だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

3月 秋田旅 その2(乳頭温泉~あきた芸術村~秋田空港編)

その2は2泊目昼~帰路までになりますが、前半はほぼ乳頭温泉へ行く人への注意事項になってます

その1はこちら。

kotobanomado.hatenablog.com

乳頭温泉郷について

言わずと知れた日本有数の有名温泉地。それぞれの宿が源泉を持っている(しかも泉質が異なる)というスゴツヨっぷりなのですが、鄙びた温泉街的なものではなく、本当に車道+宿しかありません土産屋、飲食店0です。

乳頭温泉郷の宿(=外湯めぐり先)は、乳頭温泉郷の代名詞的な存在である「鶴の湯」(別館 山の宿)、今回泊まった「妙乃湯」、「休暇村」、「大釜温泉」、「蟹場温泉」、「黒湯温泉」、「孫六温泉」の全部で7つ。ただし、冬季期間は「黒湯温泉」が休業、「孫六温泉」は長期の改装工事中なので、私が行った3月上旬は実質5つでした。

www.nyuto-onsenkyo.com

上記いずれかに泊まる宿泊客は、有効期限1年間付きで7湯巡ることができ、7箇所を結ぶ湯巡りバスに乗車できる2,500円の湯めぐり帖を買えます。各宿でオリジナルスタンプを押してくれるスタンプラリー形式なのも嬉しい。

日帰りの場合は、湯めぐりマップ1,000円を買えば、各温泉にはそれぞれ日帰り入浴料を支払う必要がありますが、湯巡りバスには乗れます(ただし今は販売休止中。後述します)。
こう書くと、行きやすそうやん!と思われるかもしれないのですが、ハードルの高さがいくつかあって…

ハードルの高さ① アクセス

乳頭温泉の最寄駅は東北新幹線で行けるJR田沢湖駅。ただし、かなり遠いためこの駅からはどの宿の送迎バスも出てません。自力で行く必要があります。

ちなみに、私の場合は、1日目が角館宿泊だったため、角館から乳頭温泉に向かうことになるんですが、角館と田沢湖を結ぶ路線バスが昨年廃止されたようで、電車+路線バスかエアポートライナーの二択。

電車+路線バスの場合は、JRで角館→田沢湖まで。実は在来線も走っていて新幹線と数分しか所要時間が変わらないので、できれば在来線で行きたいところなんですが、かなり本数が限られてるため実質、新幹線一択になります。

田沢湖から乳頭温泉へ向かう路線バス 乳頭線はそれなりの本数がある。乳頭温泉まで50分ほど。田沢湖、田沢高原の方を回って行くので車窓を眺めると面白いし、各宿にバス停があるので便利(ただし鶴の湯は行き方要注意!後述します)。

田沢湖駅からは、要所要所で散策時間を取りつつ田沢湖をぐるっと回ってくれる田沢湖一周バスがあるので、時間があればバスを乗り継いで田沢湖観光してから乳頭温泉に行くこともできる。わたしも当初はそれに乗ってから乳頭温泉に行くつもりにしてた。

ugokotsu.co.jp

一方、エアポートライナーの場合は、エアポートと言いつつ、発着に空港を絡めてなくてもOK。乗り合いタクシーなので、例えば角館駅乳頭温泉の宿直行みたいに、乗降場所を細かく指定できるのが利点。本数が少ない、割高という弱点はあるものの、時間さえうまく合えば、一番手っ取り早く安心安全に行ける。

また後でも詳細書きますが、エリアごとに運営会社も違っていて、秋田空港〜角館〜田沢湖乳頭温泉を結ぶエアポートライナーは、キングタクシーさんが運行している乳頭号です(ややこしいけど路線バスは乳頭線)。

akita.airportliner.net

わたしは若干ケチりたかったのと当初の計画では田沢湖を観光するつもりだったので前者の新幹線+路線バスのルートを選びました(結局時間が合わず、田沢湖一周バスには乗れず‥)。

ちなみに、↑の交通手段を考える時、乳頭温泉に着いてからの湯めぐりの仕方も踏まえて練った方がいいです。というのも、鶴の湯以外の6湯は徒歩移動可能だけど、鶴の湯は車移動でしか行けない上に、湯巡りバスの本数は少なく、それぞれ湯巡りできる時間が限られている(最短は鶴の湯の15時まで。鶴の湯に向かう湯めぐり号⑧便だと14:30すぎになるので時間的に若干心許ない)から。さっき書いた通り、ご飯どころがこの湯めぐり場所以外にないというのも注意。

