だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

ロロを観に、三重へ行ってきた!

f:id:kotobanomado:20190921171929j:plain

関西でロロが観れる!ということで、三重にいつ高シリーズ@三重県文化会館 を観に行ってきました。文化会館までは、津駅から出ているバスで4分とあったけど、街並みも見たいしなと思って、徒歩25分。汗かきすぎて死ぬかと思った(自業自得)。風景的には、デザインに凝った家々が多くて、みんなセコムに入ってるな、くらいのバスから見てもわかる気づきしかなかったので、素直にバス乗るべき。(こういう天邪鬼さがわたしにはある)(突然の告白)

二本立ての構成で、vol.1「いつだって窓際であたしたち」は三重県高校演劇部選抜メンバー、vol.4「いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した」はロロ初演キャストで。

積極的にポップカルチャーを作品に取り入れるのがロロの作風というのを知ってから、↓のようなのも面白く見てて、念願かなっての観劇。

lolowebsite.sub.jp

今回は、南アルプスの天然水のCMとか、リンダリンダリンダが登場。ただ、正直、その引用が上手くいっているとは思えず、自然に引用するのって演技テクニックがいるんだな、とか、いくら芝居とはいえ、受け手だけじゃなくて演じる側の同時代性も試されるよな、とか感じた。立て続けに見ることになった、ままごとが抽象的な舞台設定で、学校の外側にある具体的なものを極力排して、高校生という存在を蒸留しまくって残った一雫の煌めきという感じなら、こちらは高校時代の何気ない1シーンー学生時代の一番の思い出じゃなくて、誰かに「昔あんなことなかったっけ?」と聞かれたら、思い出すレベルの1シーンをその頃の空想、妄想も込み込みで切り取った感じ。昼休みにグラウンドを走り続ける太郎の走行距離分ストリートビューで世界を辿る2人とか、レースカーテンの中の噂話とか、ベンチ裏の謎の短歌とか、次あそこ曲がった人と付き合う願掛けとか。ちょっとした謎、発見、噂が世界を揺るがすほどのビッグニュースに思えたり、それが不意に誰かと繋がるきっかけになったり、とか。自分には大きな「青春」はないけど、こういうちまちましたのはたくさんあったような気がするので、一緒にいちごオレ飲んでる感覚で、わかるーとなった。思いがけず面白かったのは、2作品とも高校演劇大会の規則に則って60分の制限時間内に収まる戯曲で、1本目のセットの運び込み、2本目へのセットチェンジも自分たちでするところまで高校演劇に則った形で見られたこと。去年「幕が上がる」を読んでから興味があったので、ガン見した。

 

終演後は、行きがけに看板を見た隣のみえむへ。全くのノーマークだったのですが、「耳をすませば」の監督 近藤喜文さんの展覧会をやっていた。

毎朝「なつぞら」を観ているので、キャラクターデザインとか、作画とか、動画とか、このタイミングで見れて良かった。イメージボードに描かれたあらゆる可能性の世界がに気圧された。紙から世界の一片が溢れてきそうなほどのイマジネーションの強度。頭の中に、こんなに知識とイマジネーションが詰まっていること、しかもそれを自在にアウトプットできる才能、惚れてまうやろ・・・。彩色しているものは特に、いわゆる「今にも動き出しそう」な活き活きとしたもので、「名探偵ホームズ」のびっしり描かれたイメージボードは小さな窓から賑やかな別世界を覗くようで、ワクワクした。「よもつひらさか」で、絵の中の風景が徐々に変化していって・・・という話があったけど、こんな世界なら時間を忘れて毎日見入ってしまう。
舞台って仕込むまでは大変だけどいったんランニングし始めたら、スタッフは決められた手順通りやって、あとは役者とお客さんに委ねられる。役者のコンディション、役者とお客さんとの空気の循環も毎回違えば、目の前で起こるイベントのどこを見るかは、全てお客さんに委ねられている。ローテクならではのゆるさがある。一方、「美術手帖」を読んで実感したのは、映画やドラマは最良の視点(カット)まで決め込み、初めて完成すること。当たり前なんだけど、これめちゃくちゃ大変。ただ、映画やドラマはとりあえずシチュエーションさえつくれば俳優が自律的に動いてくれるけど、アニメの場合は、そのシチュエーションから人物まで創造した上で視点を決め込み、なおかつそれに息を吹き込み続けて(一挙手一投足創り続けて)ようやく完成するという、神様より大変な創造をこなしている。「今にも動き出しそう」なんだけど動き出さない絵を見ながら、膨大な仕事量を思い浮かべていた。「火垂るの墓」のサクマ式ドロップスの細かなデザイン指定、「おもひでぽろぽろ」のタエコの頬骨バリエーション、「千と千尋の神隠し」と並んでドストライクな「耳をすませば」の地球屋のイメージボード。これだけのこだわりや試作があってこそ、可能性から作品へ絞り込んでいく時、糸を縒るように強度と豊かさを増すのだな、としみじみ納得した。

近藤さんは早くして亡くなったので監督としては「耳をすませば」だけなのですが、それ以外にも膨大な作品を手掛けてきたことがわかって、極め付けの「ふと振り返ると」コーナーで描かれた何気ない日常がめちゃくちゃ良くて、無性に泣いてしまった。

ミュージアムショップでポストカードを買う時まで感情が揺さぶられ続けてて、猛烈に鼻をすすってたら、レジのお姉さんの目線が冷たかった。(そりゃそうや)でも本当に行けてよかったー!みえむ自体も新しい施設で心地よくていい時間を過ごせた。

www.bunka.pref.mie.lg.jp

 

ちなみに、三重には信奉している近鉄特急で行ってきました。元々学生時代に名古屋遠征するときに使ってはいたのですが、今夏久々に使ったら、あまりにも最高すぎたので、三重とか名古屋へ行く精神的ハードルがグッと下がったというか、がしがし出かけたくなっている。


良さとしては、
・安い
・空いてる
・窓大きくて景色見やすい
・ふかふかゆったり2列シート
フットレストとかコンセント傘立てわっかなど完備(ついてないのもある)
難波駅綺麗。食べるとこいっぱい

名古屋へは新幹線の方がかなり早いけど、料金と、小旅行のトキメキ(普段出張で使いがちな新幹線は気が重い)を考えると、近鉄に軍配。今回、ロロのチケットが安かったこともあって、チケット+交通費込みで10,000円に収まった。
あと、伊勢神宮へ行った時に乗った近鉄の誇る観光列車しまかぜは、マッサージ機付きの超スペシャルシート、運転席シースルー、食堂車ありの至れり尽くせりでめちゃくちゃ楽しかったので、また乗りたい。青の交響曲のレベルも疑う余地なしなので、吉野にも早く行きたいな。

www.kintetsu.co.jp