華やかに>
「来月に迫った帝劇公演の脚本家が降板」というこの世の地獄から始まる推理小説…というジャンル分けになってるけど、推理小説として読むと肩透かしかも。でも、バックステージものとしては最高に面白いです。東宝と松竹と思しきライバル会社が登場。帝劇でW主演する松竹の二枚看板が二人とも全編プロンプター付き、おまけに女優の方は勝手に幕切れの台詞、演出を思いのままに変更、脅迫電話の身代金を東宝・松竹どちらが負担するかのなすり付け合い…ページをめくるごとに地獄絵図が広がって笑えました。そして、有吉佐和子らしいシニカルなオチ。
 
レティスとラベッジ>

面白かったー。懐古主義に走るわけでも現実を呪うわけでもなく、ユーモアをもって現実に立ち向かうカッコよさ。私のイメージではレティス高畑淳子さん。
 
<トランス>
現実と妄想が入れ替わり立ち替わりしていって、最終的に読む側もトランス状態になってしまう戯曲。
 
<カズオ>
二兎社の二人芝居の戯曲。二人で何役も早変わりをするけど、物語のキーマンになる「カズオ」は演じず、目に見えない、というのがミソ。
 
デュ・モーリア傑作集>
めちゃくちゃ面白い。怖さの色合いも違えば、仕掛けのバリエーションも豊か。「鳥」は世界の終わりすぎて凍り付いた。あんまり性別で分けるのもあれですが、女性作家の淡々と抉るような怖さ、大好き…。
 
<マイブロークンマリコと心臓>
 

どちらも漫画でしか成立しえない表現が詰め込まれてて面白かった。前者は躍動感・スピード感が、後者は暮らしの肌触りみたいなものが特に。特に後者はまた度々読み返すと思う。

 

<絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男>

自分はBL漫画のモブキャラだと自覚している男子高校生が主人公。BLあるある展開をメタ的に把握して、BLフラグを徹底的に回避していくという面白いアイディア。

 

<プリティウーマン>
Mark、イケオジすぎません…!?(息も絶え絶え)(ただそれが言いたいだけで動画を貼る)
 
<バビロン・ベルリン>
YouTubeでMarkにニマニマしてた流れで見つけたのがこれ。
これだけでも十分伝わると思うんですけど、センス抜群。運良くGYAOで無料配信中だったので一気見してハマってしまった。音楽とか世界観が『スリープノーモア』っぽい(と勝手に思っている)し、第一次世界大戦後のドイツを舞台にしてるので、『1917』『彼らは生きていた』の記憶が鮮明なうちに見れてよかった。精神を病んだ元軍人たち、ロシアのスターリン政権を転覆させようと企むトロキスト、不況にあえぐドイツ国内の政治対立、謎の組織とスパイが混沌と絡み合って、歴史ドラマとしても勉強になった。Season2観たい…。
 
<スリープノーモア上海>
動画のライブ配信が始まりました。といっても「スリープノーモア」の、というわけではなく、パフォーマーによるオリジナルショー。めちゃくちゃ手作り感満載だし、パフォーマンスのクオリティが高いわけではないんですが、何より上海に戻ってきてくれていて再開に向けての一歩を踏み出した感があって、とても嬉しい。(5月からの再開、決まりました!)
 
<庭園の宿 石亭>
経営が厳しいのかハガキが来ていた…。あわよくば再訪を狙っている超おススメ旅館なので、広島旅行を考えてる方、落ち着いたら是非!

kotobanomado.hatenablog.com

 

東京の老舗巡りに味を占めたので、今度は大阪。予想通り空いていた。店構えも店内も、いせ源、みの家の流れを汲みすぎで(全部K先輩と行ってるし)デジャビュ感がすごすぎた。ケチャップが独特で美味しい。たどり着くまでに大黒を通った。ここはかやくご飯で有名なお店らしくて、戸の隙間から出汁のいい香りがした。次は、この大黒とマツバヤを攻めたい。
 
