だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

『美女と野獣』と『アナと雪の女王』。

めでたく四季の会に入会したため、長期出張中にかこつけて『ノートルダムの鐘』だけじゃなく『美女と野獣』『アナと雪の女王』も観てきました。

これで四季のディズニー作品は全て網羅したことになります。

このブログに移ってきてからの感想は↓。

(リトルマーメイドは感想を残していなかったらしい…)

kotobanomado.hatenablog.com

kotobanomado.hatenablog.com

kotobanomado.hatenablog.com

 

美女と野獣』@舞浜アンフィシアター

まさか舞浜まで行ってディズニーに寄らない日が来るなんて思いもよらなかった。パークの空気感を少しだけお裾分けしてもらったような気がしてちょっとワクワク。

月城さんのコンサート映像をチラ見して、アンフィシアターの特殊な形状は一応知ってるつもりだったものの実際行ってみたら想像以上。舞台の前っ面が半円状でやたら舞台の奥行きがあり、それに合わせて客席も扇状に広がっている。しかもキャパ2000オーバー。端席は当然見切れるらしく、かなりの列を黒布をかけて売り止めていた。明らかに間口と客席数、客席の形状が釣り合っておらず、ロビーも含め劇場というよりスタジアムっぽい。そういえば、元はシルクドゥソレイユでしたね。

美女と野獣』といえば、開幕当時に宣伝で見まくった大振りな装置のイメージが強かったんだけど、アンフィシアターでの上演をきっかけに新演出版に刷新され、装置も大きく変わったよう。

とにかく奥行きのある劇場なので、小さな引枠を前後にレイヤーにして仕掛け絵本みたいに細かく転換していったりするのは面白い(ただし、センターから外れたところから見えるとどう見えるんだろう…とは思った)んですが、ガストン酒場は吊りものだけでもまだいいとして、お城も大きな装置でなくワゴンを組み合わせたものが中心で街から城への切替が鮮やかに感じられなかった。なおかつこのワゴンの質感が若干チープに見える上に、転換も洗練されてると思えず、舞台が寂しく見えてしまったのが残念。そのせいか「ビーアワーゲスト」も思いの外盛り上がりきらない。というか「ビーアワーゲスト」に限らず、モノ化したキャラクターたちがたくさん登場してさぞ賑やかかと思いきや、それぞれ台詞はあるものの意外とその掛け合いが盛り上がるわけでもなく(演じ手によっても変わってくるのかもしれないけど)、特に1幕がかなり間延びして見えるのも気になった。かたやマチズモの権化 ガストンとルフゥ、そして彼らの取り巻きの有害かつ馬鹿馬鹿しいカートゥーンっぽさも塩梅が難しそうで(スベってる風にも見えて)これで合ってるのかちょっとよくわからなかった。2幕終盤の城への突撃と野獣とガストンの対決もかなりあっさりで肩透かし。意外とヴィランズとして美味しくない役なのか…?(野中さんはかつてどう演じたんだろう…)

小林さんのビーストと平田さんのベルの関係性は微笑ましく、ええ歳した大人が見てもちゃんときゅんとできて、はぐれ物同士のラブストーリーという物語の骨格はしっかり楽しめたのだけど。

ただやはりアニメの舞台化となると、個人的には、どうしても『ライオンキング』や『ノートルダムの鐘』のような舞台でしかできない独自の表現・演出を求めてしまうので、言葉悪いけど、物語の筋を追うキャラクターショーの延長線上で、ミュージカル化したことへのカタルシスを感じるまではいかなかった。…というか、わたしはアニメ版が最後の王子のビジュアル以外かなり好きなので(子供の頃、王子が人間の姿に戻ったのを見てギャン泣きした)、そちらの方がルミエールやコッグスワースが活き活きと見えてしまった。

アナと雪の女王』@四季劇場[春]

開演前からプロジェクションマッピングが投影されていて、作品の新しさを感じる。と同時にチューニングが聞こえてきて、生オケということに気づく。四季でも作品によっては録音じゃない場合もあるんですね!(ちなみに10人編成)

美しい衣裳、装置に、魔法を表現する仕掛けもプロジェクションマッピングだけに頼らず多様(氷の棘のようなものが舞台面から突き出してきたりとか)。1幕終わりがアナ雪の代名詞とも言えるレリゴー。まさに魔法のような引き抜きで氷のドレスに早替わりしてパワフルに歌い上げる三井エルサには轟くような拍手が巻き起こり、幕が降りた後もしばらくどよめきが消えなかった。

その興奮を盛り下げるのが2幕冒頭の謎シーン。オーケンというキャラが登場して客席に喋りかけながら、サウナを楽しむ葉っぱ隊たちのダンスシーンに雪崩れ込む。これは一体…?冒頭のミッドサマー風ダンスも含めて、北欧カルチャーを取り入れてるんだと思うんですけど、なんか安直というか…。ターザン風の山の人たちのキャラ設定といい、の、のれない…。穿った見方をすると映画の大ヒットを受けて急拵えで開幕した感があって、確かに豪奢ではあるものの内容が上手く精査しきれてない印象を受けた。

あと、エルサとアナがWヒロインで、なおかつアニメ版よりラストのシスターフッド感が強まっていたけど、そもそもエルサって拗らせて雪山篭ってるだけで(言い方)エルサのエピソードがどう頑張ってもないので、ミュージカルヒロインにするの、むずいよね…と思った。

町田アナと三井エルサは二人ともパワフルな歌声。塚田ハンスが絵に描いたような王子オーラなだけに悪役だと分かった時のショックがデカい。南クリストフがどういうわけか目立たず、滑舌も怪しく勿体なかった。山本ウェーゼルトン、良きキャラ。小林オラフはパペットで可愛さはあるんだけど、あの独特の飄々としたユーモアが抜け落ちてしまってて物足りなさを感じてしまった。

ファミリーで観るには楽しいと思うし、舞台好きとしてテクニカル面は一度は観てよかったと思ったけど…という印象でした。

ところで、これ性癖の分岐点に見えませんか。やはりわたしはどう考えても←側の人間…。