だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

青森美術館巡り旅 その2(青森市~十和田市~三沢編)

その1はこちら。

kotobanomado.hatenablog.com

 

2日目の旅程はこちら。

 

 

海扇閣朝食~青森へ

ゆっくり寝て体力回復!昨晩と同じく「海つ路」で朝ごはん。朝は完全ビュッフェでした。普段は少食なのに旅行になるとめっちゃ食べれる人いるじゃないですか。わたしは普段からそれなりに食べるけど、特別な時もそれなりにしか食べれないどころか、ちょっと緊張してむしろ普段より食べれないタイプなんですよね(ブッフェ向いてない)。なので、こんな感じ。

このねばねば海鮮、美味しかった(なぜおかゆにしたんだろう)。海鮮系が少し多めなくらいであとはいたって普通のメニューでした。

朝ごはん後、すぐ出発。

外湯巡りで温泉をじっくり楽しむこともできるようですね。

https://www.asamushi.com/files/images/home/asamushi_yufuda.pdf

青い森鉄道浅虫温泉~青森へ向かいます。青い森鉄道も本数が少ないので、その点、宿が駅から近いのは安心感があった。

電車は2両編成のワンマンカー。駅によってドアの開く場所や検札場所が違って気が抜けない。前日のJR→青い森鉄道の乗り換えでは、どういうわけかJRの切符を改札に通すことも青い森鉄道の切符を買うこともなく普通にこの電車に乗れてしまいドギマギしながら車内で現金精算した。。今日こそは正しく切符を買って乗車。

そういえば、汽笛がよく鳴る電車だった。普段電車乗っててもなかなか聞かないから最初は何事かと思った。

約30分で青森に到着。隣にカシオペアが‥!

パッケージツアー専用としてまだ運行してるんだねー!

www.jrview-travel.com

八甲田丸

駅から出るとすぐ海が広がっていて、目を剥いた。なんて開放感…!

右手はねぶたを常設展示しているワ・ラッセ

めちゃくちゃ行きたかったのですが、この後、交通の便がえぐい美術館に行かねばならず泣く泣く断念しました。

www.nebuta.jp

左手には弘前にもあったA-FACTORY。

ジェラート屋さんが入ってるという話なので、ここも時間があったら行きたかった。。

www.jre-abc.com

駅前が砂浜ってすごくないですか!?

ここから3分くらいで八甲田丸に到着。

明治時代に就航していた青森港と函館港を結ぶ青函連絡船。八甲田丸は1965年から1988年の青函トンネル開通で青函連絡船がその役目を終えるまで運航していたお船

aomori-hakkoudamaru.com

八甲田丸就航当時の青森の様子が気合の入った大量のジオラマコーナー。思い描いていたイメージ通りの”東北”。この時代の青森に来たらどんな感じだったんだろう。

当時の船長室や座席の再現があったり…

操舵室にも行けたり。ボタンにウルトラマン風のSF感があって好き。

人の気配がすると思ったら、たいていマネキン。見学者よりマネキンの方が多かった。

外に出て…天候も良くて最高に気持ちいい!

津軽海峡冬景色が爆音で聞こえてきた。あの碑から流れているらしい。

ここからエレベーターで下がって車両甲板へ。貨物列車の車両ごと船で運んでいたらしく、その再現。これ見れるのかなり貴重では。

海面下にあるド迫力のエンジン。これもなかなか見れるものではないですよね。

お船見たい~という軽い気持ちできたけど、想像以上に見ごたえあった。楽しかったー。

ちなみに、連絡船はもうないけど、青函トンネルは車が通れないので、青森ー函館を結ぶフェリーは今でもたくさん運航されてるんですよね。それもいつか乗ってみたいなー。

www.tsugarukaikyo.co.jp

www.seikan-ferry.co.jp

で、函館にある摩周丸も見に行きたい。

mashumaru.com

青森県立美術館

いよいよ青森県立美術館へ。私がちゃんと探し出せてないからかもしれないんだけど、バスがありそうでないので、タクシーで。本来の最寄り駅は新青森駅で、公式HPには、青森駅から車で20分と書いてあったけど、実際にはもっとスムーズで、1,600円ほどで行けました。

自然豊かな土地にどどん。れんが倉庫美術館に続いて土地の使い方が贅沢。

www.aomori-museum.jp

bus-routes.net

青森ゆかりの棟方志功成田亨の作品を中心にした常設展のみの見学。

ウルトラマンや怪獣たちをデザインした成田さんのデザイン画があまりに繊細で、成田さんが感じたという、それらがいざキャラクター化された時の受容のされ方との齟齬というのが、一目でわかる気がした。だって、あのカネゴンが驚くほど美しい。以前ここで個展も開かれたようで、「シン・ウルトラマン」に併せて、また近々やればいいのにと思った。