・ベジタブルキッチンONION

『CHESS』@梅田芸術劇場メインホール 感想

演出・振付:ニック・ウィンストン

出演:ラミン・カリムルー、サマンサ・バークス、ルーク・ウォルシュ、佐藤隆紀LE VELVETS)  /エリアンナ、増原英也、飯野めぐみ伊藤広祥、大塚たかし、岡本華奈、河野陽介、柴原直樹、仙名立宗、染谷洸太、菜々香、二宮愛、則松亜海、原田真絢、武藤寛、森山大輔、綿引さやか、和田清香

『CHESS』はこれまで日本人キャストでコンサート版2回、ミュージカル版1回上演。皆勤賞で観てきました。今回は新シリーズ?のようで、主要3名とクリエイティブチームのみ招聘、その他キャスト・スタッフは日本人という共同製作バージョン。

感想を一言で言うなら、歌がうますぎる、に尽きる。アナトリー役のラミンは安定した伸びのある声、フローレンス役のサマンサはどの音域も癖なくオールマイティに、ルークのフレディは声が細めで2人に迫力負けしている感はあるけど、高音までしっかり。特に、Pity the Childは背景のスクリーン、酒瓶やドラッグの小道具も手伝って、孤独な叫びとして研ぎ澄まされたシーンになっていた。この強力なプリンシパル3人に加わるのが、アービーター役の佐藤さん。朗々とした歌いっぷりで聞き劣りせず存在感も充分、カッコ良かった。アナトリーの妻スヴェトラーナにはエリアンナさん。サマンサとのデュエットも堂々と渡り合っていて歌唱力的には素晴らしいけど、スヴェトラーナのニンではない。モロコフは二期会の増原さん。さすがオペラ歌手の方だけあって、ミュージカルではなかなかお目にかかれないバスの響きを堪能した。

セットは、階段がメインで奥にスクリーン、サイドにバルコニー的な迫り出しというありがちなもの。ただし、階段に一捻りあり、段差が大きく素材感も重厚で、それ自体に腰掛けて芝居したり小道具を自然に足し込むこともできる。それに、垂直面が抜けているので、舞台奥から照明を当てると全く違った表情になって面白かった。スクリーンには冷戦下の状況や心象風景を映して、時代背景を補足。うん…舞台の映像って、国内外問わずダサいですよね…。

さすがにこれまで3回も観てきているので、オギー版のあれこれが至るところでフラッシュバックする。わたしはCHESSの悪魔的な旋律にぞっこんなので、その引力に思いっきり引き寄せられたようなオギーのファンタジックな演出は嫌いじゃなかった。

チェスの才能によって政治利用されながら自身の自由を勝ち取ろうとするアナトリー、辛い人生から逃げるようにしてチェス=ようやく手にした自己表現として奔放に振舞うフレディ、感情を封じ込めてチェスを通じて理性的に物事を見極めようとするフローレンス。それぞれを取り巻く国家の思惑や取引と3人の立場、感情が入り混じりせめぎあう…とても複雑に…。今回のバージョンがこのCHESSの物語を明確に描けてたのか、甚だ疑問。フリー素材みたいな冷戦のイメージ画像は山ほど出て来たけど、国家同士の駆け引き(そしてそれがCHESSと重なり合う様子)はほぼ無かったし、フローレンスの父親についても尻切れトンボ。歌詞や台詞も、何言ってるかわからなかったのはオギーのせいかと思ってたけど、今回の字幕を読んでも全くわからなかったですね。字幕がこなれてないように思えたし、あまりに概念ばっかりで結局思わせぶりだったので。となると、どうせ描けてないなら、美しいオギー版でいいやん、ってなった。作品の出来からしてミュージカルとしては穴が多いので、コンサートと割り切って楽曲を堪能する方がいいんでしょうね…いつかミュージカル版として完成するのを見てみたい気もするけど。。

さて、オギー版を思い出したところで。日本版の記憶も大事に留めておきたいと思います。

natalie.mu

 

