名門大洋フェリーと阪九フェリーの新造船乗り比べを考えていたところに、六月博多座大歌舞伎の魅力的な内容が発表され、もしやフェリーで行けるのでは…?と気づいたところからの計画スタート。結局、夜の部の終演時間的に往路のみフェリーを使った一泊旅となりました。(今頃書いてるけど、6月の話!)
今回の旅の目的は、
・名門大洋フェリーの新造船に乗る
・博多座六月大歌舞伎を昼夜観る
音羽屋好きの母との2人旅でした。
旅程はこちら。
- 名門大洋フェリー
- 博多座昼の部
- アニメージュとジブリ展@福岡アジア美術館
- 博多座夜の部
- 三井ガーデンホテル博多祇園
- パンとエスプレッソと博多っと
- 鮨 枯淡
- 旧日本生命保険株式会社九州支店&ジャック&ビチェリン&博多駅うろうろ&帰路
- まとめ
ちなみに、これまでの夜行フェリー旅はこちら。
名門大洋フェリー
阪九フェリーと名門大洋フェリー、どちらの新造船にも興味があったんだけど、前者は新造船が神戸〜新門司間しか運航してなくて会社帰りとなるとちょっと厳しいので、名門大洋フェリーの第二便(大阪南港19:50発~新門司港8:30着)に乗船することに。
去年乗船したオレンジフェリーと同じフェリーターミナル駅からの出発。駅を降りた時点でフェリーが見えて一気にテンション上がる…!船に行くまでのこの過程もワクワクして好きだなー。
乗船手続き場所もオレンジフェリーと同じ場所。今回はWEB予約でQRコードが発行されていたので、検温だけして証明書をもらえばそのまま乗船できた。
隣には22時発のオレンジフェリー。地上からだと間近に船を見ることはまずないので、このシチュエーションいい!まだ19時すぎなので、オレンジフェリーの方はトラックの乗り込みだけ。
今回乗るのはフェリーふくおか。今年の3月に就航したばかりの新しいお船。
インフォメーションで鍵をもらって、お部屋へ。母と一緒だったのでデラックスにしてみたら、これがもうホテルすぎて。すごくないですか!?
これまで乗ってきたさんふらわあ、オレンジフェリーよりも少しコンパクトで、ちょうど良いサイズの新しいビジネスホテル感。インテリアの配置や使い勝手も良く、居心地最高すぎる。
水回りもしっかりしていて、パジャマやドライヤー、アメニティも揃ってる(入浴剤は独特)。
あらかじめ買っておいたお弁当をサクッと食べて出港を見届けに。部屋からデッキへの動線がめちゃくちゃ良かった。
その流れで船内散策。オレンジフェリーは時期もあってか閑散としてたけど、今回はツアー旅行も復活しているようで、船内全体に活気があった。6階のレストランには行列が。
同じ階のインフォメーションと売店。やっぱり売店は欲しいよね(オレンジフェリーはなくて残念だった)。もちろん御船印を買った。
便利そうな冷蔵のコインロッカーもあった。
かなり人が多かったので、混み始める前に大浴場へ行くことに。お風呂は一つ上の階。写真撮るの忘れたけど、入口前に混雑状況も表示されてるのがいい。お風呂も当然新しく、シャワーヘッドもいい感じのやつ。何より動く景色の中、大きな湯船に浸かれるって船でしか味わえない体験で最高なんですよね…。
お風呂を堪能した後、21時頃には明石海峡大橋をくぐるということで再びデッキに。 綺麗な夜景の神戸を右手、観覧車がド派手に輝く淡路島を左手に、大迫力の橋くぐり。ちょっとしたアトラクションになってて面白かった。
— たちばな (@daranomado) 2022年6月5日
くぐると橋がレインボーに変わる。
翌日がマチソワ観劇なので、早めに就寝。雨は降ってなかったけど風が強くて、2時ぐらいに起きたらかなり揺れてた気がした。おまけに隣の部屋が5時前から騒がしく、あまり寝れず。。
朝は6:40から朝ごはん。名門大洋フェリーは朝食・夕食ともバイキング制。後の時間のほうが混むかなと思ったのでオープン目指しで行ってみたら、人気の窓側の席はもう既に埋まっていた。
個人的にはオレンジフェリーみたいな定食が好きだなー。何故なら取り方下手すぎてこうなるから。
部屋に戻って身支度を整えていると、新門司港に近づいてきて、阪九フェリーが見えてきた。隣には東九オーシャンフェリーも。次に東京九州フェリーのターミナルがあり、名門大洋フェリーが一番奥。
定刻通り8:30到着。いつも通り、連絡バスに乗るため名残惜しさを感じる時間もないまま、そそくさと下船。
連絡バスは、新門司・小倉まで無料でという手厚さ。予約時にバスの利用有無を入力するんだけど、人数把握のためだけらしく、当日確認されることは一切ありませんでした。西鉄バスと提携している大型バスが4台ほど?運転手さんの「峠を越えるので揺れます」宣言の通り、最初は山道を抜けて再び海へ出る感じ。門司までは15〜20分。いつかちゃんと来たい旧門司駅を車窓から。
小倉までは意外と時間がかかって、45分くらいだけど、車窓から見る風景が楽しく時間を感じさせない。小倉から博多まで新幹線で15分。ホテルに荷物を預けてから博多座へ向かいます。
船は天候によりダイヤが乱れやすいのと小倉までも道の混み具合により時間には注意が必要だけど(11時から始まるのは歌舞伎ぐらいか)、博多座遠征にフェリーってかなりありじゃないですか…!?(突然の売り込み)ちなみに、今回泊まったデラックスは一人当たり15,000円くらい。ここに小倉から博多までの新幹線で2000円払っちゃうので若干高くつくものの、ほぼ新大阪ー博多の新幹線定価料金。新幹線もJTBとか安いプランが出ているのでそれより安くとなると難しいけど、一人旅で使おうとしているファーストSなら1万円切るし、用途によっては絶対便利だと思うんですよね。移動の楽しみも格段にアップするので、みんなフェリー乗ろう!
