だらだらノマド。

趣味、日常をゆるゆる綴るライフログ。

5月のたしなみ。

在宅勤務2か月目。ヨガに始まり、映画や芝居を観て、ヨガして、本読んで、ヨガする生活…慣れました。ひょんなことから韓国ドラマ「愛の不時着」が流行っていることを知り、ネタとして見始めたらすっかりハマってしまって、後半は鬼のように韓国ドラマ(というかヒョンビン氏)ばかり観ていましたね…。自粛期間中でなければ、バンダースナッチ目当てにNetflixに入ってなければ、それと、アマプラで韓国映画を観る流れができてなければ観ていなかったと思うので、タイミングってあるなぁ…と不思議な感覚です。とりあえず、また一つ趣味が増えました。

5月のたしなみ 演劇・パフォーマンス配信編はこちら。

kotobanomado.hatenablog.com

Netflixアマゾンプライムで観た映画と漫画少しと在宅あれこれ。

 

 

「グッドナイト・マミー」@Netflix

4月からうっすらと続いている「怖いお母さん」シリーズ。早い段階でオチは読めてしまうけど、空気感は好き(ただし、ちょっと"痛い")。

「バイバイマン」@Netflix

名前を呼んではいけないあの人の話。ビジュアルまで「例のあの人」に似ていた。怖い以前にツッコミどころが多すぎましたね…。



「エヴォリューション」@prime video

「エコール」の男女逆転版的なものかと期待してたのですが(同じルシール・アザリロヴィック監督)、もっとえげつない話でした。「エコール」がジェンダーの話ならば、こちらはセックスの話。ただし男女の性的役割が逆転している。設定は興味深いけど、"痛い"シーンが私の許容範囲を超えていて、あまり好きにはなれなかった。

「ミッドナイトインパリ」@prime video、Netflix

ウディ・アレンです。作家志望の男性が憧れの1920年代のパリにタイムスリップして、フィッツジェラルド夫妻やヘミングウェイら著名な文化人たちと交流を重ねていく話。タイムスリップと言ってもSF的な装置は登場せず、街角にプジョーが迎えにくるのがいい。

「女神は二度微笑む」@Netflix

歌い踊らないサスペンス系インド映画。インド映画特有のクドさみたいなものに慣れるまで時間はかかるけど、馴染んでしまえば面白かった!インドならではのお祭りシーンにも高まりました。真打ちの殺し屋より一見人当たりの良さそうな森永卓郎似の殺し屋の方がよっぽど怖い。 

「魔術師」@prime video

ベルイマン。降霊術的なものが見れるかなと思ってたんですが、なかったですね…。 

ノクターナル・アニマルズ」@Netflix

小説家志望の別れた元夫から届いた小説世界が映画の半分を占める。受け取った妻側の解釈によって読み進められ(映像化され)るので、小説の主人公は元夫の姿をしているし、その妻と娘も自分たちの姿そのまま。なのに、小説内の妻と娘は読み始めて早々、ヤンキーグループに残虐なやり口で殺されてしまう。展開に気味悪さを感じつつも、次第に自らの犠牲も厭わず殺された二人の復讐しようとする小説の主人公に、元夫からの愛情を感じ始める。けど、それはあくまでも彼の独創性を信じていない元妻側の読解であって、むしろ元夫が妻のキャラクターを投影していたのは、日常の幸せを突然に奪い、彼を「弱い」と罵った殺人鬼達ということだったのかな。妻、ぬか喜びの話。ちなみに、現夫役はアーミー・ハマー。ご尊顔を拝する時間がわずかしかないので、刮目しました。


紳士は金髪がお好き」@prime video

マリリン・モンローの一挙手一投足から目が離せませんでした…可愛い。恵まれた容姿の魅力を最大限に引き出す表情、衣裳の着こなし、ポージング、仕草。あまりに完璧過ぎて怖いくらいにチャーミング。可愛い…。

「疑惑」@prime video

米倉涼子黒木華でドラマ化もされていた松本清張原作の映画版。岩下志麻桃井かおり岩下志麻さまのオーラもそれはもう素晴らしいのですが(役柄もあってか吉田羊っぽかった)、何より、桃井かおり桃井かおりっぷりに感服しました。
 

「ザ・ボーイ」@Netflix、prime videoと「エスター」@Netflix
 

両方とも先行作品(私が見たことある中では、前者は「アナベル 」、後者は「オーメン」)のイメージをうまく利用した映画。主人公の拗らせっぷりが、どちらも怖いとか哀れとかいうよりも他人ごととは思えませんでしたね…気を付けよう(感想がおかしい)。でも、前者は終盤かなり笑える。後者は子役の演技力に目をひん剥きながら、誰かに似てる…とずっと思ってたんですが、天寿光希でした。(ファンの人、怒らないで)
 