ハードルの高さ② めっちゃ秘湯

名だたる温泉地ではあるけど、めっちゃ秘湯です。秘湯宿ならではの癖があります。自分が泊まった宿以外の6館のブログや動画も見ましたが、私含め秘湯慣れしてない人間(特に女性)には今回泊まった妙乃湯、休暇村が安心だと思う。

お部屋、お食事、サービス面、とっつきやすさはもちろん、それだけではなく、休暇村、大釜温泉以外は混浴があるよ、という話につながりまして…。

ここからは完全に女性向けの情報になるけど、妙乃湯蟹場温泉は宿泊者用に混浴の女性専用時間が設けられ、妙乃湯は混浴時バスタオルまき入浴OK。鶴の湯は、女性専用の浴槽からつながった形で混浴風呂にいけます(しかも濁り湯)。

一方で、他の混浴風呂はどんな頑張ってもこれはすっぽんぽん回避できないやろという動線がほとんど。ま、そんなのいちいち気にする人は混浴には入らないという選択肢が一番なのですが(変なおっさん湧いてくるし)、やはり混浴風呂が一番大きいし趣あったり景色良かったり、宿が一番売りにしているお風呂というのも事実なので、それならば女性が入りやすい対策をしっかりしている宿に泊まるというのが一手かと思います。せっかく温泉宿に行ったのに思うように入れないというのが一番悲しいので…。

ハードルの高さ③ 情報が乏しい

この5年程よく国内を巡るようになって感じるんですが、観光にどれだけ力を入れているか、ユーザー視点の情報発信が出来ているかは観光資源の数や質に必ずしも比例していなくて、地域によって雲泥の差があるんですよね…。私が知る限り、秋田は観光の情報発信、情報共有力がかなり弱いです。。乳頭温泉は秘湯ということで、さらに輪をかけて人を来させる気がありません。

たとえば、さっき湯巡りマップの一時販売休止の件を書きましたが、それを知ったのはこのおしらせでした。

tazawako-kakunodate.com

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これは湯巡りバスの情報を調べていて辿り着いた、田沢湖 角館観光協会のHP。この情報自体は、各宿の位置関係やランチ、日帰り入浴時間なども網羅されていてめちゃくちゃ便利で助かった。わたしが見た中では一番親切な乳頭温泉の説明です。

つまり、裏を返せば、この便利な情報は乳頭温泉HPには一切掲載されていません(なんなら湯めぐり帖の説明すら金額ぐらいしか書かれてなくて、有効期限すら載ってません)。なぜ情報が一元化されていないんだろう…。

そしておしらせのpdfの方にはご丁寧な湯めぐりマップの説明があるのに、その下にはしれっとこんな記載があります。

「湯めぐり号」は、冬季に入り混雑が目立ち、満車となる状況もあります。つきましては、3月31日までを目途に「湯めぐりマップ」(宿泊者以外でも購入でき、当日限り湯めぐり号に乗車できるマップ)の販売を休止させていただきます。

どうやらキュンパスの影響らしいのですが、これをチャンスとせず、販売休止の方に動くのもだし、なによりこんな重要な情報が後日追記されてるのに更新日がそのままでいつの間にかしれっと更新されてるのもすごいです。

かたや、乳頭温泉郷HPの方はページに埋め込まれたFacebookで新着情報が更新されてて、日帰り入浴の臨時休業日などもこまめにアップされてるのでこちらもこまめにチェックした方がいいのは確かなのですが、これを1/16の投稿まで遡ると…。

冬季期間中、湯めぐり号の車内混雑を避ける為、1月18日から湯めぐりマップを一時的に販売休止いたします。※湯めぐり帖は通常通り販売いたします。湯めぐりマップの販売再開が見込まれましたら再度ご連絡いたします。

それに対して一般の方が、休止の2日前のアナウンスは酷すぎます、と怒りのコメントを投げかけてましたが、ほんまそれ、となりました。
ちなみにfacebookには湯めぐりマップ休止の報が載ってますが、HP本体の記載は販売休止の件は触れられていません…気づかない人いると思います。ちなみに、~3月末めどで販売休止ということでしたが、3/24現在、販売再開予告のアナウンスは一切されていません…。

そうは言っても、バス使うの鶴の湯くらいなんでしょ?ならなんとかなるやんって思うじゃないですか。それはまた鶴の湯アクセス問題で別途書きます。

というわけで、こちらが一例ですが、なんとなく察せますよね。なので、田沢湖 角館観光協会乳頭温泉郷のHPは新着情報も遡って、隅々まで何度も見る、わからないことがあれば電話で問い合わせるのがおすすめです!