博多座昼の部
博多座はこれまで、中学生?小学生?の頃の宝塚『凱旋門』『パッサージュ』と10年前に仕事で来た2回しか来たことがなく、「吹き抜けがある」「売店楽しい」という貧弱な記憶しかなかった。久々に訪れたら、私が知る限りで一番美しい劇場だな…としみじみ感じた。内装が劇場というよりホテルみたいで。一方で、スタッフさんにはアットホームな雰囲気もあって、そのギャップが一番の魅力になっている。
幕間の昼食予約をしてから観劇。
・橋弁慶
・鷺娘
・義経千本桜 すし屋
自分の歌舞伎を観る筋力がめちゃくちゃ落ちている上に、昨晩あまり寝れてなくて、睡魔との戦いに…。それでも、菊五郎丈の「すし屋」は本当に見ておいてよかった。
わたしが音羽屋を頻繁に観ていたのは、歌舞伎座建て替えのために松竹座で團菊祭をやったり、名古屋や東京にふらっと遠征できていた、10年以上前。生の菊五郎さんを最後に観たのは、仁左衛門さん(絵本合法衢)を観に歌舞伎座に行った2018年に、歌舞伎座ギャラリー(幕見席の後ろからガラス越しに3分間だけ見学できる)で観た仁木弾正で、3分だし花道に出てきたら見えず、本当に一瞬視界に入ったくらいの感覚なので、久しく見れていなかったんですよね。ということで、特に当たり役と言われるこのいがみの権太は念願の観劇だったんですよね。久々の菊五郎さんは一回り小さくなったような気がした。張りのある声と気っ風のよさは健在ながら、体の動きがそのテンポ感になかなかついていかず。やはりちゃんと見なければいけないんだ。10年は大きい。お里の梅枝くんはもはや花形の域を超えた貫禄だった。
ちなみに、お昼は釜めし御前。こういうザ・劇場的なお食事処で食べるのが久しぶりすぎてワクワクしてしまった。
アニメージュとジブリ展@福岡アジア美術館
博多座の隣が福岡アジア美術館だということに気づき、昼夜間に行ってみることに。本当は斜め向かいの鈴懸本店でパフェが食べたかったんだけど、こちらは満席で行けず。。
アニメージュにもジブリにも詳しいわけではなく、おまけに「ジブリとアニメージュ」と言いつつ、ジブリ以外の作品も多くて正直いまいちよくわからなかった。
博多座夜の部
・魚屋宗五郎
・積恋雪関扉
昼の部の反省からイヤホンガイドを借りることに。それでも「積恋雪関扉」は睡魔に負けた。菊之助さんが昼の部の鷺娘から一転の「魚宗」。年齢を重ねて男っぷりが増し、花道でのお顔を眺めていると、お父さまを思い起こさせる瞬間がいくつもあった(声やお芝居のは全然違うんだけど)。梅枝くんは振り幅広く、世話物でも安定感がある。でも、「魚宗」って今回初めてちゃんと見たんですけど、あれだけ盛り上げておきながら、いざ磯部邸へ行くと意外と対話で解決してしまってちょっと肩透かしだった。「積恋雪関扉」までくると、昼の部からの蓄積でもはやお尻が尋常じゃない痛みに。踊りはイヤホンガイドをもってしても見方が難しく、しかも長尺だったので辛かった。昼の部は感じなかったけど、時蔵さんの動きにキレがなく、気になってしまった。ロビーには、和菓子から洋菓子まで本当になんでもある。でもこのご時世なので買ってすぐ食べられないのが拷問だったけど、お土産はしっかり買った。
LINEを使った抽選会をしていて、せっかくなので参加してみたら手ぬぐいが当たった(こういうちょっとしたものに運を使い果たしがち)。
三井ガーデンホテル博多祇園
三井ガーデンホテル推しの母推薦。キャナルシティの前にあるホテル。
新しく綺麗。
晩御飯のことは何も考えていなかったので、ホテルで食べたのだけど、いわゆる普通の居酒屋さんで、味もいたって普通で、久々に失敗してしまった‥。
三井ガーデンホテルはお風呂が売りになっているところが多く、ここは、照明を落としてミニマルミュージックが流れている超オシャレ風呂だった。都会の真ん中なのに露天風呂まであるという…。疲れ果ててたので、お風呂の後はすぐ就寝。