シャガールがバレエ「アレコ」のために描き上げた背景4点を展示するスペースアレコホール。この巨大空間にも度肝を抜かれてしまった。青森、スケールがデカくないですか?写真を撮り忘れたけど、入館してチケットを買うとすぐにエレベーターで下りる珍しい動線がこの巨大空間を生んでるんですね。すごい。サプライズ上手。

第3幕(2枚目の写真の左側)だけ他館から借用してて、23年には返却予定らしいので、見るなら今。

たまたま時間が上手くあって、舞台用の照明付きで解説をしてくれるアレコ特別鑑賞プログラム(1日に3回実施)なるものを、見ることができた。

普通、こういう美術作品を能動的な照明で鑑賞することってなかなかないと思うし、この作品の舞台背景という特性上、照明によって表情を変える本来の姿を見られた気がして、わくわくした。でも、あの畑にうごめく謎の生物の解説はなかったな‥。

奈良美智さんエリア。

…からの窓越しあおもり犬。このいきなり現れる感じも楽しい。

間近で見るためには外へ出て矢印に沿って3分程?鳥のさえずりや壁の質感を楽しみながら行くこの工程が、ちょっとした冒険心をくすぐる。

ぬーん。

奈良さんの八角堂も独立した場所にある。開館後に設置されたものらしいのに、このアプローチや作品も含め、取ってつけた感はない。美術館全体が青森の大地から生えてきたような感覚で居心地がいい。

設計は青木淳さん。美術館から徒歩10分程度の三内丸山遺跡からインスパイアを受けたよう。確かに、この土地固有の建物になっていると感じました。そして、京セラ美術館も好きなので、青木さんの建築に居心地の良さを感じるのかも。建築って見た目のデザインもだけど、実際に自分の足で巡ってみてのフィーリングってありますよね。

さて、次は十和田市現代美術館へ向かうため、新青森駅へ。タクシー呼び出し電話が役立った。新青森まではすぐで、タクシーで1,000円ほど。

ちなみに、県立美術館は、新青森が最寄り駅なのは確かなんだけど、新青森駅からのバスはなぜかねぶたん号しかなくて(わたしのリサーチ力不足だったらすみません)、これも本数が非常に限られている。

www.city.aomori.aomori.jp

新青森駅。こういうところでねぶたを頻繁に摂取してワ・ラッセの穴を埋める‥。

 

十和田市現代美術館

七戸十和田駅まで新幹線で15分。七戸十和田に停まる新幹線の本数がこれまた少ないので、下調べした上で乗りこんでます。青森駅周辺であまり観光できなかった理由はこれ。

今回初めて知った「立席」制度。自由席車両がない代わりの制度らしく、よくわからなかったので駅員さんに聞いたら「空席に自由に座ってください」というざっくりさ。実際乗ってみたら、ガラガラで座りたい放題だった。15分で3,000円近く払うのにはビビッてたので、安く済んでよかったー‥。

七戸十和田で下りてタクシー乗り場まで来たらこれです。無人

仕方ないので、タクシーを呼んだものの到着するのに15分程。で、美術館のHPに車で20分と書いてたので、青森駅→県立美術館と一緒かーと思ってたら、もっと時間がかかり、5,000円ほどしましたので、絶対タクシーには乗らないほうがいい。(声を大にして)

若干テンション下がりながら、到着。

この美術館のアイコン的存在、フラワーホース(そういえば、れんが倉庫も県立美術館もここも動物ですね)。これまでの3館の中でダントツでアクセスが悪いはずなのに、一番にぎわってた。でも、県内から車で来てるイメージかな?旅行者らしき人はさほどいなかったかも。

towadaartcenter.com

お腹がすいたので、まずミュージアムカフェでランチ。りんごカレー。甘辛で美味しい。

腹ごしらえして、いざ。

フラワーホースと並んで、この美術館の代名詞的なスタンディングウーマン(目が合いすぎてちょっと気まずい)。手のシミやシワ、皮膚のたるみ具合のリアルさとは裏腹に、やたら手がデカかったりパーツの縮尺が狂ってたり。結果、ただの大きい人ではない独特の存在感に繋がってる。

コレクションそれぞれに、その大きさや個性に合った部屋が一つずつ割り当てられていて、細長いガラス張りの廊下が各部屋を繋いでいる。何となく21世紀美術館を彷彿とさせるなぁ…と思っていたら、どちらも西沢立衛さんデザインだった(21世紀美術館妹島和世さんとのSANAA名義)。