イマーシブ的なもの。

USJの「ホテルアルバート」でイマーシブシアターの存在を知り興味を持ち始めてから早2年経ちました!「没入体験(immersive experience)」関連の記事が増えてきたので、まとめてみます(随時更新)。ただし、「イマーシブシアター」や「イマーシブエクスペリエンス」に関しては、まだ定義が揺れていることも多く、自分の感覚もとても曖昧なので、イマーシブ「的なもの」と濁し、あまり深く考えずピックアップしてます。(例えば、「エブリ・ブリリアント・シング」はイマーシブシアターではないと思ってるけど、観客参加型という意味で入れてます。)

 

<ボルタンスキー lifetime展@国立国際美術館

kotobanomado.hatenablog.com

 

<ホテルアルバート2@USJ

kotobanomado.hatenablog.com

kotobanomado.hatenablog.com

 

庭劇団ペニノ「蛸入道忘却ノ儀」@京都ロームシアター>

kotobanomado.hatenablog.com

 

<Trans KOBE2019 グレゴール・シュナイダー>

kotobanomado.hatenablog.com

 

<Port B 個室都市東京@TOKYO2021>

kotobanomado.hatenablog.com

 

<スリープノーモアin上海>

kotobanomado.hatenablog.com

 

愛丽丝冒险奇遇记(Alice'sAdventures Underground)in上海

kotobanomado.hatenablog.com

 

<ファントム@梅田芸術劇場メインホール

kotobanomado.hatenablog.com

 

VR ZONE UMEDA>

kotobanomado.hatenablog.com

 

<サクラヒメ南座

kotobanomado.hatenablog.com

 

<1917>

kotobanomado.hatenablog.com

 

<エブリ・ブリリアント・シング@茨木クリエイトセンター>

kotobanomado.hatenablog.com

2月のたしなみ。

よもやま形式にすると仕事の話に触れざるを得ず暗い話になるので、それはnoteにまかせておいて。

note.com

こちらでは、嗜んだモノ、コト中心にしばらく書いていきます。

ダムタイプ展@東京都現代美術館
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最終日とはいえ混んでて、さすがTOKYO…と目をひん剥いた。映像作品、めっちゃカッコ良かったです…。が、一方でパフォーマンスのダイジェスト映像は、ほぼ通路に毛の生えた程度のスペースで流していて当然すぐ人だかりができるので、「通路ですので壁に沿ってご覧ください」とアナウンスされ、いやいや…となった。今回、メディアアート寄りの展示だったとはいえパフォーマンス映像が重要なのは明らかで、さすがにもうちょっと手厚くすべきでしょう…っていうモヤモヤ。

S先輩に貸したら返ってこなくなった演劇クエストもしっかりゲット。時間がなくて試せずだったけど、丸亀で体験した「点音」もあった。

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kotobanomado.hatenablog.com


<人生初、馬肉を食す>

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ダムタイプ後、K先輩とさくら鍋が名物の「みの家」へ。初馬肉にかなりビビってたんですが、牛肉よりもあっさりしてて癖がないし、割り下に味噌を溶いた味付けで、味噌好きとしては普通のすきやきよりむしろ好き。〆は卵を入れておじや。美味しくないわけがなかった。

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<BOOK &BED TOKYO>
馬肉後は、先輩と別れ、前から行ってみたかったホテルへ。デイユースができる情報を知って、芝居を見るまでの時間潰しに行ってみた。場所は、池袋駅すぐの雑居ビル7.8階。エレベーターで8階に降りたらいきなり眼前にフロント。勝手にイメージを膨らませ過ぎてたので、店員のチャラさといい、施設のチャチさといい、この時点でかなり萎えてしまった。現金NG、キャッシュレスのみ。フロントの奥と7階が客室フロアになっていて、セキュリティカードでピして入れる。思ってたより狭い。ライブラリーとベッドスペース以外にまったりソファ(チャノマ的な)があったので陣取ってみる。うーん…見渡す限り清潔感がなく、造りもデザインもちゃちい…。しかも私にとっては読書に適さないBGMが流れてる上に、学生カップルたちがいちゃこら喋っていて、圧倒的に、ないな…という想いに打ちひしがれながら、藤子F不二雄を読んだ。出張時の宿泊の候補にも挙げてたけど、多分もう2度と使わない。