そして、②で書いためっちゃ秘湯問題とも関わりますが、乳頭温泉郷HPでは男女別とか混浴といったお風呂の内容まではわかりません。宿のHPにとべばわかりますが、タオル使用可能かとか動線などは一切わからないので、②で書いたような混浴のハードルは宿泊者から情報を仕入れるしかないです。

私自身は特に一人旅の場合、交通もちょっと面倒な方が面白いしただ快適で楽しいよりつっこみどころある場所の方が記憶に残るので、これはこれで文句言いながら楽しんでるんですが、不親切には変わりないよなぁ…でもそれゆえの秘湯なんかぁ…という複雑な気持ち。なので、今後行く人には「情報ないで…!」と伝言を残します‥。

鶴の湯アクセス問題

まだ旅行記にたどり着きません…。鶴の湯アクセス問題です。

この日行けるのは、先ほども書いた冬季休業中の「黒湯」、改修工事中の「孫六」、そして、残念ながら予約した後で毎週水曜休みに決まったっぽい「蟹場」以外の4湯。

宿泊する「妙乃湯」、「休暇村」、「大釜温泉」は徒歩ですぐ行き来できる距離感なので車を使うのは実質この三湯と鶴の湯との間だけで一見楽勝かと思いきや、この鶴の湯が難関で…。

最初は、田沢湖から乗る路線バスの乳頭線がそれなりの本数なので、湯巡りバスと組み合わせれば良い感じに鶴の湯と行き来できるのでは?と思ったんですよね。そしたら、さっき紹介した宿の位置関係の情報を見つけて、路線バスの「鶴の湯入口」から実際の鶴の湯まで徒歩50分あることに気づいて天を仰ぎまして…。

そこで、妙乃湯さんに電話して、湯めぐり帖はわざわざ最初に妙乃湯に立ち寄らなくても別宿でも購入可、鶴の湯さんまで行くタクシーを呼んでもらうと7,000円くらいかかると教えてもらった上で、鶴の湯HPによると、乳頭線で乳頭温泉郷の手前にある「アルパこまくさ」から宿の送迎バスが出ている(ただし時間など詳細は載ってない)とのことだったので、今度は鶴の湯さんに電話して、鶴の湯さんの宿泊客でなくても「アルパこまくさ」からバスに乗れるかを確認したところ、乗れるは乗れるが宿泊者優先で、最近JRのキュンパス効果でめちゃくちゃ混んでるから乗れるかわからない、特に(わたしが乗ろうとしてた)11時台に接続するバスが一番混雑して、積み残しが発生する場合もあると言われ…。

あと、ランチも一応聞いたら、9卓しかないんで…とやんわり断られたので、じゃあもういいや、賭けに出ず普通に妙乃湯行ってから湯めぐりバスだけで巡ろう、鶴の湯に2時間滞在せなあかんけど…!となりました。

はい、で、オチ的には、アルパこまくさで車窓からチラ見したら、鶴の湯送迎バスに乗ってる人0人でして…。そこで降りていった女の子二人組も鶴の湯に電話で問い合わせて同じこと言われたようで「なんやねん、ビビらしただけやん…!」て悪態ついてました。

まとめると、鶴の湯の宿泊ではないけど、アクセスがややこしい鶴の湯から巡りたいという場合は、A:エアポートライナーで鶴の湯直行が一番確実、新幹線+路線バスで行く場合は、B:アルパこまくさで降りて宿の送迎車に乗る(ただし宿のHPに時刻表は出てないので問い合わせる必要+満席のリスクあり)の2択。

もうキュンパスの期間も終わったので混雑はいったん収まってるとは思うけど、路線バスで行く場合は、Bを想定しておいて、アルパこまくさでバスの混み具合をチラ見して混んでて乗れなさそうだったらそのまま乳頭温泉郷まで乗り、湯巡りバスで鶴の湯へ、というのもありかもしれません。

そして、湯めぐりマップが一時販売休止の今、車なし族の日帰り客が湯めぐりバスに乗れないとなると、アルパこまくさと鶴の湯を往復しないと他の宿に辿り着けない(そしてその送迎バスが満員になったら詰む)ので、かなり面倒かつ時間ロスになりますので、ご注意ください!
また鶴の湯に関しては書きますが、取り急ぎアクセス問題でした。