否定と肯定」@prime video

観ないとなーと思いながらずっと後回しにしていて、劇団チョコレートケーキの流れでようやく。ホロコースト否定論者がホロコースト研究の大学教授から「歴史修正主義者」と名指しされ名誉毀損で訴えたところから始まる法廷対決もの。
イギリスの裁判では原告側ではなく被告側に立証責任があるため、原告側の誤りを証明できなければ勝訴できない。つまり原告側の唱えるホロコースト否定論を論破することが裁判の焦点になるので、おのずと史実の正しさを争うことになる。ここで大活躍するのが理知的な戦略(ホロコースト生存者に証言台に立たせない。レイシストとは同じ土俵に立たせない)と、学者顔負けの膨大な勉強量で的確に論破していく弁護士さん達。カッコ良すぎて泣けてきます。
と同時に、今の日本の状況を見てもそうですが、歴史を証明することの難しさも感じる。真実をねじ曲げてでも自分の主義主張を通したい人たち、さらにはそれをエサにヘイトをまきちらす人たちがたくさんいるわけで、その人たちに対してきちんと論拠を示して論理的に誤りを指摘する必要性。ましてや、一般社会では裁判のように鮮やかに決着はつかないですよね。それでも、脊髄反射的にではなく(それは同じ土俵に立つだけですね)時間をかけて粘り強く、客観的事実と知性を持って不正と戦わなければならない。全ての時代の人のために。誰かの都合の良いように、過去生きていた人たちの人生をなかったことにしないこと、今生きる指針を誤らせないこと、将来過ちを繰り返さないこと。
 

「しらなすぎた男」@prime video

ヒッチコックの「知りすぎていた男」をもじったタイトルからしてわかるようにコメディー。97年、ビル・マーレイ主演。プライムの作品一覧をだらだら見ている中で、あらすじに「演劇体験ゲーム」とあって、これはイマーシブシアターなのでは?と思ったら、当たりでした。芝居の世界と現実世界を取り違えるというのは鉄板ネタですが、ほとんどが映画という中演劇というのも面白いし、最後までドタバタ感が途切れず、めちゃくちゃ良い掘り出しものでした!ちなみに、prime videoで検索する場合は日本語タイトルで検索すると何故か引っかからず、The man who knew too littleで出てきます。
 

「ヘアスプレー」@prime video

あらすじもまともに知らないまま観たので、こんなにエンパワメントしてくれる作品とは…と衝撃を受けながらほぼ全編泣きながら観ていた。この文脈を知ると、(残念ながら中止になってしまったけど)日本初演版の渡辺直美さんの起用は、彼女のこれまでの活動を踏まえても必然だったんだなと感じた。あと、ようやくザック・エフロンの顔と名前が一致しました。


万引き家族」@prime video

是枝さんの映画は「誰も知らない」と「そして、父になる」、「三度目の殺人」の3作しか見たことがない。「三度目の殺人」は若干毛色が違うので置いておいて、擬似家族をモチーフにすることで、2作の要素(+まだ観てない他の作品も?)がミックスされ、身近な社会問題や家族のありかたをいくつも切り取っていた。中盤までは、フリーダムな樹木希林の力で、私のイメージする是枝作品(=静謐かつ緻密、丁寧に制御されたシーンの連続)がねじ曲げられている感じがしていて、それが歪な擬似家族にマッチしている反面、なかなか飲み込み難かったけど、この樹木希林演じるおばあちゃんの唐突な死が単なる起承転結の転にとどまらず、空気感を一変させてたのが面白かった。一気にノイズが消えてシンとする感じ。

よしながふみさんの漫画を読んでから興味を持っている、家族とか恋人とか友達のような大きな括りからこぼれ落ちてしまった(もしくは、なり切れない)、名づけられない、余白の関係性がだんだんと露わになってくる。(そういえば、家族なのに他人の振りをする「パラサイト」と他人なのに家族の振りをする「万引き家族」って裏表になっていて面白い)。貧しく、力を持たない人間がどう生き抜いていくか。彼らを結びつけていたのは犯罪だったけど、犯罪「だけ」ではなかった。自分で自分を殴る孤独感と闘ってたら、やっぱりスイミーしたくなるよね。

 

「ブラックレイン」@prime video

ロケ地が大阪ということで一度見たかった映画。道頓堀とか阪急梅田コンコースとか、関西人にとっては身近な場所ばかりでかなりテンションが上がる。「ブレードランナー」的にかなり脚色されたヤバいアジア・日本像なんですけど、そのセンスがい抜群…と思ったら、これもリドリー・スコットだった。そのくせ、いきなり阪急の包装紙をぶっ込んでくるリアルさとのギャップや、80年代におけるアジアに対するイメージや脅威、偏見みたいなものもひっくるめて面白かった。ハードボイルドな高倉健も味があるのですが、なんといってもヤクザ役の松田優作が完全に振り切れていて、ヤバい日本の世界観にマッチしている。今まで見た映画のヤバいキャラクターランキングでかなり上位に食い込みそう。

 