 

<烏丸ストロークロック「まほろばの景」@東京芸術劇場シアターイースト>

…か、感想のメモを一切していなかった。。。3.11を経験した東北出身の青年が主人公。思いがけない事態に「夢、みたいだなぁ‥」と呟くしかなかった父、自閉症の青年のステップが神楽へと変わる鮮烈な瞬間、罪と罰、山への祈り。

ゼイリブ

ウルトラセブン的ボディスナッチャー映画。メディアに刷り込まれた社会風刺としての面白さはありながら、基本ゆるい。サングラスをかけるかけないだけで、どんだけ殴り合うねん!

<「きのう何食べた?」正月スペシャル>
これからも定期的に放送して欲しいなー。(映画が決まりましたね)ひたすらにケンジが可愛かった。

<殺さない彼と死なない彼女>

「ただの青春映画じゃない」という触れ込みで気になって観に行ったけど、30過ぎてまだこじらせてるので主役カップルの関係性には惹かれつつも、高校生には全く見えない出来上がりすぎた間宮祥太郎と都合のいいサイコパス以外は、ただの青春映画だった。みんなサイコパスに不条理を求めすぎ、重荷を背負わせすぎでは。サイコパスに人権を…!あ、関西弁話者として気になったのは、〜かしら、とかって、現代女子でも使うものなのですか?

<マスクの下のリップ問題>
基本マスクスタイルになったのでリップを買い足して恐れず実験できるようになった。今のところ↓は実証済み。
・uzuのブラウンリップ:単体だと具合のおかしい人になる。マキアージュの赤みが強くてこれまた単体でつけるとまずいやつと重ねると、なんかいい感じになった。
・NARSのJANE:直塗りすると妖怪になるので指でトントン塗り。土気色の肌でもちょっと明るく見えていい感じ。ただし乾燥しがち。
・RMKのアーバンベージュ:ぐりぐり塗っても何の変哲も起きない。使い道考え中。
・アカリップ オレンジ:乾燥しないし色も問題なく、使いやすい。

フランケンシュタイン

初演に続いてたまたま同じキャスト(加藤・柿澤回)で観劇。作品の印象は初演から変わらない。1・2幕共にほぼ回想シーンという奇妙な構造(1幕にはさらにエレンの壮大な回想ソングが)で、それが活きているとは全く思えない。1幕の怪物爆誕を繰り返す時間があるなら、唐突に身代わりになるアンリ(彼は自分が研究材料になるのも見越して犠牲を払ったのか)とヴィクターの関係性をもっと丁寧に描いて欲しいし、群衆心理のおぞましさももっと一枚岩的じゃなく描けるのでは、とか、見世物小屋での2役はいるのか、などなど。韓国では多少の欠点は、圧倒的な歌唱力でねじ伏せているのかもしれないけど、日本の場合は濱めぐさんが抜けると一気にパワーダウンしてしまう。濱めぐさんとバトンタッチした露崎さんは初演で耳に残ったエレンの歌よりも、2幕のエヴァがよくハマり、初ミュージカルとは思えない堂々とした演じっぷりだった。続投組で一番印象が変わったのは、音月さん。ぐっと歌が良くなり、弱い裏声部分のハッタリも利くようになっていた。2幕のカトリーヌの歌は得意の音域で気持ち良く声が響き、文字通り独壇場で迫力満点に舞台を掌握していた。

 

<エブリ・ブリリアント・シング>

観てよかったです…。

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<「彼らは生きていた」と「1917」のハシゴ>
隣の人の足が臭かった。(どうでもいいけど忘れられない記憶)

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<就活イベントへの参加>
コロナ騒動に揺れまくっているこの絶妙なタイミングで、なんと我が社、就活イベントに参加(前々から決まってたので)。わたしは先輩社員の一人として出席。就活生に「今まで一番辛かったことはなんですか?」と訊かれて、え、もはや今では…?と固まった。(もちろん違う答えしたけど)

