だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

青森美術館巡り旅 その3(三沢編)

その1と2はこちら。

kotobanomado.hatenablog.com

kotobanomado.hatenablog.com

 

最終日の旅程はこちら!

 

 

青森屋朝食

ひば湯と浮湯にもう一度入ってから、1階の のれそれ食堂で朝ごはん。

朝夕ともに古民家風の南部曲屋では会席、のれそれ食堂ではブッフェが食べれるようになっている。

のれそれ食堂の朝食は、海鮮丼や貝焼き味噌(貝が苦手なので残念ながら食べれず)が売りになってた。いつも残念なわたしクオリティ。(何故毎度こうなる)

ごはんをよそってくれるのが、割烹着を着たかっちゃ(お母さん)風の白髪混じりのご年配の女性で(わたしが見てた限りはごはんをよそうためだけにいる)、もはや役者的な立ち位置のかっちゃを観察しながら、このパフォーマンス力に感動していた。

さすがテーマパークと謳っているだけある。その他、季節に応じていろんなアクティビティがあったし、お庭が広く散策できるスペースも十分。三沢に限って言うと観光スポットがほぼないので、この施設内で1日遊べるっていうのはいいなー。

hoshinoresorts.com

荷物をまとめてチェックアウト。青森屋のバスに乗り、三沢駅へ。最後の最後まで抜かりなく、ホテルスタッフさんが大漁旗を振ってお見送りしてくれて、星野リゾート、やってんね~!と心の中ではやし立てた。総じてみると、わたしが宿に求めている体験とはちょっと違うのと、若いファミリー向けで自分向きではなかったけど、温泉が素晴らしかったので満足でした!

そして、再び八戸へ。

八戸駅の隣にビジターセンター的なものがありしばらく時間を潰す。

www.youtree.com

八戸三社大祭のド派手な山車が展示コーナーがあった。孫悟空デザインというのも面白いし、何より、日本のお祭りの山車の概念が覆されるほど躍動感がすごい。

大きなお土産屋さんには、南部せんべいの手作りコーナーも。

 

八食センター

わざわざ八戸に来たのは、八食センターで美味しい魚介を食べでみたかったから。100円バスに10分程揺られ八食センターへ。

www.849net.com

www.nanbubus.co.jp

想像以上にバラエティ豊か。魚介だけでなくパンからスイーツまで何でも揃ってる。

早速ランチを食べようと、ミニ海鮮丼を食べてみたら、めちゃくちゃ普通だった…。いやこれ巷で普通に食べれるやつ…!

他にも回るお寿司や海鮮丼のお店があったのでリベンジしたかったけど、わたしの貧弱な胃袋では限界で、悔しー。うーん…わたしのお店選びのミスですね。お土産をサクッと買って、早めにバスで退散しました。
再び八戸から三沢へ。今回ヘビロテした青い森鉄道。もう堂々と乗れるようになった。

 

三沢市寺山修司記念館

三沢に着いたら、軽いノリのおじさんに道を聞かれた。「関西から来たんでわからないんですよー」と答えたら「僕もやねん!」と言われて、せやろなーと納得。この軽さ、青森きてから初めてお目にかかった。

駅前で待っていたのはMISAWAぐるっとバス。路線バスがない代わり走る無料バス(ただし休日のみ)で、寺山修司記念館までは30分ほど。

kokukagaku.jp

この距離を無料で運んでくれるのはありがたいけど、お金払うのでもうちょっと便数増やしてほしいな…。とはいえ、そもそも利用している人が少ない。最初こそもう1人乗ってたけど、途中から運転手さんとこの景色の中でマンツーマン。ぐずつき始めた天気の中、どこへ向かっていくんだろう…(どう考えても寺山修司記念館なんですけど)と若干不安に。