やっと旅行記! 田沢湖駅乳頭温泉郷

前置きが長くなった…やっと旅行記になります。

まずは、角館駅前の観光情報センターへ。角館祭りのやま行事の曳山に載せられていた歌舞伎人形がどどんと。

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「あきた手ぶら便」という便利なサービスがあり、650円でここから乳頭温泉の宿まで当日中に荷物を届けてくれます。この日は電車+バス程度しか移動しないので小型スーツケースでもそのまま持ち運びできるレベルだったけど、鶴の湯さんの混雑しまくり発言にビビり散らかして、バスで立ち乗りまで混むと邪魔になるしな…と思って送りました(結果ガラガラだったんですけど)。

スーツケースならコインロッカーに入れるのとほぼ同額だし、観光してから宿に行く人にとってはこのサービスはかなり使えると思います。角館以外にも秋田駅田沢湖でも同様のサービスがあるよう(ただし発送可能エリアは異なる)。ちなみに、荷物到着は17時以降という説明を受けたけど、この日は16時半頃に届きました。これもあんまりPRされてなくってほぼ使われてないサービスっぽいのですが、便利なので是非!

新幹線で田沢湖へ。たった13分なのでこれこそ立席でよかったですね。

田沢湖駅坂茂さんによるモダンな建物。吹き抜けが美しく、1階の一部と2階は展示スペースになってる。田沢湖がロケ地になった韓国ドラマ「アイリス」絡みの展示も。

1階には田沢湖一周バスのチケット売り場とこれから乗る路線バスの券売機も。券売機は現金のみだったけど、バスの中で小銭をごそごそやらずに済むので有難い。

外観はガラス張り。駅周辺には軽食屋さんなどが申し訳程度に並んでいる。

願望強めの垂れ幕。

路線バス乳頭線で「妙乃湯」まで。所要時間は50分ほど。支払いは券売機で買ったチケットでも通常通りバスの中での現金精算でもOK。交通系ICカードはNG、車内にはd払い、PayPayの使用可の貼り紙が出ていた。入口付近に荷物置き場もありました。
田沢湖チラ見。昨日見た池の方が綺麗では(こら)。日本一の水深を誇るそうです。遊覧船は冬季休業中。

この辺りまではうっすら雪が積もっているだけだったけど、水沢温泉郷、スキー場あたりまで来るとさすがにバス停が埋まり始めます。積雪しても10cmのエリアに住んでいるので見慣れない光景をただただ凝視。

女の子たちが悪態をついて降りていった「アルパこまくさ」を過ぎ‥

乳頭温泉郷湯めぐり(大釜温泉~休暇村~鶴の湯)

いよいよ乳頭温泉郷へ。降りたら一巻の終わりの「鶴の湯入口」を越え「妙乃湯」へ。

一見こじんまりとしたお宿で風情があります。

taenoyu.com

着くやいなやフロントで湯めぐり帖を購入(ツケ払いできました)(写真は翌朝撮ったもの)。

湯めぐり用のタオルグッズを貸し出してくれました。ありがたい。

極度の方向音痴なので、念のために「こっちが大釜温泉で合ってますか?」とフロントのおじさんに尋ねたら「合ってます!その先に蟹場温泉もあります!」と言われ、いや…情報としては正しいけど、今日定休日の水曜日やで…。ちなみに、最近設定された定休日なので湯めぐり帖にも記載されてません。手書きやスタンプでも良いから追記したらいいのに‥とまた小姑のような気持ちが芽生えました。

気を取り直して、大釜温泉へ。奥に見えるのが妙乃湯なので、秒で着きます。

ookama-onsen.jp

何気なく眺めていると、いきなりスキャンダラスでした。事件が気になりすぎて建物の経緯が頭に入ってこないし、塗りつぶした大学名も全然隠せてない。

ここは男女別のお風呂のみで気兼ねなく入れます。湯量が少なくて露天風呂の温度低めです、と注意書きがあったけど、温さも感じず良いお湯加減、内湯も木造りで風情のある浴室でした。

休暇村は元来た道を引き返して5分ほど。身体は芯から温まってるのに肌に触れる空気がきんと冷たくて、不思議な心地よさのまま歩いて行く。すれ違う人たちもまばらで、本当に静か。

休暇村は秘湯感なく誰でも入りやすい施設。

qkamura.or.jp

乳頭温泉だけでなく田沢湖高原の湯も楽しめるのが嬉しい。

人生史上一番のつらら。

1階にはレストランや売店もあるので、ご飯食べたり、バス待ちするには一番良い場所だと思う。

ランチメニューも魅力的。

わたしは朝ごはんを食べ過ぎたため、秋田犬ソフトクリームにしてみた。

犬…なのか‥?