パンとエスプレッソと博多っと
隣のTHE BLOSSOM HAKATA Premierホテルの1階にあった。博多限定のムーめんたいがあまりに美味しそうだったので、朝ごはんに。
イートインは若い女子たちでいっぱいだったけど、テイクアウトはさくっと買えた。明太子×クリームは間違いないですね‥。これはまた食べたい。
ちなみに、椿サロンというホットケーキのお店もホテルの向かいにあって、気になった。
ホテル出発。博多駅へ行き、バスで桜坂へ。博多で初めてバスに乗ったんだけど、バス停で並ぶ風情が全くなく、いざバスが来たら、みんなものすごい勢いで一斉に乗り込み始めてあっけにとられた。福岡あるあるらしい。
fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp
鮨 枯淡
道後旅で味を占めた母が所望したお鮨ランチを色々探した挙句、いろんな店にことごとく振られ続け、最終的に行きついたお店。まだ20代という若い大将のオープンして間もないお店ながら、すぐに予約が取れなくなるだろう名店、とWEB上で噂されていたので、期待大。
お任せコース。
私たち親子からすると、年に一度くらいの思い切ったお値段のランチですし、普通に美味しいんだけど‥。道後の鮨いのさんに感動した経緯があり…。
あの時は、ネタとシャリの渾然一体を感じる美味しさに感動したし、お鮨愛溢れる大将のトークも本当に楽しかったんですよね。今回は、もちろん美味しいけど、シャリの酢が強くて混然一体までは感じず。おまけに、大将の知り合いが来ていて、ずーっとその人たちとタメ口交じりに会話していて、それ以外のお客さん達は蚊帳の外になって非常に居心地が悪かった。ご年配のご夫婦がネタについて質問しても一言返して終了。
でも、WEB上では大絶賛されている‥。まぁ私たちはこんなお鮨屋さんで食べたことがほぼほぼないので、お鮨好きな方がいう評価の方が世間的には正しいのでしょうが、母と私の中では、もう1回行きたいと思うのは断然鮨いのだね、という結論になりました。
旧日本生命保険株式会社九州支店&ジャック&ビチェリン&博多駅うろうろ&帰路
微妙な残り時間の中、さくっと博多観光。博多は美味しいものは山ほどあるけど、観光地は意外と少ない。時間があれば、大宰府にも行ってみたかったな。
どういうルートで行ったか忘れちゃった…。辰野金吾設計。コワーキングスペースまであった。
こういうのあると、ついつい撮っちゃう。
これもどういうルートで行ったか忘れてしまったけど、大濠公園の近くにある「ジャック」でケーキ購入。
博多駅まで帰ってきて、ビチェリンで一息。
キティ、気になるな‥。
博多駅のお土産コーナー。とにかく食べ物への熱量がすごくて圧倒される。通りもんとか10か所くらいあって、買わざるを得ない状況に追い込まれる。
なかなか見ない標識。ことあるごとに教えてくれるので、絶対迷わない。
帰りは「ジャック」で買ったケーキを食べながら、新幹線で帰った!
まとめ
歌舞伎は自分のコンディションの問題もあって、やや不完全燃焼だったけど、久々に音羽屋の姿を見られてよかった。そして、フェリーはやっぱりいいね…!
久しぶりの博多は、食にどこまでも貪欲だな~とお土産屋や飲食店の覇気を感じながら思った。今度はもっとしっかり下調べしてから挑もう。あと、大阪や名古屋がいまいち元気のない中、地下鉄の車両や駅が綺麗で財力を感じたし、地下鉄だったかどこかに掲げられていたスローガンにもあったように「アジアの窓口」の自負もあって、街全体に活気があるな、と。同じ国とはいえ、都市ごとに特色が違うって、面白いよね。
博多、また来まーす!