だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

3月の嗜み。

3月は必要に迫られた戯曲中心の嗜みでした。今思えば、この頃はまだ少なからず出歩けてたな…(遠い目)
 
<『ボディガード日本版』@梅田芸術劇場メインホール>
来日版が酷かったので、意外と感情移入出来て楽しめたことに衝撃を受けた。kotobanomado.hatenablog.comライブシーンの照明・音響は来日版同様ド派手。一方、面白映像とかお姫様抱っこスモーク影絵が無くなって、全体的にはとてもオーソドックスになっていた…残念(期待する箇所が違う)。迫力の新妻ボイスに、AKANE LIVさんの女神のような輝き。大谷さんは初舞台の不慣れな感じが役柄にダブって面白い。レイチェルの取り巻きそれぞれ個性が出てて、掛け合いシーンが思いのほか面白かった(内場さんが可愛い)。でも、ボディガードのヘッポコぶりは変わらないですね…。山小屋は相変わらずのノーセキュリティ、ドアノブに鍵穴すら見当たらなくて笑いました。まさか、ここからこんなに長い間舞台を観れなくなるとは…もっと笑いどころ探しとけばよかった
 
<ミッドサマーとパラサイト(パラサイトは2月だった気もする)> 
 
<コニー&カーラ>
お熱いのがお好き』、『天使にラブソングを』的な変装逃亡劇。『へレディタリー』のトニ・コレットが今回も抜群の表情筋でドラァグクイーンになり切っていた。一方のニア・ヴァルダロス氏は経歴がすごい。2004年の映画なんですが、ドラァグクイーンの「呪い」が解けたヒロインとストレートの男性が結ばれるのを無邪気なハッピーエンドにするの、ちょっとキツさを感じた。
 
<ニューヨーク 最高の訳あり物件>

元妻と元々妻のバトル。思ったよりシリアス寄りで、元妻がイライラし続けているのが辛かった。
 
<チルドレン>
ルーシー・カークウッドに興味があって観た。明らかに3.11後の日本の原子力汚染地域がモデルになっている。原発事故までの日常からどれだけかけ離れてしまっても、そこにはアクチュアルな生活が、命が、死に向かう生があるだけ。『チェルノブイリ』を思いだした。正直、役者さんの芝居と戯曲がしっくりきてるようには見えず、引っかかった。
 
<愛と哀しみのシャーロック・ホームズ
はちゃめちゃに面白すぎた…(放心)。笑いにほろ苦さに推理に、縦横無尽に織り交ぜた完璧すぎる脚本だったし、身悶えするほど愛おしいキャラクター達、世界観で、世の中にこんなに楽しいコンテンツがあっていいのだろうかと震えました。エンタメ万歳。

 
<またここか>

「不倫と初恋」の軽やかでシームレスな会話とは真逆。気味の悪い間や明後日の方向の受け答えばかりで会話は破綻しているし、ストーリー展開も不穏。そんな中でも「うっかり陰毛」と「うんちここにあったんだ」のくだり(こう書くとただの下ネタ)は坂元裕二さんらしくて一気に求心力を増してくる感じがした。そしてこのくだり。
前だけじゃない、後ろにも行ける。小説に書くのは二つのこと。本当はやっちゃいけないこと。もうひとつは、もう起こってしまった、どうしようもなくやりきれないことをやり直すってこと。そういうことを書く。そこに夢と思い出を閉じ込める。それがお話を作るってこと。
書き手もまた痛みを打ち消すために筆を執っている。
 
<開幕ベルは華やかに>
「来月に迫った帝劇公演の脚本家が降板」というこの世の地獄から始まる推理小説…というジャンル分けになってるけど、推理小説として読むと肩透かしかも。でも、バックステージものとしては最高に面白いです。東宝と松竹と思しきライバル会社が登場。帝劇でW主演する松竹の二枚看板が二人とも全編プロンプター付き、おまけに女優の方は勝手に幕切れの台詞、演出を思いのままに変更、脅迫電話の身代金を東宝・松竹どちらが負担するかのなすり付け合い…ページをめくるごとに地獄絵図が広がって笑えました。そして、有吉佐和子らしいシニカルなオチ。
 
レティスとラベッジ>

面白かったー。懐古主義に走るわけでも現実を呪うわけでもなく、ユーモアをもって現実に立ち向かうカッコよさ。私のイメージではレティス高畑淳子さん。
 
<トランス>
現実と妄想が入れ替わり立ち替わりしていって、最終的に読む側もトランス状態になってしまう戯曲。
 
<カズオ>
二兎社の二人芝居の戯曲。二人で何役も早変わりをするけど、物語のキーマンになる「カズオ」は演じず、目に見えない、というのがミソ。
 
デュ・モーリア傑作集>
めちゃくちゃ面白い。怖さの色合いも違えば、仕掛けのバリエーションも豊か。「鳥」は世界の終わりすぎて凍り付いた。あんまり性別で分けるのもあれですが、女性作家の淡々と抉るような怖さ、大好き…。
 
<マイブロークンマリコと心臓>
 

どちらも漫画でしか成立しえない表現が詰め込まれてて面白かった。前者は躍動感・スピード感が、後者は暮らしの肌触りみたいなものが特に。特に後者はまた度々読み返すと思う。

 

<絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男>

自分はBL漫画のモブキャラだと自覚している男子高校生が主人公。BLあるある展開をメタ的に把握して、BLフラグを徹底的に回避していくという面白いアイディア。

 

<プリティウーマン>
Mark、イケオジすぎません…!?(息も絶え絶え)(ただそれが言いたいだけで動画を貼る)
 
<バビロン・ベルリン>
YouTubeでMarkにニマニマしてた流れで見つけたのがこれ。
これだけでも十分伝わると思うんですけど、センス抜群。運良くGYAOで無料配信中だったので一気見してハマってしまった。音楽とか世界観が『スリープノーモア』っぽい(と勝手に思っている)し、第一次世界大戦後のドイツを舞台にしてるので、『1917』『彼らは生きていた』の記憶が鮮明なうちに見れてよかった。精神を病んだ元軍人たち、ロシアのスターリン政権を転覆させようと企むトロキスト、不況にあえぐドイツ国内の政治対立、謎の組織とスパイが混沌と絡み合って、歴史ドラマとしても勉強になった。Season2観たい…。
 
<スリープノーモア上海>
動画のライブ配信が始まりました。といっても「スリープノーモア」の、というわけではなく、パフォーマーによるオリジナルショー。めちゃくちゃ手作り感満載だし、パフォーマンスのクオリティが高いわけではないんですが、何より上海に戻ってきてくれていて再開に向けての一歩を踏み出した感があって、とても嬉しい。(5月からの再開、決まりました!)
 
<庭園の宿 石亭>
経営が厳しいのかハガキが来ていた…。あわよくば再訪を狙っている超おススメ旅館なので、広島旅行を考えてる方、落ち着いたら是非!

kotobanomado.hatenablog.com

 

東京の老舗巡りに味を占めたので、今度は大阪。予想通り空いていた。店構えも店内も、いせ源、みの家の流れを汲みすぎで(全部K先輩と行ってるし)デジャビュ感がすごすぎた。ケチャップが独特で美味しい。たどり着くまでに大黒を通った。ここはかやくご飯で有名なお店らしくて、戸の隙間から出汁のいい香りがした。次は、この大黒とマツバヤを攻めたい。
 
・ベジタブルキッチンONION