ここから湯めぐり号に乗っていよいよ鶴の湯へ。

路線バスの鶴の湯入口からはぐねぐね山道が続いている。窓から景色を眺めていたら、一面の雪の中でこちらを見つめるテンがいて、めちゃくちゃ可愛かった。

別館の山の宿を通って…

鶴の湯へ。まるでタイムスリップかのような景色が広がってます。

www.tsurunoyu.com

縦に並んでいるのは宿泊のお部屋。

もう少し進んでいくと事務所があり、ここで湯めぐり帖にスタンプを押してもらう。

さらに奥に向かうと温泉エリア。すごい光景ですよね。

男女別で白湯、黒湯(女性は露天風呂も)、中の湯、そして混浴露天風呂があり、女性側は中の湯から混浴露天風呂までお湯に浸かったままいける。バスタオルなどの体を隠すものも以前はOKだったようですが、マナー違反が相次ぎ今はNG。

最初はいけそうだったら混浴もいこうかなくらいの感覚だったんですが、朝、夏瀬温泉に入り、そこから短時間で温泉2ヶ所巡って、ここの白湯、黒湯(と言いつつ白い濁り湯)に入った時点で、わたしの循環器が悲鳴を上げ始め(大袈裟)、おまけに、服脱いだり着たりすんの邪魔くさいな…と思い始めて、結局、中の湯+混浴露天風呂は行かずじまいでした。

黒湯・白湯はどちらも歴史を感じさせる風情あるお風呂。黒湯に至っては家族風呂かなくらいの小さな湯船なので、4人入ったらいっぱい。もちろん洗い場はなく、固形石鹸が隅にそっとおかれてるくらい。脱衣所も数名ずつぐらいしか入れない必要最低限のもので、戸開けたら目の前で着替えてるみたいなスペース。たしかに今まで行った中でいちばんの秘湯感があった。なるほど‥これはキュンパス殺到したら大変やな…と大納得。
ところで、この写真を撮った時はまだ気づいてなかったんですが、お分かりでしょうか…。混浴露天風呂を囲う生垣が角度によってがっつり空いて見えることを(湯に浸かる上裸おじさんをスタンプで隠した)。

ついでに、黒湯からの女湯露天風呂ルートもしっかり塀で囲われてるわけじゃなく、暖簾がかかってるだけなので、黒湯・白湯入口付近にいたら、女性が裸で小走りしてる姿が結構見えてしまったりで、そういうのが気になる人はやめた方がいいと思う。

というわけで、バスのダイヤの都合上、ここで2時間ほど待機しないといけないのですが、早々お湯に浸かることを諦めたため、2号館で時間を潰すことに。日帰り客がうろつけるのはお風呂エリアと2号館のお休み処のみ。コインロッカー、自販機やお手洗いもありました。居合わせた一人旅の年配女性が溌溂として素敵だった。

途中、除雪作業を見れた。雪国ならではのお仕事と働く車。こういうのグッときます。

鶴の湯→アルパこまくさのバスの時刻表。

湯めぐりバスのちょっと前にアルパこまくさ行きのバスが出たんだけど、↑の最後便ということもあって、積み残しまではいかないにしろ満杯近い様子だった。

妙乃湯(お部屋・夕食・大浴場)

湯めぐりバスで妙乃湯へ帰還。ラウンジ兼ダイニング「草庵」でチェックインします。インテリアや館内の雰囲気は姉妹宿ということだけあって「都わすれ」とよく似てる。

まさかのウェルカム豚汁で、出てきた瞬間、思わず、とんじる…って呟きました。

館内は、こじんまりとした正面口からは想像つかないくらい入り組んでいて、紅葉館、椿館、桜館と、それぞれ個性の異なるお部屋 全16室で構成されている。わたしが泊まったのは最もお安く、唯一近年リニューアルされてない桜館の「二輪草」。

お風呂なし、洗面台、お手洗い付きのシンプルなお部屋。普通に綺麗だし、こたつに憧れを持ってる人間なので嬉しい。掛け軸は青柳家で展示されてた角館押絵。

窓からは先達川が臨めます。

もう湯疲れしすぎて、明日のジョー最終回状態で、こたつに入ったまま真っ白に燃え尽きてたのですが、17時~18時までが混浴露天風呂の女性専用時間なので、この機会は逃せないと、最後の力を振り絞って、ジョー立った。

妙乃湯のお風呂は、茶色っぽい金の湯(硫酸塩泉)、透明な銀の湯(単純泉)と呼ばれる2つの源泉があり、趣向の異なる浴槽が複雑に入り組んで8つ作られています(ただし冬場は露天風呂の一つ「杜のせせらぎ」が閉鎖されてるので、わたしが行った時には全部で7種類)。

