だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

3月 直島~犬島旅 その1(本村〜ヴァレーギャラリー~地中美術館編)

直島・犬島一泊一人旅に行ってきた!

 

ちなみに、去年行った豊島~屋島~女木島旅はこちら。

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旅のいきさつ

まず、今回の旅の経緯から。

去年の瀬戸芸旅で島欲が刺激され、3月に犬島のアートスポットが解禁されたら行こうと決める→せっかくなので、直島も行っちゃう?!→お正月の楽天トラベルセールで一度行ってみたかったベネッセハウスが予約できた!という流れで、この旅程に決まった。ちなみに、犬島は初、直島は2016年以来3度目。

直島へ

今回は宇野港経由で行くことに。去年は高松を拠点にしてたので、宇野に行くのも7年ぶり?まずは、さくらで新大阪から岡山へ。出張しがちなOLなので、普通の新幹線だと、どうしても旅というより仕事感が出てしまうけど、さくらはゆったり2列シートだし、新大阪より西しか走ってないので、いつもと違う場所へ向かうワクワク感が出るのが良い。それにしても、大阪~岡山が1時間足らずで移動できるの、いまだになにかのバグかと思ってしまうわ…。岡山からはマリンライナー宇野線を乗り継ぎ、宇野駅へ。平日にもかかわらず、電車からして混雑気味かつ海外の人たちがノーマスクでガンガン喋りまくっていて、ちょっと怯む。

お久しぶりの宇野駅は、まつだい城でも印象的だったエステル・ストッカーによって縞々になっていた。

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宇野駅から徒歩3分程で港。高松同様、駅からすぐ港ってありがたすぎる。このチケットセンターはなんだか記憶が濃くって、前回、前々回の記憶をありありと思い起こせた。

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フェリーなおしまは、2015年造船でまだ新しく、席数も多めでゆったり快適。

デッキも椅子が多くていい雰囲気だった。

直島 宮浦港着!遠くに赤かぼちゃ。

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本村エリア(家プロジェクト〜ANDO MUSEUM)

今回泊まるベネッセハウスには宿泊者特典がいくつかあって、その中でも魅力的なのが宿泊者専用バス。

直島は町営バスが頻繁に走ってはいるものの、ベネッセアートサイト(地中美術館〜ベネッセハウス)内はベネッセ関係車両しか走れず、ベネッセアートサイト専用の無料バスに乗り換えないといけないんですよね(徒歩でも行けなくはないけど)。そんな中、乗り換えなしで、宮浦〜ベネッセアートサイト〜本村を繋ぐのが、この宿泊者専用バス。かなり便数が多く、船の時間とも接続してるので、めっちゃ便利。

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というわけで、まずは宮浦港からバスで本村まで。名前を伝えると、ラゲッジタグ的なバスカードとバス時刻表がもらえて、チェックイン日~アウト日いっぱい乗車することができる。

あと、地味に嬉しいのが、チェックイン前にアート巡りを楽しみたい時、このバスに荷物を預け入れるとお部屋の中に入れてくれるサービス。わたしは、本村まで乗りつつ、リュックはお部屋に入れてもらった。ちなみに、時刻表は↑に載ってるので、前もって計画立てたい人は要確認。

本村で行きたいのは、家プロジェクトの「はいしゃ」「きんざ」「石橋」とANDO MUSEUM。その他の家プロジェクトは以前行ってるので、時間があればでいいかな、くらいの気持ち。

早速本村のチケットセンターで家プロジェクトの共通チケットと事前予約していた「きんざ」のチケットを購入。

家プロジェクトとANDO MUSEUMはお昼休憩があって、上手く回らないと回り切れないぞ…と、ある程度シミュレーションしていたんだけど、チケットセンターの人に有無を言わさず直後の「南寺」整理券を手渡されたので、観ざるを得ない雰囲気になり、いきなり番狂わせ発生。(何故か盛大にぼやけている)

電車やフェリーはそれなりに混んでいたけど、島内で上手くばらけたのか、前回の混雑っぷりが嘘のように静か。今回は贅沢にも5人で体験することができた。強烈なインパクトだったから、鮮明に覚えていたし仕掛けはわかった上なんだけど、それでも面白い。あの世のような曖昧な光と生ぬるい風に、ふわふわとしてしまった。

続いて、須田悦弘さんの「碁会所」にさらっと寄る。スタッフさんに前回と同じクイズを出され、あたかも初見かのようなリアクションをとった。お庭に本物の椿が咲いてる時期に観られたのが収穫。

