芦屋市立美術博物館へ「四海の数」を観に行った。閑静な住宅街に突如現れる建物。
ラッキーなことに無料開放日だった!中はいかにも町の美術館といった感じで非常にコンパクトで温かみがある。本当に近所の人たちがふらっと遊びに来てる感じがして、雰囲気が良かった。
芦屋市立美術博物館のコレクションを現代美術作品とともに紹介する展覧会シリーズ「art trip」。「数」をテーマとする今回には、今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太の4名が参加する。
展示数が少ないのでサクッと回れてしまったけど、それぞれの特色をクリアに感じられて、面白かった。1階には今井さんの40年以上にわたるデイリーポートレートが一年ごとに積み上げられている。1時間露光の写真、テレビ画面の1分露光の写真も。吹き抜けになっているので、2階から、様々な時間の尺度や軌跡を眺めることができる。チラシのビジュアルにもなっている津田さんの「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」は普通の木枠、鏡、モニター、様々なフレームが吊り下がった空間を回遊できるインスタレーション。鏡かと思ったらただの木枠であちら側の風景が見え、かと思えば、モニターに壁にかかった作品も含めた自分の後ろ姿が映り、フレームの迷宮に迷い込む。鈍いので全然気づいていなかったのだけれど、作品名通り、モニターの一部には1日前の映像が流れているよう。フレームはそことここだけでなく時間も飲み込んでいる。その奥には中村さんの考古学的アプローチによる調査。久門さんのインスタレーションは暗闇の中、轟音が鳴り響いていたけど、不思議と居心地よく、いつまでもいられる気がした。まもなく愛知で大型個展があるようで、行ってみたい。
阪急バスに乗って(緑町→開森町)ヨドコウ迎賓館へ。バス停からたった200mなのに、急勾配だからめちゃくちゃキツい。しかし、さすが芦屋、超豪邸ぞろいで、どれが迎賓館か一見わからん…。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)到着!
フランク・ロイド・ライト設計。1924年に建てられ、1985年に大規模な修復工事、その後も度々修復工事がなされて、最近では2017年から2年間工事のため閉館。2019年2月から見学再開になったよう。水、土日祝日のみの見学。予約は無しでOK。ちなみに、スタシアカード優待ありました。(スタシアカード、関西圏の美術館は使えるところが多くてかなり重宝してる。)
のっけからオーラ全開でした。
旧帝国ホテルと同じく、内外に大谷石をふんだんに使った建築。2階の応接室。
もはや古代遺跡っぽくもある大谷石。
整然と並んだ明かりとりが可愛い。ディズニーの「眠れる森の美女」が大好きなので、妖精たちが魔法がバレないように家じゅうの窓を閉め回る時の可愛い窓を思い出した。程よいメルヘン味。 3階の和室。 床の間にも窓と銅板。 裏から見るとこんな感じ。 モチーフの反復があちこちに。斜面上という特殊な地形に合わせた造りになっているので、動線が複雑。階段にY字路が出現するのも面白かった。4階の食堂は天井が三角錐型になっていて、山小屋みたい。明かりとりも三角形の切れ込みに。
ここから広いテラスに出られる。
デザインはもちろん景色も良いし、何よりしっかり補修されながら大事に保管されているのが伝わってきて、とっても素敵な空間でしたー!
旧帝国ホテルの玄関部分が残ってる明治村に行ってみたい欲が俄然出てきて、同じ愛知だから久門さんと梯子できるやん!と思ったら、愛知を甘く見過ぎでした。愛知、デカい。