「ブラッククランズマン」@prime video

「ヘアスプレー」からの流れで観てよかったかもしれない。時代背景的には「ヘアスプレー」の10年後。黒人とユダヤ人の警官が白人至上主義集団KKKの潜入捜査をする実話を基にした作品。名前だけ知っていたグリフィスの「國民の創生」が出てきて、びっくり。映画史的に重要な作品という認識だったのですが、KKKの活動を活発化させる要因のひとつだったんですね。。映画初期の作品なので、映画の立ち位置が今とまるで違うと思うのですが(記録映画が多かった?)、その影響力に驚くとともに、今再び、映画に社会を変える力を込めようとしているのが伝わってきた。わたしは登場人物の台詞を利用して作り手がそのままメッセージを発するような作品は好きではなく、これもちょっとダイレクトなメッセージが強すぎる(語りすぎる)と感じたのですが(ラストの、現代の極右集団の実際の映像の挟み込みも含め)、トランプ大統領が就任した2017年に製作、翌年に公開ということで、強い危機感ゆえなんだろうなぁ…という納得はした。劇中のレイシストたちの吐き気がするようなヘイト発言って、SNS上で日々繰り広げられてる内容と同じですもんね。スパイク・リー監督の作品はプライムビデオにいくつかあるので、引き続き観ていくつもり。



本・漫画もいくつか。

 

「目の見えない人は世界をどう見ているか」

数年前から、ダイアログインザダークや視覚障がい者の方の美術ワークショップに興味を持ちはじめ、健常者が目の見えない人に一方的に教えたり誘導するという力関係だとか、見える-見えないの二項対立ではなく、もっとフレキシブルな関係性や身体性があっていいのでは、と感じていた。あと、昔の創作物の中の視覚障がい者の人を見て、現代との違いが気になってた。歌舞伎で、盲目の人は大抵あんまとして登場するんですが、日常生活を送る上で、そりゃあ今よりもバリアはフリーじゃなかったと思うけど、視覚に障がいを持ってるからといって特別視されてる風情がなく、あんまとして頼りにされ、みんなと軽妙に冗談の言い合いをしている姿が登場するんですよね(もちろん創作物なので、それが当時のリアルだったかはわかりませんが)。一方で、正直、わたしは視覚障害者の人と出会ってコミュニケーションを取る場面になったら、「失礼のないように何とか切り抜けなければ!」みたいな緊張感を感じると思う(私の場合、ただコミュニケーションが苦手なだけともいえる)。時代を経て福祉的にはバリアフリーが進んだはずだけれども、同じ社会の一員として身構えずに自然にコミュニケーションを取ったり、それぞれ持つ役割や個性を尊重し合うことは現代の方が希薄なのでは…?そういう違和感のかけらみたいなものが積み重なっていた時に出合った本でした。

自分と異なる体を持った存在に対して、想像力を働かせて(変身して)みること。自分が当たり前だと思っている自分の体や知覚の隠された可能性に気づくこと、自分にとっての世界(環世界)を相対化してみること、自分と異なる体を持つ人への勝手な思い込み、独りよがりの善意がないか。どれもわかりやすい例を挙げながら、違和感だったり思い込みを丁寧に解きほぐして、発想の転換を促してくれる。先に挙げた美術ワークショップの「見えない」ことを触媒にして、試行錯誤しながら作品を語る言葉が、新たな解釈や知覚を生んでいく話は特に面白い。障壁をマイナスではなく当たり前を疑い新たな可能性を探る一手と見る、出合えてよかった一冊でした。


金田一37歳の事件簿」 1〜4巻

自信の塊だった金田一少年が、人並みに空気を読む、しがない37歳のサラリーマンになり果てている。外伝の内容も受けて(アプリで毎週楽しみに読んでた)、犯人側の存在感が膨らんだ気がします。内容もちょっと大人向け。

 

「あげくのはてのカノン」

SF×不倫というキャッチコピー。世界観とか修繕による心変わりのようなSF設定は好きだったのですが、ヒロインの狂気的なテンションに食傷してしまった。でも「変わらない」ってそういうことなんですよね。「寝ても覚めても」の気持ち悪さを思い出した。


「マッドジャーマンズ」

 

数年前から、海外コミックス(今までバンドデシネと呼んでたんですが、定義としてはフランス語圏のコミックスを指すようなので)を少しずつ集めています。

私が選んできたものがたまたまなのかもですが、個人の記憶と結びついた作品が多くて、他のどのメディアにもできないコミックスならではの表現にいつも驚かされる。今回の「マッドジャーマンズ」も3人の記憶を頼りにアルバムを開いていくような感覚で、内容にも表現方法にも圧倒されました。
 
その他在宅あれこれ。

ヨガ

Lotus Yogaを有料にアップグレードして、朝昼夕晩、合わせて1時間半くらいのメニューを毎日続けてます。体重は変わってないけど、下っ腹が明らかに変わった…。ブリッジもできるようになったし、体が軽くしなやかになった気がする。これは自粛期間が終わっても続けていきたい。 
 

麺お取り寄せ

GW辺りに麺を食べたい欲が爆発してしまって、お取り寄せしたもの。麺の充足感って麺でしか味わえないですよね…(当たり前)。多幸感に包まれました…。まだいくつか頼んでいるので、後半も堪能します。