だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

映画『ナイル殺人事件』+『コードネーム U.N.C.L.E.』感想

スマホ内メモ放出まだまだ続くよー!

コロナ禍になってから映画館には数えるほどしか行ってない。特に去年は、絶対に感染したらあかん時期が長く、多分1回も行ってなかったんじゃ?この感染者数じゃまだまだ怖いなと思ってたものの、何度も公開延期になっていた『ナイル殺人事件』がとうとう封切られたということで、行ってきた(2月の話)。

他にも観たい作品は山とあるのに何故この映画かというと、おそらくアーミー・ハマー最後の出演作になるだろうから。『君の名前で僕を呼んで』でアミハマを認識してから、若干おちょくりながら愛でてきたわけですが、ナイルの撮了後にDV疑惑のスキャンダル(内容がわからない方はググってください。酷い内容です)が出て、その後の仕事は全てキャンセルになりました。

よほどのことがない限り、今後、この規模感の映画に、しかもこんな番手で出ることは二度とないでしょう。『君の名前で〜』から全てサブスクで観てきたわたしにとっては、これが最初で最後のアミハマonスクリーン。アミハマの存在を一切消したCMに戦慄しながらも見に行くことに決めました。

ケネス・ブラナー版の名探偵ポワロ第2弾。第一弾の「オリエント急行殺人事件」は金曜ロードショーか何かで部分的に観たのみ。第1弾からの続き役がキーパーソンだったのでちゃんと観ておけば良かったと後悔した。ちなみに、クリスティ作品は何作か読んだり観たりしてるけど、これは原作も未読。
タイトル通り、舞台はエジプト。ナイル川流域やスフィンクス、ピラミッド、アブ・シンベル神殿など観光名所が多々登場する、トラベルミステリー。どうやら神殿やクルーズ船は実物大のセットが組まれたらしく、画面からはCGと相まって渾身のドヤ感が伝わってくるし、作り手側も「実際に旅するような没入感」をウリの一つにしている(といっても元々コロナ前に作られた作品なので、旅行に行けない今の情勢を考えて後付けした可能性はある)のだけど、俯瞰ショットが多く、なんかストリートビュー的な無機質さというのか…異国情緒溢れる空気感、たちのぼる匂いのようなものは感じられない。ダンスやパーティーの演出も派手で現代的な煌びやかさ。今更古典ミステリを映画化するには、現代的なスパイスが必要なのかもしれないけど、好みのテイストではなかった。

驚いたのは、冒頭の第一次世界大戦の戦闘シーン。従軍したポワロと愛する女性の邂逅、トレードマークの口髭の秘密が明かされる。そこから時と場所を移して、資産家のリネットとその夫サイモン、サイモンの元彼女ジャクリーンを中心にした愛憎劇へと展開していくという流れに繋がるのだけど‥。

ポワロが、かつて愛した女性を亡くし、それをきっかけに感情を抑制して他者の人生の観察者になったという設定は、このケネス・ブラナー演じるポワロなら、さもありなんな納得感で面白いと思った。ただ、ポワロの過去まで絡めて、このミステリーを「愛」に集約させたい気持ちはわかるけど、そないに声高に「愛」を叫ばなあかんのか、という疑問が。そんなに連呼しなくても十分テーマは伝わるのでは?しかも、その愛推しに比べて、謎解きパートのあっさりなこと。ミステリーであるからには、こちらも丁寧に描いて欲しかった。

あと、これは刷り込みを通り越して呪いみたいなものなんですが、私の中では、どうしてもポワロ=デヴィッド・スーシェ(cv 熊倉一雄)なところがあり、愛嬌あるポワロ像を期待してしまうんですよね。ケネス・ブラナーはもっと冷淡な人物像で、さっき書いた通り、過去の経験から自分の感情をあえて欠落させていて、それはそれで成立してるのですが、私の目からは魅力的に見えなかった。

お目当てのアミハマは劇中でもビジュアルがいいだけのゲス男を演じていて、なんか本当に皮肉だったけど、『僕の名前で~』の盆踊りみたいなダンスよりちゃんと踊れていて良かったな‥。

翌日、流れで未見だった『アンクル』を観た。冷戦時代に米ソスパイがタッグを組んだら…という『ケイ×ヤク』もびっくりのバディもの。アメリカ側のスパイをヘンリー・カヴィルソ連側のスパイをアーミー・ハマー。監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー。『シャーロック・ホームズ』のブロマンスの描き方も好きだったけど、今回も反目し合いながらもなんやかんや助け合ういいバディ感(ただしあの二人ほど色気はない)があって楽しい。

ヘンリー・カヴィルクリストファー・リーヴ的な古風な男前で、白人男性の理想形だなと思ったら、実際に『スーパーマン』を演じていたらしく、やっぱりスーパーマン顔ってあるよね、と思った。それもあって、現代的なテンポ感ではあるものの、60年代のファッションや空気感みたいなものがしっかり役者と噛み合っていたり、ガジェットとか、スパイものの定石も踏みつつ作られている感じはした。

というのも、わたしはこれまでほぼスパイものを観たことはなかったんだけど、去年Studio escapeの『女王と国のために』に行った時の雰囲気とか感覚がめっちゃ蘇ったんですよね。逆にこれ観てから行けば良かったーと後悔するくらい。かなり面白かったし、続編を匂わせる結末だったので、アミハマの再登板が叶わないことを思って悲しい気持ちになってしまった。。でも、これ宝塚とか人気ある男性キャスト2名で舞台化できそうだな~。

ついでに、↑で書いたStudio escapeのことを書けていなかったのでここで。

www.studioescape.jp

昨年末、4人で行きました。ネタバレはしないですが、とにかくもうギミックが素晴らしく、キャッチコピーに偽りなく、物語の登場人物のような体験ができる。テーマパークなみに凝った世界観を少人数で貸し切れるってめっちゃ贅沢じゃないですか!?多少お値段張るけど、それだけの価値は十分あって最高に楽しいので、もっともっと広まって欲しい。
ちなみに、これから大阪の別場所で新しい作品を展開することが決まっていて(先日発表された)、いずれ東京進出も考えているらしいので、それも楽しみ!