男女別のお風呂は20時で入れ替えになるので、本当ならば、この女性専用時間に男女別お風呂も一通り巡ってみるのがよいのですが、なんせ最後の力を振り絞ってる状態で、夕食後にがっつり体洗う時にまたお風呂に入る余力を考えると難しそうだったので、この時間は混浴風呂のみに専念することに。

いざお目当ての混浴風呂へ行こうとするも、女湯男湯の入口にも「今女性専用時間です!」的な掲示がなく、脱衣所には混浴時にお使いくださいのバスタオルが積まれてたので、確かに17時は過ぎてはいるけど、ほんまか…?と若干疑心暗鬼になり、タオルを巻き巻きして向かった。(大浴場には備え付けのタオルがないので部屋からタオル持っていってくださいねというアナウンスがあるのですが、この混浴時の体隠す用のバスタオルが常に準備されているので、実質持ってかなくて事足ります)

ちなみに、20時までの女湯は、金の湯の岩風呂と銀の湯の喫茶去。岩の露天風呂はチラ見したのですが、結構ムーディーな感じ(とは)でした。喫茶去は浴槽に小石が敷き詰められた内湯らしく、こちらも雰囲気がよいらしい。混浴とは反対方向にあったから結局行けずじまいだったんだけどチラ見だけすればよかったな。

岩風呂を右手に見ながら矢印に沿って進むと、三叉路出現。ここが男湯と女湯の合流地点になっていて、ここに貸切風呂の入口もあります。ということは、やはり女性専用時間でも貸切風呂の人が行き来する可能性があるので、巻き巻きは正解。

通路奥に、目的地の露天風呂が。先達川沿いに迫り出すように金の湯、手前側に小ぶりの銀の湯が。先客のお姉さんに、念のため「今は女性専用時間ですか?!」と聞いたら「そうです!大丈夫です!」と教えてくれたので、すっぽんぽんで入りました。

先達川が人工滝になっているので、いわゆる自然美とはちょっと違うのですが、かなり至近距離で迫力があるのと、露天風呂でありがちな目隠し的なものが一切なく、視界がやたら広くて開放的かつ静かなんです。夜は多少ライトアップされるものの、この開放感を味わうには明るい内に入った方がいい気がしました。

混浴だった場合を考えてみると、バスタオルありならいけなくないかな…と。ただし、浴槽がそんなに大きいわけじゃなくちょっと生々しいから、銀の湯に誰もいなければそちらに待機しといて、行けそう!ってなったタイミングで、金の湯行くとかでしょうか。

お次はごはん!渓流沿いの草庵で。

お料理も都わすれとよく似てる。というか、全く同じメニューもあったので、ここは連泊対応的なことをしてもらえると嬉しかったな…というのが本音。

女将さんがご挨拶に来られたのですが、朝は夏瀬温泉の方にいらっしゃったのでお忙しすぎる。あと、夏瀬温泉もこちらもアジア系のインバウンドの方が多くて、こちらは中国系の女性が一人旅(すごい!)に来てらっしゃって、中国人スタッフさんが対応されて、女将の挨拶も通訳されていました。

ほろ苦サクサクばっけ(ふきのとう)が美味しい。

お鍋は予約時にきりたんぽが由利牛しゃぶしゃぶかが選べて、しゃぶしゃぶに目がないので後者にしたんですが、めちゃくちゃ美味しかったです…!しゃぶしゃぶ好きってこともあるだろうけど、前日の陶板焼よりもこちらの方が印象に残りました。つけだれは醤油+お出汁ベースで、酸味は柚子胡椒のみなんですが、このたれがお肉にベストマッチで目剥きながら食べました。逆に言うと、都わすれと連泊の方できりたんぽを選んだら連日きりたんぽになるおそれがあるので、事前に確認する方がいいと思う。

ごちそうさまでした!