内藤礼さんの「きんざ」はお隣。ここは「家プロジェクト」の中でも特別枠になっていて、15分に一人しか入れない&WEB事前予約&別途チケット代必須。

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瀬戸芸会期外だからと舐めていて1ヶ月前にやっとこさ予約ページを見たら3月分は既に全枠埋まっていた。その後しつこく毎日のぞいていると2週間くらい前に戻りがあってなんとか予約することができたものの、予定が固まったらすぐ予約したほうがいいと思う。あと、WEB予約しつつもチケットは先ほどの本村チケットセンターで「きんざ」専用のチケットを別途購入する必要があるのも注意すべきかも。

ひっそりとした入口。

この先は撮影禁止だったので、わたしの貧弱な記憶だけになるけど、お庭にある椅子で予約時間になるまで待ち、時間になれば、前の人とバトンタッチでお家に入る。家の中に入ると、全体の1/5位のところに小さな杭がいくつも打たれていて、それを境界線に奥には行けないようになっているので、手前側の丸い椅子に腰掛けて空間を楽しむ。タレルの「南寺」のような仕掛けはなく、15分間、ただ静かに作品と対峙する。

床から10cm程の四方の壁がガラスになっていて採光できる以外は光源がなく、梁、柱、土壁がひんやりと闇に溶け込んでいる。一方で、よく見ると、床には小さいガラス玉が転がってたり、ストローのような細い管が刺さってたり、天井からはテグスが垂れ下がっていたり、小さい粒、透明の筒が浮かんでいたりして、光を集めてる。

内藤礼さんといえば、豊島美術館も。あちらは真っ白な建築の中に、湧き出てくる水滴に擬態するようにガラス玉が散らばっていた。ずっといたいと思わせる不思議な空間だったけど、こちらのしっとりと暗闇から浮かび上がる何か、というのも腑に落ちて、15分あっという間に過ぎていった。

続いて、大竹伸朗さんの「はいしゃ」へ。前回来た時はどういうわけか迷ってたどり着けなかったんだけど、今回はさくっと到着。逆になぜこんな派手な建物を見逃した…?まだお昼休憩中なので、しばらく外をうろうろ。細部まで過剰で面白い。

塀は歯、時々、金歯で、ぞわぞわ。

いざ中へ。中も撮影OK、ただし自撮りや集合写真NGという注意書きがとても良かった。単なる映えの背景にされるの本当に辛いよね…。

1、2階はぶち抜かれて摩訶不思議な空間が広がってる。

外からなんやこれと思った黒い出っ張りは、中も真っ黒だった。

2階まで突き抜けた自由の女神の周囲には自由の女神に纏わるポストカードがたくさん。

2階に上がると、また違った角度から眺めることができて面白い。

この夜空なのか海なのかが天井まで満ちてるの、美しい。

去年行った大竹さんの「女根」が思わず入ってみたくなるのに入れない建物だったので、「はいしゃ」はその願いを叶えてくれる場所でもあった。(今回は行かなかったけど「I♡湯」も細部まで情報量多くて、中も入れるというか入浴できるので面白い。)

次は「石橋」へ。荘厳な崖の屏風絵。

さっきの「はいしゃ」とは両極ともいえるシンプルさ。

廊下へと抜けていくと、まるで屏風絵の続きのように、外から差し込む日差しと影が床に紋様を描いていた。

そこから蔵の中に入ると、千住博さんの代名詞ともいえる滝が暗闇から浮かび上がってくる。滝の下は漆塗りになっていて、滝が放つ光が飛沫のように柔らかく飛散して、清涼感を感じる。

受付のところには、千住さんがベネッセの福武さんから”間借り”しているというていの書斎があって、とっても居心地よさげな素敵空間で思わずそちらにもお邪魔したくなってしまった。

せっかくなので、宮島達男さんの「角屋」も。違和感と落ち着きが一緒にやってくるというか、本当に、延々いられそうな空間。

…と、ここまで廻ってきて、まだANDO MUSEUMに行きつけてないのに、バスに乗ってチェックインしにいくタイムリミットが迫ってるため、いったんバス停近くまで行ってみることに。バスまでまだ少し時間があったので、バス停隣のジェラート屋さんでおやつ。ラムレーズンが本当にラムレーズンまんまだった。

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なぜ早々チェックインしようとしていたかというと、ヴァレーギャラリーの入館デッドラインが15:30で、チェックイン時(15:00〜)にベネッセハウス(+ヴァレーギャラリー)の無料チケットがもらえるから。