『エブリ・ブリリアント・シング』@茨木クリエイトセンター 感想

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エディンバラ国際演劇祭に参加後、各国各地を巡って、今回が日本初上演となる観客参加型の一人芝居作品。日本版は、谷賢一氏演出、佐藤隆太氏出演。Twitterで東京公演の感想が流れてきて初めて存在に気づいたので、既に大阪公演は完売状態。出張に乗じて東京公演のどこかに行けるか探ったけど日程が上手く合わずで半ば諦めていたら、大阪公演の戻りが若干出て、運良く行ってきた。

噂に違わぬ、凄い作品だった‥。大枠としては、精神状態が不安定で自殺未遂経験のある母親と共に暮らし育った主人公が、母親を、あるいは自分を勇気付けるために、この世にある「ステキなことリスト」を作る過程をお客さんにシェアしていく、というもの。日本人が欧米人を演じるというところでオリジナルよりも演劇的な側面が強くなっているとは思うけど、レクチャーパフォーマンスに近い作りになっていて、ジャンル横断的な、でも結果的には演劇の根幹を深くつく不思議なパフォーマンスになっている。

舞台中央には簡単な装置が置かれただけのアクティングエリアがあり、四方を300席くらい?の客席が取り囲んでいる。開演前から、佐藤さんは舞台面を自由に歩き回りお客さんと会話しながら、「1 アイスクリーム」のような単語が書かれたカードや小道具を渡していき、作品の「下ごしらえ」をしている。一気に作品に引き込まれたのは、序盤で、主人公が生まれて初めて経験する死、愛犬の死を大胆な見立てで再現するシーン。愛犬を安楽死させる獣医役を客席から招き、その人のコートを犬に、また別の観客から借りたペンを注射器に見立てると、開演前から作り上げられていた和気藹々とした空気感が一気に緊迫する。演劇ならではの見立ての力を、お客さんを交えながらさらりと発揮してしまうこの仕掛け。この思いがけなさと、その場で生じた磁力の強さに完全にやられてしまった。佐藤さんがリストの番号を読み上げれば、開演前に手渡されたカードを頼りに、客席のあちこちから「ステキなこと」が読み上げられる。その声の面白さ。声色の個性や読み上げられる内容とのマッチング、逆にギャップも面白い。この日は「1 アイスクリーム」の人が、リストの一つ目に相応しい希望に満ちた明るい声の持ち主で、物語がどんなにシビアな展開になっても、繰り返される「アイスクリーム!」の輝きがぶれず、泣いてしまった。

他にも、父親や恩師、妻など主人公を取り巻く重要人物は、佐藤さんがお客さんを指名して、必要によっては小道具も客席から調達しながら、即興で演じていく。自分の靴下を手にはめてパペットを通じて話すカウンセラーという超難しい役どころを容赦なく振られたお客さんも、素晴らしく見事にこなしていた。もちろんみんな素人なので、棒読みだったり、言い間違えたりもするのだけど、佐藤さんの見事なフォローもあり、それすら味になってしまう。この日だけの、偶々の、一度きりのキャスティングが、数えきれない思いがけなさの連鎖を生み、あの時あの場所にいた私たちの共通の記憶になり、素敵なことリストとして落とし込まれていく。あの時あの場にいた私たちの思い出すパペットは緑のスカーレットだし、愛犬は茶色、彼をとりまく人たちは、名前も知らない「あの人たち」なんですよね。何か…尊い気持ちになる。一回性やライブ性、共在のような演劇の根幹と醍醐味をもう一度じっくり考え直したくなる素敵な経験になりました。

しかし今思えば、キャストとお客さんの交流が肝になり、観客全員とハイタッチもあったし、ギリギリのタイミングでの上演でしたね。。。(実際、高知公演はなくなった)演技力だけでなく、アドリブ力、瞬発力、コミュニケーション力と色んなスキルが必要とされて佐藤さんにとっては超高カロリー&ハイリスクだと思いますが、是非東芸&りゅーとぴあ(であってる?)のレパートリーに加えて、定期的に上演していただきたい…。