もう一度こたつでジョー状態を挟んでから、なんとか本日ラスト風呂へ。

20時の男女入替後なので、木造りの銀の湯内風呂と寝湯ができるようになってる半露天の金の湯に変わってました。全体的に大きすぎないちょうどいいサイズ感、しかもデザインも凝っていて雰囲気のあるお風呂ばかり、しかも贅沢な源泉かけ流しで満足度高すぎです。洗い場が左右が囲まれた一蘭方式になってるのも気に入ったのですが、さすが秋田、内湯でも洗い場がめちゃくちゃ寒くて、歯ガタガタ言わせながら体洗いました。
疲れ切ったので、早め就寝。

妙乃湯(貸切風呂・朝食)

5:30起床。何故なら6:00~貸切風呂を予約したからです。昨晩お風呂にあまり浸かれなかったので、お風呂をめぐってから貸切風呂へ。さすがにこの時間は混浴風呂の方も誰もいませんでした。上にも一度書いた通り、貸切風呂は男女別お風呂を通った先の三叉路にあるのでスマホが持ち込めず写真なし。ただ、貸切風呂の中に脱衣所があったので、ここまで服着て突っ切ることもできるようです。

貸切風呂は半露天の銀の湯。混浴露天風呂より川の上流側にあり、ここはさすがに目隠しが多めで景色と開放感はやはり混浴露天風呂の方が段違いに良い。洗い場もありました。

湯上がりどころはコンパクトなスペース。

残念ながら、お風呂回りの写真は1枚もないのですが、youtubeで動画を上げてる方がいるので気になった方は是非チェックを!どのお風呂も本当に素晴らしかった。

朝ごはんはもう一つのダイニング「都わすれ」で。

温野菜とベーコンも嬉しかったし、二日連続でわら納豆を食べて完全に克服できたのも謎の達成感があったんですが、昨日選び損ねたハタハタが出てきて、これがまた美味しいこと…!都わすれも妙乃湯も朝食がかなりボリューミーでメニューも楽しく、大満足!

エアポートライナーであきた芸術村(ゆぽぽ・わらび座)へ

ここからエアポートライナーわらび座のあるゆぽぽまで行きます。

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↑の例がちょっとわかりづらいのですが、乳頭温泉アクセス問題でも書いた通り、エアポートライナーは発着が空港でなくても乗れて、乗降車の位置をピンポイントで指定できるので楽です。

この予約フォームに具体的な観光地名が出てくるのでそれを選択。ただし、システム上飛行機情報を入れたりしてうまく選択できない場合は備考欄で補足していきます。面倒な場合は電話予約も可能。

akita.airportliner.net

わたしが乗ったのは乳頭号の2便。時刻表は乳頭温泉地区8:50発、角館地区10:00着となっていて、普通に考えると地区内でも場所によっては時間が前後すると思うのですが、今回は予約後も↑の時刻で予約完了になってました。なので、宿にはチェックイン時、朝食時間を選ぶ時にエアポートライナーの時間を説明して朝ごはんを15分前倒しの7:45~にしてもらった。

8:40には宿前にジャンボタクシーが来ていたので、チェックアウト後すぐに乗り込んで、一人だったこともあってか、9:40にはゆぽぽに到着。ちなみに、よくある質問のところに現金対応のみとありましたが、カード払いOKでした。電子マネー系も色々いけたと思うので、気になる方は詳細問い合わせてみた方がいいと思う。

ゆぽぽ着。道路にまたがって、施設が広がってます。

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夏瀬温泉に行く途中で通ったので知ってたんですが、周りに何もない中、突然現れる。

今回私が予約していたのは、わらび座『新解釈・三湖伝説』@小劇場のチケット、ゆぽぽ入浴、ランチ、1ドリンクがついた5,300円のプラン。2月までの閑散期は、アソビューでここに謎解きがついた2,900円ぐらいの破格すぎて心配になるプランが出てました。

お風呂は10時からだったので、ゆぽぽ本館(宿泊棟)の売店を見たりなんだりしてみる。

どこでチケットを引き換えるかもよくわからなかったので(予約完了メールに詳細は書いてない)、お風呂の受付のおじさんで聞いたら宿泊棟フロントとのことで(そりゃそうか)、フロントに名前を伝えたら、お風呂の券をくれた上で、お部屋もご準備できてますので、ご案内しますよ!とのこと。

お部屋とは…?と思ったんですが、予約時に食事場所を「ばっきゃ」か「ゆぽぽ本館」で選択できて、適当にゆぽぽを選んだら、これがお部屋食のことだったみたい。食事後~観劇までの時間も含め、半日がっつりお部屋を使わせていただけるの、めちゃくちゃありがたくないですか?!