金沢は円状で、こちらは線的なイメージ。狭いので金沢のように迷うことはないけど、すぐそばに見える場所に最短距離で行けないし行き方もわからないというフラストレーションは同じように感じてしまって、やはりあまり相性が良くないかもと思ってしまった…。あおもり犬までのルートは平気なのに、この感覚の差はなんなんだろう…。

でも、コレクションは素晴らしいです。

生で初めて見た、名和さんのこのシリーズ。ガラスの内側は剥製だったんですね。

椅子に上って覗けるようになっている栗林隆さんの作品。

思いもよらぬ世界が広がっていて、うわぁ‥と声が漏れた。

ハンス・オプ・デ・ビークの暗い無人のダイナーのインスタレーションは、映画なのか悪夢なのか、別世界に迷い込んだような何とも言えないぞわっと感があって面白かった。

感染対策上、面白そうな作品が公開中止となってたのは残念だったな。でも今はもう復活してるっぽい。

towadaartcenter.com

コレクションに沿った空間作りになっていることもあって、企画展のボリュームは少なかった。

常設のバルーンと同じトマス・サラセーノの作品(白い部分は自分が写り込んだので雑に消した後)。水尻自子さんの映像は、AUDIO ARCHITECTURE展で記憶に残ってたのでまた見れてうれしかった。アニメーションの中の独特のぴとんとした感触が自分の体の中で視覚から触覚に伝達されて皮膚の上で生成されていくような不思議な感覚。青木千絵さんの溶けだした身体のような漆の作品も「感触」が感じられる作品で、水尻さんと連続して体感できたのはいい機会だった。

カラフルな階段。

2階には不思議な森の作品があった。覗けるようになっているハリボテ感満載の森の下部分にある謎のマントと靴…。

2階から見ると、各部屋を繋ぐ廊下の存在がより際立つ。そして、この美術館にもやはり奈良さんが。

屋上も作品になってました。

1階に戻って。レアンドロ・エルリッヒがどこにあるかわからず学芸員さんに聞いてみると、駐車場の裏手にできた新棟にあるとのこと。うーん…もうちょっとアナウンスしてもいいし動線が美しくないし、本当に増設って感じですね。森美術館での個展でも話題になった映え写真が撮れる作品。ここは特に賑わってた。

美術館前には屋外作品もたくさん。

道を挟んだ向かい側の広場にも惜しげもなく作品が。

普通の公園みたいに、小さな子が草間さんのかぼちゃに入って遊んでいたりしてなんかいい環境だなぁ‥としみじみした。

ヒプノティック・チェンバー。ここもちょっとぞわっとした。

目[mé]の作品は、美術館から徒歩5分くらい。一見、普通のスナックに見えるけど、回り込むと、バグみたいに不自然に切り取られた窓。

生き物の大群のようなものは、よく見れば時計で秒針が激しく動いている。

みんなここまでわざわざ見に来ないようで、無人だった。

激しくのどが渇いたので再びカフェへ。南部せんべいにのったアイス。おせんべいがほんのり塩味で美味しい。コーンより圧倒的に食べやすいので、全国に広まってほしい。

とっても充実したコレクションだった!県立美術館もここも常設展のボリュームがすごいので、企画展にこだわらず、いつ来ても楽しめる場所だと思う。ただ、体験型の作品が多いので、平日や空いてる時間帯を選んだ方がじっくり楽しめそう。

私が今回の旅の目当てにしていた目[mé]の<space>も、今後、若手アーティストを紹介するサテライト会場になるみたい。なら、今回焦って来なくてよかったのでは‥と思いつつ、いやそうなるとまたずるずると先延ばしになってたよなと思うので、いいきっかけになりました。
さて、帰りはバスで三沢まで。美術館から徒歩5分くらいにある「十和田市まちなか交通広場」という新しくできたバスターミナルへ。ここも無人

三沢からのバスの本数は八戸、七戸十和田と比べると圧倒的に多く、七戸十和田からのタクシー代には目を剥くので(根に持つ)、車無し族には三沢からのアクセスが一番よさそうです。三沢まで30分くらい。

www.toutetsu.co.jp

青森屋

というわけで、バスで三沢駅へ。三沢駅は意外とタクシーも停まってました。

今日のお宿はこちら!一度泊まってみたかった星野リゾート。駅からの専用バスはもう既に出てしまったので徒歩で。駅からは上り坂。荷物が多いと難しいけど、リュック一つだったので、15分弱でさくっと到着。

hoshinoresorts.com

敷地が広く、割とすぐに敷地内に入る感覚なので、遠さは感じなかった。建物が点在してる。

小牧グランドホテルの居抜きなので、建物の外観は古さを感じた。

星野リゾートはOMOしか泊まったことがなく、他のレーベル?にも一度行ってみたかったんですよね。ただし、青森屋は、界や星のやのようなレーベルには属さず、独自の展開で、星野リゾートが得意とする「地域体験型」を拡張させて、テーマパーク性をもたせた宿らしい。