到着。鈍色の空に似合う禍々しい建物。

www.terayamaworld.com

一度入ると出てこれなさそうな扉。

扉を開けると、意外にもちらほら人がいた。奥の常設展はこんな感じで、すごい世界が広がっている。

クセ強キャラクター勢揃い。

このステージの下には机と椅子が並べられていて、それぞれ引き出しの中に展示物がある仕掛け。それを懐中電灯で照らして見ていく。うおー寺山っぽいー(知らんけど)。

わたしが観た寺山作品は寺山さんの没後に大きなカンパニーが普通の劇場で"綺麗に"やってるもので、それでも初めて観た「身毒丸」には度肝を抜かれたけど、本来の空気感とはまるで違うんだろうな…と展示を見て回りながらひしひしと感じた。
天井桟敷新聞も面白すぎた。(縮刷版が中古で売ってるようなので買おうか迷い中)

劇団としての熱量も感じられるし、演劇が一部の人たちじゃなく、若い人たちの身近なところにある感覚。観客も巻き込んだ熱狂の時代だったんだろうな、というのが見てとれて。もうこんな時代は二度と訪れないんだろうなって、羨ましいような寂しいような何とも言えない気持ちになってしまった。

これはイマーシブシアター界隈でも人気がある市街劇「ノック」の時のもの。もうこの見出しからして最高ですよね。時刻表にないバスが走っている…。は?みたいな。いいですよね。ところで、「ノック」の演出は、幻一馬さんで、寺山さんは企画クレジットのみ。知らなかった。「ノック」絡みだと、「あしたはどっちだ、寺山修司」も観てみたいけど、なかなか見れるチャンスがなさそうで…。

これも一時期買おうかと思ってたくらい気になってた「犬神家の人々」。写真(ポストカード)そのものの設定から創作する凝りよう。

「上海異人娼館」も気になる。

企画展「書を捨てよ、町へ出よう」はミュージアムショップと一緒になっててコンパクトだったけど、非常に濃い。気になりすぎるやろ…。

はとバスと組んでるのすごないですか。もしタイムマシンがあったら、この熱狂に触れてみたい。

2017年に三沢で上演された市街劇「田園に死す」のパンフ(というか地図)が売ってたので思わず買ってしまった。

パフォーマーはこの寺山お面を付けてる人にだけ絡みに行ってたっぽい。もちろん、かつてのゲリラ上演が許されるはずはなく、むしろ行政としっかり連携して観光コンテンツ化してる。寂しいような気もするけどやれるだけマシか…。

寺山面はスリープノーモア面と一緒に部屋に飾ることにしました(クセ強)

ちなみに、同じ年に周遊型の謎解きイベントもやってるんですよね。これもちゃんと寺山修司にちなんでて面白そう。

www.taito.co.jp

あと、市街劇は2008年に道後温泉周辺でも上演されたみたい。意外とやってるもんなんですね。次またどこかで上演するようなことがあれば一度参加してみたい。

fringe.jp

記念館からは遊歩道に出れるようになっている。「市民の森」が隣接しているので自然豊か。指のおかげで迷わなかった。ありがとう

寺山修司にさほど詳しくないわたしでもかなり楽しめる場所でした。

帰りは、寄ってみたい場所があったので、帰りはタクシーで。記録映像を観られるスペースもあったし、飛行機の時間と連携されたダイヤだったので(多分)、普通なら行き帰りバスで全然いける。スタッフさんがとても親切で、タクシーを手配してくれたり車が到着したら教えてくれたりと気遣ってくれた。

タクシーの運転手さんも親切で色々教えてくれた。牛の放牧の話とか航空科学館が面白い話とか晴れてたら八甲田山まで見えるよとか。うん、でも八甲田山は見えなくてよかった…(私の中で「八甲田山」は三大トラウマの一つなので恐怖の山の認識しかない)。空港まではタクシーで20分くらい?3,000円ほどでした。