ちょっと早めにチェックインしないとヴァレーギャラリーに辿り着けないなと思い、電話でホテルに相談してみると、お名前言っていただいたらチェックイン前にチケットなくても入館できますよ!という返答で、じゃあ1本遅いバスで全然ええやん…!となり、無事ANDO MUSEUMも回れることに。

というわけで、南寺までの道のりにあったANDO MUSEUMへ引き返す。この見た目で、中はごりごりのコンクリ安藤建築。

館内には、直島の建築を中心に資料が展示されている。「光の教会」の、時間と共に十字架型の隙間から差し込む光が形を変えて教会内を照らす写真とか、興味深いものはあったものの、結局のところは、建築の展示って難しいよね…といういつもの結論に至った。個人的には、ここは何度も通うというより時間があれば1度は、くらいの感じかな。

ここで小雨が降り出した。この日はなんとか持ちこたえてくれると思ってて傘はホテルに預けたリュックに入れたままだったため、フードでしのぐ。食べそびれていたついでにカフェに飛び込もうとしたものの、考えることはみんな同じで、どこも途端に満席になって断念。

降ったり止んだりを繰り返す中、そういえば「護王神社」を廻れば、家プロジェクト制覇やんと思い立ち、マップ片手に目指してみたもののよくわからず、Googleマップまで動員したのに、たどり着いたのはノーマル神社だった。どこにあんねん…。それらしき神社へと続く階段を見つけた頃には、時すでに遅し。いよいよバスの時間が迫っており、バス停に向かうことに。

ヴァレーギャラリー

バスでヴァレーギャラリーへ。ここは22年に誕生したばかりのベネッセハウス別館的なスポット。名前を言わずともバスカードを見せただけで入れてもらえた。

屋外には、小沢剛さんの《スラグブッダ88》と草間さんの《ナルシスの庭》。

屋外より安藤建築の中に敷き詰められた鉄球の方がゾワっときた。

元々、ヴァレーギャラリー以降の廻り方はあまり考えておらず、ひとまず事前予約が必要な地中美術館だけ翌朝に予約していたのみ。ただ、翌日は昼から雨の予報で、朝イチで犬島に渡ってしまった方がいいのではと計画を変更して、この勢いで地中美術館に行くことに。(ヴァレーギャラリーの道向かいにある李禹煥美術館は、前回腹痛に悶えながら回ったので、若干後ろ髪引かれつつ…)

ちなみに、地中美術館豊島美術館も)は、時間指定予約が必要で、予約時にクレジットカード決済されるけど、当日の朝8時までキャンセル可能。なので、混雑するシーズンは、保険で前もって予約しておいて都合に応じて後から適宜取り直すっていうのが一番いい気がした。

ヴァレーギャラリーから地中美術館まではベネッセアートサイト内なので宿泊者専用バスでもベネッセ無料バスでも行けるけど、予約時間まで時間に余裕があって、10分くらいで行けるので、徒歩で。

途中、これでもかというくらい猫がいた。みんないい面構えをしている。

地中美術館

そんなこんなで、地中美術館チケットセンター着。

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3度目なので、チケットセンターからの道のりからして結構記憶は残っているものの、それでもこのアプローチのインパクトはいまだ衰えず、知覚がバグる。ここ以外は撮影禁止になっているので写真がないけど、この次にある石の間も好き。屹立する壁の継ぎ目が地面と垂直じゃなくて少しだけ歪んでいて、圧倒されると同時に何ともいえないぞわっとした不安感を駆り立てられる。

今まで訪れてきた安藤さんの建築の中では、ここが一番好き。

もうすっかり夕方だけど、ランチを食べ逃していたので、まずはカフェへ飛び込む。夕食付きプランを取っていないので、これが今日最後のご飯になるかもしれぬ‥と心して食べた。ライスバーガーのごはんって、自らの挟む役割、まったく認識してないよね。ぼっろぼっろになりながら完食。

アプローチ部分と呼応するようなウォルター・デ・マリア。普段あまり意識することのない明るさ、光へと意識を向かわせるモネとタレル。タレルの「オープンフィールド」は「南寺」で見た生温かいあちらの世界に入り込むかのようで、やはりこれはセットで体験したほうが断然いいなと思った。整理券くれてありがとう。そして、奥には「オープンスカイ」。「オープンフィールド」のインパクトが強いからかすっかり忘れてて、「オープンスカイ」といえば金沢みたいに思ってたけど、直島にもあったのか。

 

地中美術館の素晴らしさを噛みしめながらいよいよホテルへ。

…というところで、その1は終了!

続きはこちら。

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