コロナ禍だけかもしれないけど、有難いことにお一人様プランがあった。一人旅で1泊2万を超えるのはちょっと…とひよった挙句、朝食のみのプランに。

ごはんや送迎バスの時間は事前にHPで予約する必要があるのが便利なような融通利かないような(夕食もオプションで付けようかなと前日に確認したらもう締め切っていた)。あと、星野リゾート系はかなり前からキャンセル料が発生するので、ドキドキしましたね…。
フロントでチェックイン。夕食はやはり満席のようで、近隣店のご提案をいくつかいただく。
お部屋おまかせプランだったのですが、1人ではもったいない広さだった。部屋の種類は何だろう…?本館の端のお部屋だったので、イレギュラーな間取りかもしれないけど、あずましかな?

洗い場付きのお風呂もあり。

外は森。

1階部分(と言いつつ実際は地下)がじゃわめぐ広場というちょっとしたテーマパーク的なエリアになっているということで、早速行ってみることに。

オープンスペースには、ヨッテマレ酒場(居酒屋)、ホタテ釣りなどのお祭りの屋台、リンゴジュースが出る蛇口、ちょっとしたイベントスペースがあったりと、色々なコンテンツが散りばめられている。

なおかつ、このエリアは、3つの分散した宿泊棟をスムーズに繋ぐ役割もあるんですよね。通路部分もただの廊下にならないように綺麗な飾り付けがされていた。

あと、端の方にボールがめり込んだ星飛雄馬の家もあった(なんで)。

ちなみに、ヨッテマレ酒場は唯一予約なしで夕食が食べれる場所で、ここでも食べれますよ、とフロントでご提案いただいたんだけど、21時オープン。その時間から晩御飯の元気はなく断念。

同じく21時から、広場の奥まったところにあるみちのく祭りやというシアターで、有料のパフォーマンスをやっている。これもチケットを買うか否かひよっているうちに満席になっていた。この春にリニューアルしたようです。

www.hoshinoresorts.com

次に、フロントで案内されて初めて知った元湯に行ってみることに。

宿泊棟から少しだけ離れた場所にあるので、送迎バスが出ている。夕ご飯時にはバスの行き来がいったん途切れてしまうので、今のうちに…と思ったら、タイミング悪くバスが出た直後で、徒歩で行くことに。徒歩で10分弱くらい?三沢駅側にあるので、駅からも徒歩で来れそうだった。風情ある外観。

↑のようなカラフルなガラスに彩られたレトロな岩風呂で、中もとっても雰囲気が良く、何よりとろっとしたお湯がめちゃくちゃ気持ちいい。お湯に浸かりながらふと足を触ったらぬるすべで、あれ、わたし今日何か塗ってきてたっけ?と勘違いするぐらい。もしかしたら過去一のぬるすべかも。

駅近かつ宿泊者以外も利用できるみたいなので、三沢に来たら、青森屋に泊まらなくても元湯だけは寄った方がいい気がする。帰りはバスで。

いよいよ、晩御飯どうしよう…という時間になり、じゃわめぐ広場にある売店へ。いい感じのご当地カップラーメンが売ってたので買ってみた。

青森空港で時間に余裕があったら食べたかった味噌カレーミルクラーメン。うん…想像通りの味噌とカレーとミルクの味だった…。前日に海扇閣で食べてハマったせんべい汁も。これは具沢山でレトルトとは思えない美味しさで、お汁も全て飲み干した。

元々は、十和田市→青森の予定だったので、青森で食べたらいけるやろ…と思ってたのですが、早々にチェックインする場合は、徒歩圏内にはほぼ飲食店はないので、ケチらずに2食付きにした方が安全です。

館内のお風呂に。

内湯のひば湯とまあるい浴槽が池に迫り出したような露天風呂の浮湯。どちらもゆったりと広くて、とろすべのお湯で最高にリラックスできた(元湯の方がとろっと感が強い気もしたけど)。

浮湯の周りの池にはりんごのような照明がたくさん浮かべられて、真ん中にはライトアップされたりんごの木(もちろん模造)。なんか星野リゾートっぽいなー!(偏見)

いやでも、元湯と合わせて、この温泉だけでもこの旅館に来てよかったという満足感がありました。
今日も疲れたので、早めに寝ます。よく考えたらこんな本格的な旅館の部屋に1人というシチュエーションは初めてなので、若干緊張しながら就寝。