ところで、この作品は「観客参加型」の一つとは言えるけど、イマーシブではない(といっても、言葉でうまく説明できない)と思ってる。その辺り、悲劇喜劇に『「「没入」と「参加」の境界を超えた観客──受容姿勢に対する『エブリブリリアント・シング』の挑戦──』という考察が載っているようなので、読まねば。

「彼らは生きていた」と「1917」

絶対にセットでみようと心に決めていた、「彼らは生きていた」と「1917」。1日でハシゴできるタイミングがあったので、行ってきた。(2月の話)f:id:kotobanomado:20200424163316j:plain

kareraha.com

「彼らは生きていた」は、第一次世界大戦の退役軍人らのインタビュー音声とカラー化した当時の映像や写真と組み合わせたドキュメンタリー映画。この映画に興味を持ったのは、NHKの「カラーでよみがえる東京 不死鳥都市の100年」に衝撃を受けたから。

www.nhk.or.jp

一口で言ってしまえば、白黒映像をカラー化するだけ。たったそれだけで、番組キャッチの「今日はあの日につながり、あの日も今日につながっている」通り、資料⇒手触り、息遣いが伝わる暮らしの断片に変わって、感じ方が全く違ってくるんですよね。(裏返せば、そんな簡単なことで感覚をコントロール出来てしまう危うさでもある)
映画の話に戻ると、かつての兵士たちが「獣のようだった」と表現する、前線での悲惨な生活や戦闘の様子、かたや人間性を繋ぎ止めておくためのちょっとした娯楽、そのひとつひとつがディティールまで圧倒的な手触りをもって迫ってくる。
同じく第一次世界大戦を描いたNTL「戦火の馬」も大好きな作品なのですが、途中、貴重な兵力として徴用された馬のジョーイが戦車と対峙して圧倒されるという劇的なシーンがあって、さらに残酷な殺し合いの時代の到来に衝撃を受けた。まさにその戦車登場のエピソードもあって、何とも言えない気持ちになってしまった。
映画を観進めると、映像が主役ではないことに、主役はあくまで元兵士達の生の言葉であることに気づかされる。綿密にカラーリングされた動画は、彼らの証言を補足、裏付けるものとして存在する。軍人としての誇らしさに胸を張る生き生きとした語り口から、友人の死や死体に次第に鈍感になってしまう恐怖、そして、戦争を生き延びても戦後待ち受けていた心無い仕打ちと虚無、そこから更に年齢を重ねて、老いた(そして今はもういない)彼らの生きた言葉の重み。想像以上に胸に迫るものがありました。

余韻を感じながら「1917」へ。

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テクニカル的にどうやってるのか全く見当がつかないけど、伝令のため、息つく暇もなく走り続ける主人公を追って全編が1カットに見えるよう撮影、編集された作品。塹壕をズンズン進み、そのまま有刺鉄線を潜り最前線へ向かっていく。さっき「彼らは生きていた」で見聞きしたばかりの塹壕、有刺鉄線、軍服が矢継ぎ早に出てきて、不思議な感覚だった。ただし、当り前だけど、全てが整然として美しい。歯や肌だって、死だって、あまりに綺麗すぎる。「彼らは生きていた」とはまた別のアプローチからリアルさ、当事者性を追求していて、「異次元の没入体験」というキャッチ通り、体験型・没入型(イマーシブ)の麻薬的な快感に溢れている。兵士同士の掛け合いがまるで舞台のようにカットなく続く前半から戦闘が激化する後半まで、カメラは自由に漂うように動き、各イベントを最も心地よく「体験」できるベストアングルで捉えていく。そのおかげで、知識なしに、手放しに、理解した風の体験ができてしまう。イマーシブ系のイベントに興味を持ち、その快楽を知っているがゆえに、例えば今回のような戦争映画の場合、サバイバルゲーム的に消費されるだけなのでは、っていう恐ろしさを感じた。(実際そういう感想もいくつか観た)多数の犠牲を負いながら見事伝令役を果たしたミッションクリアのシーンで映画は終わる。でもこれはゲームではなく「彼らは生きていた」。その先にまた別の地獄が待っていること、そしてそのもっと先が今に繋がっていることも忘れないでおきたい。