三沢空港温泉と三沢空港

三沢空港はめちゃくちゃ小さくローカルな空港。入ったらすぐ手荷物預かり場だった。

misawa-airport.co.jp

リュックを預けて、徒歩2分の三沢空港温泉へ。駐車場も中も地元の人たちでいっぱいで、なんならこの旅の中で一番混んでた。

kite-misawa.com

銭湯感覚で使われてて、お風呂もザ・銭湯!って感じ。常時ものすごい勢いで浴槽からお湯が沸き上がって洗い場側の床まで轟轟と流れている中をおばあさんが寝転んでいる(寝湯替わり?)という思わず二度見する光景をみんなごく自然に受け止めていて、これも込みの日常なんだなーと思った。文庫本を持ってお湯に浸かるお姉さんもいたし。

真冬に体が冷えてどうしようもない時なんかは空港から徒歩3分でさっと入れてかなりありがたいとは思う。でも、わざわざ時間作ってまでくる必要はないので、寺山記念館でバスの時間まで楽しむが良かったかも。(もし時間作れるとしたら、その2で書いた駅近の三沢温泉の元湯がよいと思う)

温泉から空港へ戻って。三沢空港売店・レストランとも1つしかないコンパクトさ。

三沢ー伊丹間はJALのみ。プロペラじゃなかった。

帰りはめちゃくちゃ空いていた。

この度の直前まで2ヶ月近くホテル住まいで仕事をしていたので、この風景を見てさめざめと泣いてしまった。自分の仕事なんてあまりにちっぽけで悩んでたこともしょーもないなって。こんな世界は広くて綺麗なのに。

旅行は、まなざしの訓練なんだなと最近とみに思う。普段小さな世界で暮らしている自分にもっと違う世界があるよっていう。それがたとえ国内でも、一口に日本で括っているエリアがいかに多様か、旅行の度に思い知る。

今回も良き旅でした!一人旅スキルもアップしたので、調子に乗って、瀬戸芸と大地の芸術祭にチャレンジします。

 

最後に(美術館&アクセス反省会)

将来再訪するかもしれない自分とこれから行くかもしれない誰かのためのメモ。

★今回の4館(弘前れんが倉庫美術館青森県立美術館十和田市現代美術館寺山修司記念館)は全て行けてよかった!

弘前は、観光スポットの数、バスの本数的に半日で回れるので、2泊3日の初日か3日目でOK。

青森駅周辺は、県立美術館を実際に体感するとなおさら三内丸山遺跡も行っておくべきだと感じた。これから行く予定の方はセットで行くことを強くお勧めします。他にも見どころいっぱいかつ、意外と交通の便が良くないので、2日目にしてたっぷり1日かけたほうがいいと思う。

十和田市現代美術館は、美術館HPには八戸と七戸十和田からのアクセスを推してますが、八戸からのシャトルバスは便数が減って今は1日1本(シーズンによって変わる)なんですよね…。(普通の路線バスで行くと1時間以上かかるし本数も少ない)
東京から新幹線で行く場合は、七戸十和田に停車&バスの時間と連結してる新幹線にのってそのまま美術館に直行するのがいいかなと思いました。直行で行かない限りは、私みたいにわざわざ七戸十和田駅を目指して行く必要はない。

見落としがちなのは、三沢駅からバスで30分で行けて、本数もそれなりにあること。飛行機の場合は、往復どちらかを三沢空港にして(ちゃんと時間を調べてませんが)、十和田市現代美術館寺山修司記念館をハシゴできるのでは、と思った。三沢の青森屋を拠点にするの、良い気がする。

★れんが倉庫以外は常設展が充実しているので、れんが倉庫の展示が好みだったら軽率に巡れる。AOMORI GOKANに選ばれている八戸市美術館と国際芸術センター青森に行くならさすがに2泊3日では巡れなさそう?(詳しく調べてないけどこの2館のアクセスもなかなかなので)。

aomorigokan.com

ちなみに、このAOMORI GOKANプロジェクト、素晴らしいとは思うのですが、せっかくなので学術交流だけでなく、ユーザーの立場に立った情報発信も積極的にしていってほしいです。今出てるアクセス情報・モデルコースは全く参考にならないので…。

 

以上!