けど、今すぐ案内してくれそうなお姉さんに大事なことを聞かなければいけなくて。

事前決済をしてないのでまだお支払いを済ませてないんですが、お支払いは劇場の方で大丈夫ですか?と確認すると、お姉さんが慌て出し紆余曲折あって、結果フロント払いということになりました。もうちょっとで、無銭飲食入浴観劇のフルコンボかますとこだった(大罪)。

あまりに立派過ぎるお部屋。そして大々的に名前を掲げられて恥ずかしい。

お風呂チケット。

道を挟んだ向こう側にある温泉棟とは渡り廊下で繋がってる。

謎解きの紹介。

お風呂回りの写真を撮ってないことに気づいたんですが、ゆぽぽ温泉棟は入口からして天井が高く開放感たっぷりで、お食事処「ばっきゃ」や売店もあり充実してます。お風呂は地元の御婦人方で賑わってたのがよかった。

どういうわけか旅行最終日は地元の人たちが集まるお風呂に行きがち(竹瓦温泉三沢空港温泉いきいきセンターくりの郷)なんですが、温泉地の温泉とはまた違ったのどかな空気感が漂ってて、これはこれで旅感があって好き。

お部屋でのんびりしてたらお食事の時間。めちゃくちゃちゃんとしたお料理を運んでくださいました。朝ごはんをあれだけ食べた後なのに普通に完食した。

飲める人は1ドリンクを田沢湖ビールから選べるみたい(わたしは残念ながらウーロン茶)。

ゆっくりお食事をいただいた後は道路の向かい側にあるわらび座の劇場へ。

約700席のわらび劇場。今年の4月~11月までここで『ジャングル大帝レオ』をやるよ!脚本は高橋知伽江さん。

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今回観劇するのは約100席の小劇場の方。

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本来は1日目に観たかったけど、上演日と合わなくて3日目に。

なんとなくそんな予感はしていたのですが、最前列でした…。ツアーで来ている人たち、地元の人たちで入りは半分くらい。上演前には、膨大な数の協賛企業名、個人名(渡辺えりさんの名前も)がスクリーンに映し出されている。コロナ禍で苦労して民事再生の手続きをしたというニュースに心を痛めていたので、秋田全体で応援しているのが伝わってきてグッときた。

『新解釈・三湖伝説』は十和田湖田沢湖八郎潟をめぐる壮大な三湖伝説を新たな切り口から描いたミュージカル。田沢湖の伝説はかろうじて知ってたものの、元々の三湖伝説がわかっていない状態で観でるので、前提部分がいまいちわかっておらず、ちゃんと調べておけばよかったと後悔。けど、キャスト4人だけで複数役を演じ分けるスピーディーな展開で、歌やダンスも程よく織り交ざって面白かったです!こうやって地元に根付きちゃんと地のモチーフを使いながら貪欲に新作を生み出す劇団って宝だと思う。

写真が下手過ぎて申し訳ない。

秋田空港

ここからまたエアポートライナー乳頭号で秋田空港へ。今度は普通サイズのタクシーでまた一人でした。親切な運転手さんで、角館観光してなかったら通っていこうか?とか色々ガイドしてくれるタイプの方でほっこり。ここ、よく熊出る~みたいなこともさらっと。やっぱり今年は記録的な暖冬で秋田市内は真冬日が一度もなく、道路に雪が積もってないのはあり得ないことと仰っていた。

秋田空港到着。

去年リニューアルしたばかりのようで、めちゃくちゃ綺麗。

お土産屋さんはスイーツからいぶりがっこ、お酒まで網羅されてて最高。ここまでほぼノー土産のまま来たのですが、ここだけで余裕で揃います。

カフェと飲食店×2もある。

ダメ押しの稲庭うどん食べた。稲庭うどん、おつゆが薄めですよね。

ラウンジも綺麗。

伊丹空港ホテルのすぐそばにラウンジがあって、そういやこのラウンジに入れる条件って?と調べたら、楽天プレミアムカードが使えそうだったので、ここも提示してみたら入れた。さっき見かけたナガハマコーヒーや日本酒も飲める。大変良きでした。

いまだかつてない親切な雰囲気の保安検査を終え、待合所へ。

ここにも充実の売店

軽食メニューもあって至れり尽くせり。

機材調整のため15分遅れで出発。ありがとー!秋田!

無事、伊丹着!近未来的な乗り物がありました。

まとめ

楽しかった!ついに、秘湯の扉を開けられた気がします…!

これまではどちらかと言うと宿重視だったけど、温泉重視の旅にシフトしていきそう。なんなら、なぜ新玉川温泉に寄らなかったんだろう、と後悔してるくらい(新玉川温泉は強烈な酸性泉で源泉には3分くらいしか浸かれないらしい…)。

ちょうど良い積雪具合に行けて念願の雪見風呂を楽しめたのも、やっとわらび座を観れたのも大満足でした!(ジャングル大帝が気になりすぎる)

さて…次はどこ行こう?!